第70話【まかせてよ、謝るのは得意だから!】
そして、幹部って言われる人達は、例外なく、エリートクラスのスキルの持ち主で、そんな人たちが普通に当たり前にいるところがその強みであって、だから、どんなに強いダンジョンウォーカーがいようが、組織が問題を起こそうが、強制執行出来るだけの実力を持ってる組織なんだ。
そんな組織に幹部っていうか、責任を持って組織をまとめるは。自然に尊敬されて自然に慕われてって言うひとだからさダンジョンウォーカーとしてだって相当に強力なことは自明の事実だよね。
そして、ここにいる人たちは、そう言う人達なんだろうって思ってる。
改めに考えると、僕、今、幹部の人たちに会ってるよ、って、それを自覚すると急に緊張してくるから不思議だ。
ってか緊張しないと失礼にあたるかも、ここはきちんとアタフタしとこう、って、変な気持ちが固まる。
その一人が麻生さんで真希さん、だから幹部の一人が案件って言ったんだよね。僕を見て言ってるから、僕の事だとは思うけど、そのニュアンスからあんまりいい予感が無い。
で、思うんだけどさ、僕も春夏さんと一緒でクラス認定お授与式とかじゃ無いの?
そして、真希さんは、僕にではなく、そこにいる角田さん含む誰かに尋ねるみたいに、ため息をついたままの陰鬱な表情で、言うんだ。
「じゃあ、ここにいる誰も、こいつを指名してないんだな?」
一体、誰に向かった質問なのか、僕には分からなくて、次に、質問は春夏さんに向かう。
「つまり結論から行くと、原因は……」
先ほどの授与式が終わっても付き合いの良い春夏さんは、僕の隣にいてくれるんだけど、その春夏さんに向かって、ここにいる全員の視線が注がれる。
そして、真希さんは言うんだよ。とっても優しくそして、穏やかに。
「春夏ちゃん? やっちゃったべか?」
って言われて、春夏さん、とても恐縮しながら、
「…………はい…」
って言った。
それは一体なんの事なのか、そして誰の事なのかはきっと僕だよね、呼び出されてるもの。
で、どうして春夏さんを責めてるのかさっぱりだけど、僕は守るよ、春夏さんを守るよ、
「そんな言い方ないじゃないですか! 春夏さんが何をしたって言うんですか!」
って語彙も荒く言おうとしたら、真希さんに睨まれたよ、ギロッて見られたよ。
「こっちはさ、あいつの息子が、ほぼ完ぺきな仕上がりで、ダンジョンに入って来るって聞いた時から、戦々恐々としてたべさ、本人だけなら、優しくお姉さんが指導もしてやれたのに、よりによってなんてスキルをもたせてしまったんだべな……」
って言うその言葉に、
「ごめんなさい」
ってどうしてか、春夏さんが謝ってた。
一体なにがどうなってるのかまったくわからに僕は、事情はしらないけど、どうしてか春夏さんが謝ってのかもわからいけど、これだけは理解していた。
これ、絶対に僕が原因だな、って事。
だから僕も言ってやったね。
もう、相手が真希さんでも、麻生でも、最強組織ギルドでも関係ないね、って思って、僕は言った。
「いや、なんていっていいのかわからないけど、ほんとうにすいませんでした」
謝ってやったよ。
これで、解決するかな?
ってそんな思いは、再び吐いた真希さんの長い溜息に飛ばされてどっか行ってしまった感じだ。
だって、あの時の地下歩行空間の出来事の事だとおもったからさ。
ちがうのかな?
ほかに何か謝ることしたかなあ。
まったく思い当たらないようで、いや結構あるかもって、考える僕だった。