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第155【雪華さんと、そのお母さん】

 関係性でいうなら普通に雪華さんは葉山の命の恩人な訳で、その辺については感謝しているのはわかるんだけど、なんか、どうもこの2人ってギクシャクしている気がしてならない。


 そんな僕らの人間関係を乗せてというか物理的にも乗せている車は軽快にこれから山に向かう長い坂道に入って言った。


 今、僕らは例の千歳の支笏湖にある雪華さんのお母さんのラボに向かっている途中だった。


 だから現在、僕らはそのお母さんの勤めると言うか彼女自身が責任者らしいから、経営するそのラボにリムジンで向かっているところで、大きなリムジンカーの中の後部座席に雪華さんと茉薙、そして僕と葉山が向かい合って座ってる格好になる。


 今回は、ほら、葉山も僕と同じ素材の剣を持ってるって事で一緒に行くってことになったからこんな形になるんだけど、以前、僕1人で雪華さんと一緒に言った時とは全く様子が違っていて、なんかギスギスした雰囲気というか、なんか雪華さんと葉山って仲悪い?みたいな感じになってしまう。


 この辺の人間関係がよくわからなくて、僕と雪華さんは良好な訳で、転じて僕と葉山はまあ仲はいいよね、じゃあ葉山と雪華さんの問題なんだろうか? って考えるんだけど、もしこれが仮に当たりだったとしても、僕にはどうすることもできなし、ましてその原因を探ろうなんて勇気も無いわけで、なら結果は同じだから、黙っている事にしている。


 ほら、古い吊り橋とかをさ、限界まで強度を調査した挙句、落ちちゃったなんて事になったら意味ないし、それこそ大惨事じゃん。だから余計な事はしなんだ。


 でも、だからと言ってこの空気はなあ………。


 まあ、仕方ないから、僕も黙ってるんだけど、車は進んでいる訳で、結果目的地にはたどり着いたって感じだった。


 で、着くとそこには雪華さんのお母さんがいる訳で、


 「やっと来てくれた! 葉山さん、待ってたのよ!!」


 って僕と自分の娘なんて目に入らないみたいに、


 「ああ、弟さんも来てくれたのね、よかった」


 茉薙を見て、今にも抱きつかんばかりに最接近していた。茉薙は器用に避ける避ける。


 そんな茉薙もどこか苦手そうな感じて、ちょっと態度が余所余所しい。流石に葉山の方はそう言った雰囲気は出して無いものの、ちょっと距離を置きたいって言う思いなんだろうとは見ていて取れる。挨拶以外は余計な言葉を発して無いもの。


 確かに、彼らにしてみると雪華さんのお母さんに対する態度っていうか、ちょっと苦手って思うのはわかるよ、以前はあんな事があったから、それはそうだよね。


 もちろん、雪華さんのお母さんだって、葉山の為を思っての行動だったのかもしれないけど、でもあのとき葉山を確保してしまおうとしていたこのラボの人達って、むしろ自分達とか研究とかそう言った物を優先していた気もするけど、いや、多分葉山と茉薙にはそう映ったんだろうなあ、だから逃げ出してる訳だし。それは施設や薬がないと生きていけなかったかつての葉山達からしたら、まさに命懸けでって行為だった訳だし、今はこしていろんなダンジョンウォーカーの協力やらなんやらで事なきを得てるけど、そりゃあ禍根は残ってしまうよね。


 「ほらほた、みんな、美味しいオヤツも、今日はみんな来るっていうから、晩御飯まで用意してるのよ、さあ、早く入って」


 とラボの中に案内される。


 まあ、それにしたって葉山達と雪華さんのお母さんが、なんとなくギクシャクするのはわかるよ、でもなんだろう、実の母親であるところの雪華さんのお母さんと雪華さんも、最近気付いたんだけど、ちょっとどうしたんだろう?って感じの関係に見えるのは気のせいだろうか?


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