表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/1335

第71話【ダンジョンを支配する『王』というクラス】

 真希さんって、普通の顔してても、怖いなあって、そう思わせることができるってことはやっぱり、それ相応の人格者であって、きっちりと人を叱れる責任者なんだなあ、ってそうそんな風に思える現状は、僕としてもあんましありがたくないわけで、つまり、その静かな怒りはこっちに向かってっるって事で、それは誤りであったほしいって気持ちでいっぱいなんだ。


 で、そんな真希さん。


 「おい」


 って駄目だよ、可愛い女の子がそんな言葉を使ったら、なんて思ってしまう僕って実はまだ若干の余裕はあるんだあなって、体の芯からビクビクしながら思ったりするんだ。いやあ、本気で真希さん怒ってるなあ。


 で、


 「おまえさ、二回目は自覚して使ったろ?」


 って聞かれるんだ。この声がささ、重くのしかかるみたいな感じで、心にのしかかてくる。きっと、もう逃げ道なんてない。というより逃がすつもりはないって感じ。


 おかしいな? 真希さん、北海道弁出てないよ。


 でも、僕の方としてもさ、確かにごまかせないって言うか、確かにそれはって思い当たるんだよ。


 きっと一回目は、初ダンジョンの時、邪魔して来る君島に対して、赤黒い怒りみたいな感情が出たとき、そして二回目っていうのは、チカホ(地下歩行空間の愛称)での、やっぱり、君島に対しての、自然と怒りが吹き上がってきたときの赤黒い意識。この二つの事を言ってるんだって思った。


 「まあ、そんなに怒るな工藤氏、真壁氏も反省している」


 って、思わぬところで、麻生さんが助け舟を出してくれるから、一瞬光明が差すも、


 「お前も、こいつと同じクラスを持ってるんだから、スキルの上で『掌握』がどれほど危険なものかわかってるべさ?」


 真希さんに押し切られる麻生さんだった。


 でも話の中身として、麻生さんと僕のスキル形態って同じなんだって事が今の会話で気が付く。


 「やっぱり、人を思いのまま操るって言うスキルなんですか? 僕が持ってるヤツ?」


 思わず、僕は麻生さんに聞いてしまう。だって、本当に僕は何もしらないからさ、もしそうなら、簡単に軽い気持ちで使っていいものじゃないってことになるからさ。


 少なくともギルドに対して、危険認定されるのは嫌だよ。


 僕としてはさ、ここにいる真希さんもそうだし、麻生さんにしてもさ、さっきの田丸さんも、基本的にダンジョンの中の人とは仲良くやってゆきたいって思ってるんだ。


 そんな殊勝な思いに対して、麻生さんが口を開く。


 「あー、真壁氏、勘違いをしているかもしれないが、この『王』というクラスは特別な立ち位置にいる者たちでな」


 ってそのまま話はじめる。


 それを指名する神様がいないって話はおいておいて、その特殊な『王』って立場とそれに伴るスキルについて教えてくれた。


 『掌握』、『麾下』、『社稷』、『王奪』、などがあって、特に僕の使った『掌握』はその中でもかなりヤバいものらしいんだ。


 僕が思ってた、人を思いのままにっていうのは王奪が近いって言ってた。春夏さんがいる以上、あまり使う機会もないだろうけど、命の危険でも目撃しないかぎり、絶対に使うな、って言われた。


 最も、命を無くしても平気で甦られるダンジョンだから、その例だって該当はしない。


 その力は目に宿って、一回使用すると、大変な事になるので、特に異性の目は見るな、って言われた。


 その他にも常時発動しているスキルっていうのもあって、『王』ってクラスがそもそも、スキルに近い存在って話らしい。


 もちろん、それを使いこなす為にはそれなりの修練とかしないといけなくて、とくに『威厳』とか『威圧』って呼ばれる空気をまとうになそれなりの人格とか必要で、内容を聞けば聞くほど僕には無理だって思えた。


 うーん、った感じで聞いてたよ。


 詳しい話を聞けば聞くほど、こんなスキル、いやクラスって一体、なんの為にあるんだ? って気持ち出てくる。正直、春夏さんみたいなクラスとは違いすぎて、存在意味がわからない。


 それに個人的にも、この『王』とか言うクラスのスキルは僕の中で封印決定だから、あぶなっかしくて使えないから。しかも自由自在ってわけにいかないし、今一つ使えないな、意識しないで、出ちゃうって、くしゃみか、咳か、あくびか、よだれか鼻水かよ? 周りに迷惑しかかけないじゃん。って思う、しかも持ってるおかげでギルドに目をつけられるなんて、なんて迷惑なスキルなんだって思ったよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ