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第177話【蛇より離脱する子供達】

 ん? この子、彼女?


 未だ正体の見えない相手の性別がなんとなく、弾け飛ばした剣から伝わって来た、のかな? 自分のやってることに疑問形なんだけど、あれ?


 悩む僕に、付け入る彼女。


 一瞬に間を詰めてこっち来た。


 積極的でうれしい、とってもやりやすい。


 受け止めて、ああ、やっぱり女の子だよ、って確信した。


 それにしても、僕はさっきから僕の例のマテリアルソード(斬らない状態)で応戦してるけど、この子、なんで戦っているんだろう? 感じからすると手での付近で受け止められてる気がするけど、武器持ってる様子が無いなあ。


 ちょっと確認したいから、この布剥がすかな。


 二度目の最接近、離れる彼女を同じ速度で追って、一先ず布の厚さを加味した上で、斬れる状態にしたマテリアルソードを振るった。


 体は傷つけ無い筈、彼女、自分が羽織を保持する為の手に重さを感じなくなったのか、物凄い速度で後方に下がるけど、そのまま元いた場所に細切れになった布が移動する距離との間に撒き散らかされて、ようやくその正体を僕らの前に晒した。


 まあ、今更だけど、剣から伝わる感覚と、第一、サーヤさんの側付きって言ってたから、女の子だとは思ってたけど、その見た目がね………………………。


 一応だけど、聞いてみた。


 「桃井くんの妹とかじゃ無いよね?」


 思わず素で聞いてしまう。


 本当に、桃井くんをそのまんま性別を変えた様な姿だったんだよ。


 それで、やたらと僕の方を睨みつけて来るんだよ。助かるけどねわかりやすいいと、例えそれが敵意だとしても、どう対処すればいいのか方向性も持てるってものだよ。だって、あとは僕がどうするかだからさ。


 そんな彼女、僕を押し込めてるけど、でも視線がちょっと違うな、どこみてるんだろう? って思ってこんな戦闘中なんだけど、後ろを見ると、そこにはいつもの様にニコニコしてる春夏さん。


 そして桃井くん似の彼女は言った。


 「使命を忘れた哀れな『白』よ………」


 と、そんな呟きを漏らしたんだ。


 そして、


 「演者風情が………、仮初めの王よ、引け、ここは既に貴様らの場所では無い、身の程をわきまえろ!」


 僕に向かって怒鳴りつける。叩き付けるみたいにやって来る本気の殺意は多分、この人が持っている使命? みたいなものに押されている。


 そして、プライドなんんだろうな、彼女の目からそんな思いがヒシヒシと伝わって来る。 


 一応、彼女の言い分は聞いたから、こっちから質問。


 「なんで、みんなを影から操ってたの?」


 多分、この子、と言うかこの子たちが全ての黒幕だったんだって僕は当たりをつけていた。もちろん、根拠なんて無い。でも当てずっぽうって言う訳でも無い。こっちが起こしたアクションに如実に反応して来たって、それだけで十分だったんだ。


 この子がここにいて、この状況でこの場を離れるって言う行動を取ったってのが、今僕に取っては一番ゆるぎ用の無い証拠ってものになるんだよ。


 証拠と言うか確信。ああ、やっぱりいたね、って言う事実。


 それだけで十分なんだ。


 「すいません、秋さんが何を考えているのか全くわからないんで、もうちょっと詳しい説明をお願いできますか?」


 「貴様! ゼクト神! 何をやっている! 何故戦わない!」


 近い所で物凄い大声で叫ばれた。最近、こういう事多いな。


 「うるせえよ、ガキ………、秋さん、もうちょっと説明してください、今日のこの襲撃の目的ってなんだったんですか? で、こいつがいるって確証はどこから取ったんですか?」


 僕と、『異造子』の人って言ったっけ? それが今まさに戦って、いる最中にそんな風に軽い感じで話しかけて来るんだ。


 「いや、ちょっと、今忙しいし」


 って言うと、


 「加減を考えてる様なら、こいつら人間とモンスターの良いどこ取ですから、多少無茶しても死なないみたいですよ、早く倒して時間あけてください」


 もっと早く言ってよ。


 本気で攻めあぐねいていた。


 だって、この桃井くんみたいな女の子、モンスターなのか、人なのか全くわかんなくて、どっちの特性も持ってるみたいだから、その特性がどっちか寄りとか判断できないし、本人に聞くわけにも行かなし、本気出せないでいた。


 じゃあなんとかなるな、一度、距離を取るために刃を流して、引っかかった先端に力を乗せて、突き放す。


 そんな動作に驚いて、


 「化け物め」


 とか言って来る。


 いや、今、そう言うの良いから、じゃあ倒そかな、って思った所にアクシデント。


 「あー、こっちに真壁秋いた!」


 さっきまで元気に残存戦力を潰してくれていた小雪さんがこっちくる。


 「真壁秋は私が倒します」


 って今はそれどころじゃ無いんだけどな。ちょっと八瀬さん、あの子達から目を離さないで。


 そう叫ぼうと思った時には既に、『異造子』の人、小雪ちゃんの背後に回っていた。


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