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第73話【世界を狂わす壊滅の王】


 よくわからない会話で納得が行われて、春夏さんも僕の方みて、もう一回頷いてたから、「ああ、うん」ってなる。納得ならいいや、って中身は知らないけどなる。


 「でもまあ、救われてるのが、このスキルは使用者の頭の良さとかも求められうべから、しかも、今回は不完全な発現だったべ、そうだな麻生」


 「ああ、その後の聞き取り調査では、掌握の完全な効果は出ていないようだ、うちの人間に関しても、浅い効果なようで、内容を説明しておくと、形状的思考が差し込まれることなその表面に、『常に真壁氏がいる』と言う状態に落ち着いている」


 って説明してた。


 常に僕がいるって? どう言う事??


 それについては春夏さんが教えてくれる。


 「あのね、みんなの心に秋くんがいるの、それだけだから、大丈夫、秋くんがいるって幸せな事だから、きっと悪い事は起こらないから」


 って言われる。


 ?????


 って思いつつ。


 「うちの田丸に会ったべ?」


 って言われて、


 ああ、さっき、僕を案内してくれたお姉さんだね、って思って、「はい」って言ったら。


 「まあ、掌握って言ってもあの程度なら問題はないべ、せいぜい、お前に対して『好感』を抱く程度で、それは深刻なほどでもないって結論が出てるから、個人的に一人一人がアッキーを応援するくらいなら、支障は無いって事だべさ」


 って真希さんの言葉に、隣に座る三人のうち、白衣の女子が一緒に頷いていた。


 そっか、じゃあいいか。って思いつつも、もう、この王様スキルは使わない。ってそれだけは心に誓う。


 「ごめんね、秋くん」


 って横では春夏さんが謝るんだけど、なんで春夏さんが謝るのさ?


 そして、今回、僕が呼ばれた理由ってのが、この厄介なスキルを使用しないようにって言うギルドからの警告って言うか、注意喚起だったんだな、って思った。


 だから、もうクラス認定もいいや、ってそう思ってる。


 こんな厄介なスキルでクラスならない方がマシだって、もとよりのノービスの方で行こうって、方向性が決まったよ。


 でも、この時には、あんな風になるだなんて思いもしなかった。


 『好き』って言う、僕を対象にした、その小さな意識は、人の数によっては互いに共鳴して、反響し合い、思いの外大きくなルって事を、僕は、いやここにいるギルドの人達も知らなかったんだ。


 これで終わりかな?


 って思ってると、真希さんは、一つ咳払いをして、


 「じゃあ、アッキーのギルド公式認定もすましてしまうべ」


 って言いだすから、もうね、この『王』ってクラスについては、もういいや、謹んで辞退します、って言いたい僕なんだけど、真希さんはそんな僕の心情なんててんで無視して、


 「じゃあ、真壁秋、クラス『狂王』を認定、ならびに危険度をハイエイシェント級に分類、今後、ギルドは注視してその行動を監視するべ」


 って言いだす。


 違うじゃん、さっきの春夏さんのクラス認定と、ぜんぜん違うじゃん。


 そしたらさ、春夏さんが、にっこりと笑って、言うんだよ。


 「よかったね、秋君、深階層のティアマトと一緒のクラスだよ、強そう」


 って喜んでる。


 「4人目の王が登場したってことは、『壊滅』が近いということだな、工藤氏」


 「世界を狂わす『壊滅の王』だべ、ほんと、あいつの筋書き通りになってきべなあ……」


 頭をかかえる真希さんに、なんとなく声をかけてはダメな雰囲気になってる。


 「ともかく、こいつを野放しにするためにも、人員を増やさないとな」


 って、真希さんはギルド側で話し合いというか会議を開始してた。


 角田さんはこっちに来るて、早くダンジョンにいきましょうよ、って言いだしてるし、気が付くと、角田の横にいた他の人たちはいつの間にかいなくなって、会議室はカオスな事態になりつつある中、僕に寄り添う春夏さんがさ、ワイワイと話し合ってる喧噪の中で囁く様に言うんだよ。


 澄んだ声で、明瞭な言葉で僕の耳に届くんだ。


 「秋くんは、もっと強くなるの、だって、世界を一撃で滅ぼすのだから、そのためには私はなんでもするの」


 とても素敵な笑顔だった。


 まるで四方八方に広がって、僕の後ろにもある。そんな笑顔。


 だから、僕にその微笑みから逃れる術なんてないんだって、思うと、余計に安心してしまうよ。


 今はいい。


 だけど、最後にこれだけは言わせてほしい。


 やっぱりさ、『職業』で人を判断するのって、どうだろう?


 僕は声に出して言いたいよ。


 なんだよ、『狂王』って?


 そんな禍々しい言葉に踊らされない様に、今後も、真摯に、そしてのん気にダンジョンを攻略しようって、心に誓う僕だったよ。



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