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第188話【再生脱皮する世界蛇】

 今回の事、だから世界蛇殲滅戦についても、俗に言う、悪い奴は僕一人って事だね。


 本音ベースでは悪くないけど、誰も不幸せになってないけど、フアナさんもサーヤさんも嫌だって言うならそこで詰みだったし、むしろウエルカムみたいな感じで良かったんじゃないかな。


 桃井くんだって抵抗もしてないし、その事については呆れるものの抵抗はされてないから、この形は間違ってなかったってそう思うよ。


 第一さ、結局僕が言ったからそうなってしまった訳だけど、それ以前にそうなる前にこの一歩が踏み出せていたら、今回の騒動も起こってなかったんじゃないかって思うんだよ。


 最初から桃井くんがフアナさんとサーヤさんを同時に選んでいれば、めでたしめでたしで、黒の猟団とかの騒ぎさえなかったんじゃないかな? 


 フアナさんが桃井くんを胃の中に収めて逃げ回る事態にはなってなかったと思う。


 そう考えると、桃井くんにはもっとどっしりと二人を幸せにする覚悟って言うか、その気持ちってのが足りなかったんだよなあ、結局どっち付かずってのは周りを不幸にして終りって言う結果しなないんだな、って今回の事件から僕が得た教訓だね。


 そんな事を考えていると、


 「何を他人事みたいに言ってるんですか? 秋様の回りの人たちはサーヤなんて比べ物にならない程の、その、なんて言うか色々と突き抜けてしまっている方々が沢山いますよ、自覚ないんですか? このまま放置しますときっと………、いや聡明な秋様の事ですから既に覚悟は決まっているかと思われますが………」


 って一瞬だけどすごい怖い顔して言われる。


 桃井くんに凄まれる。


 い、いやだなあ、そんな不気味な予言めいた事言わないでよ、やっぱ教祖様だからかなあ? いや、ほんと、考えない様にしてる部分はあるよ、あ、それか、それがいけないんだな、ってでも、もう、どうしようもないじゃん。


 それに桃井くんと違って、今の僕の状況って僕のコントロール下にはないしね、いざとなったらダッシュで逃げるくらいしか選択肢もないんだよなあ。


 そしたら桃井くん、


 「秋様は自分にできない事を平気で人に押し付けるんですから、いい王様です、尊敬します」


 って言われた。


 その桃井くん、そんなサーヤさんと視線を合わせて僕の複雑に迷う視線なんて無視するみたいに仲睦まじく微笑みあっていたから、よかったじゃん。OKって事だね。


 でもって世界蛇に再編成についてだけど、またまた真希さんが言うにはまたしても僕にお任せらしいので、さて、どうするかな? って考えてみる。


 ちょっと深く考えてみる。


 考え込んで見る。


 ああ、ダメだなんのプランも浮かんでは来ない。


 仕方なく、


 「どうしようか、桃井くん」


 って尋ねると、


 「僕は前のままでいいと思います」


 ってしっかり答えてくれた。


 うん、そうだね。それがいいいね。


 篩に掛けて、大きな異物は排除できたし、今後はこのダンジョンの為になる組織になって欲しい。


 一応、世界蛇の位置付けってのは、ダンジョンウォーカーでありながら、ダンジョンのモンスター側の勢力に寝返った人間て事になるらしい。


 死をもって罪を清算するとか、そんな教えがあるらしくて、それが、黒の猟団にいい感じに浸透していたらしく、秋の木葉になるまでそんな物騒な経典は破棄できなかったんだそうだ。


 一応話辛そうだから聞くのもためらわれたんだけど、その当時の蒼さん達も、実際は実家の訓練でも大怪我する人間、時には死を賭けての挑戦とかもあるのだから、そこから逃げ出して来る様な分家の人間もいて、彼らのためにもいい感じの緊張感になっていたんだそうだ。


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