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第154【大柴マテリアルラボへ再び】

 中には低温に保たれた状態で、セイコーマートオリジナルブランドの飲み物、そしてアイスまで入ってる。


 「さあ、試してみてよ、温泉との相性はバッチリな商品を揃えて来てんだ、感想を聞かせてほしい」


 と桃さんがみんなにアイスと飲み物を振舞ってくれた。


 ちなみに僕のチョイスは、フルーツオレと北海道ミルクアイスバーだ。


 一緒に食べたりはしなかったけど、どちらも、コレって温泉とは黄金の組み合わせじゃね? ってくらいの相性だよ。


 もちろん、飲食は一旦、温泉を出てからね、岩盤の上で美味しくいただきました。


 後、女子の皆さんには『お茶系統』が好評みたいだった。


 その他、お湯に長く浸かることで疲れみたいな物を感じる人の為に、パック式セリーやスナック、チョコもあったけど、精々、飲み物、アイス系統の方がいいね、ってなった。

僕らのそんな様子を瑠璃さんも桃さんも今まで見た事ないみたいない真剣に観察して、何やら話あってた。


 ちなみにキリカさんには一番好評だったのは、牛乳だった。サロベツ産の新鮮フレッシュ牛乳ね。もう、牧場し搾りたてかよ!って言う、通常店舗でも売り切れ御免のあの牛乳ね。 


 ちょっと意外だよね、てっきり吸血鬼だからトマトジュースあたりに行くんじゃないかって思ってたけど、数本持って来たセイコマートオリジナルブランドの牛乳を1パック独占してゴクゴクやってた。


 「まあ、乳って基本、血液成分に溶けていた栄養分を安全に油脂成分をエマルジョン化して飲みやすくしたものだからね」


 って椿さんが言ってた。さもありなんって話らしい。そっか、映画やドラマなんかで割と多いシュチュエーションで吸血鬼ってどうも男性が女性を襲うイメージってのは乳離できない特殊な女性趣味を持つ男性と言うイメージが僕の中で程定着してしまう。


 「もうちょっと濃い奴ないかなあ」


 って美味しそうだけどちょっと物足りない顔しているキリカさんに、桃さんが追加で商談を持ちかけてた。もちろん承諾、じゃあお湯の使用料の一部にって話で、まとまっていた。


 で、それから、例の術式を展開するお手伝いで、何度も復活するたびに温泉ジャイアントゾンビとか倒して、お湯の輸送路を開通。


 近く、深階層の例の風の砦の近くに、ダンジョンウォーカー専用温泉は完成するらしい。 


 で、瑠璃さん桃さんの目的は達せらられたんだけど、八瀬さんの目的はというと、ほら温泉に浸かるとスキルが身につくって言う方の眉唾な話の方。 


 確かに、一緒に来ていた咲さんと小雪さんはスキルが身についていた見たい。


 なんと、彼女達、触れただけでその温泉の効能とかわかる様になったんだって。今回のダンジョンの秘湯は弱アルカリ泉質で、特に美肌の効果があるらしいよ、しかも水素イオンが含まれているらしいから健康にも良いって、温度は41°Cで入りやすくて、なんと源泉の位置まで把握できるらしい。


 2人して八瀬さんに報告してたら、


 「そうか、そりゃあよかったね、きっと何かのやくにたつかもね」


 って遠い目して言ってたから、きっと僕と同じで、そう言うのは期待してなかったよ、って言う心境だと思う。でもまあ、スキルが身につくのは嘘じゃなかって検証されたわけだし、まあよかったのかもね。


 後はキリカさんかな………。


 あの後もさ、その、なんて言うか、子供の事とかしつこく言ってきていた。


 「私、殿下との子供が欲しいんです」


 って言い続けてた。


 「決して殿下にはご迷惑をかけません、生まれた子供はこちらで引き取り、大切に育てますから、ね? だから、作りませんか?」


 って言ってた温泉に濡れてちょっと潤んだ瞳とか、そんな顔をちょっと思い出して、支笏湖を目指して緩やかな峠を走る、リムジンっての? そんな高級車に揺られている僕だ。


 「ちょっと、何ニヤニヤしてるのよ?」


 とか、隣にいる葉山にそんなツッコミを食らう僕だった。


 「いや、特に何も」


 取り繕うわけもなく、普通にそう言ったんだけど、


 「どうせ、またあの青色吸血鬼の子の事でも考えていたんでしょ?」


 とか言われる、本当に心とか読んでくるのは反則だよなあ、って思ってると、


 「言っとくけどね、真壁のそんな考えなんて心とか読まなくても顔見たら丸っとわかるんだからね」


 と言われてしまう。


 すると、前の席から、


 「秋先輩、温泉は楽しかった様ですね」


 と雪華さんに言われてしまう。


 顔は笑ってるんだけど、この前、ほら、僕たち彼女と言うか彼女達を置いて行ってしまったから、ちょっと心に負担かが来る。罪悪感と言うかなんと言うか。これはきっと僕らが勝手に受け止めてしまっている物だと思う。


 ここで、何か余計な事を言ったり、また、雪華さんの心情に対して慮ってしまったりすると、返ってそっとしとけば痛まない傷を引っ掻いてしまいかねないから、僕も葉山も余計な事は言えない。


 それに、なんか葉山って雪華さんが苦手そうなんだよなあ、僕が勝手に抱いているイメージかもしれないけど、彼女の前だとどうもいつもの葉山が出てこないみたいな印象だあるんだよ。なるべく目を合わせない様にしてるし。


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