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第151話【北海道ダンジョン温泉慕情 入浴編②】

 まあ、色々と考えるところはあるけど、統合的にはホッとした。


 じゃあ、僕もって準びをしようとすると、まだ蒼さんとか椎名さんとかいて、なんか僕のそばで動きもしないで待ってる感じで、


 「何してるの?」


 って尋ねたら、


 「いえ、お手伝いを」


 とか言うから、


 「なんの?」


 って再び尋ねると、「お着替えを」とか言うから、彼女達の善意をそれと無く断って、そのまま大浴場の方へ

行ってもらった。


 そして誰もいなくなった倉庫でそそくさと着替えて、僕も浴場への扉を開いた。ちゃんとその扉には『滑りやすくなっています、足元にご注意ください』って注意喚起が貼ってあった。


 でさ、初めて見るダンジョンの秘湯は、そりゃあもう物凄い光景でさ、もう、温泉というより『海』? みたいな感じ。


 さすがに砂浜じゃないけど、普通に石の床なんだけど、徐々に深くなって行く感じで小さいけど波が打ち寄せてるんだ。


 しかも湯気で曇ってるせいもあるけど、先の方も遥かで行く先は見えない。


 いや、なんだろうか、先には湯煙で煙ってるから良くは見ええないんだけど、山かな? それにしては近い気がするけど、そんなものも聳え建っていて、手前側には腰掛けるくらいには丁度いい岩や岩盤がゴロゴロしてる。


 ともかく絶景というにふさわしい、そんな光景でまさに北海道ダンジョンでなければ見れない光景だと思った。


  「秋くん!」


 って、既にその温泉に浸かってる春夏さんが僕を呼んだ。


 本当に広くて、どこにいるかわからないくらいだから助かる。それでも春夏さんを探せない僕ではないんだけどね。


 ああ、いたいた。


 割と大きめな岩に腰掛けてる春夏さんの方に行くんだけど、その前に妹と咲さんと小雪さんが浅い場所でキャッキャ言いながら遊んでる。見た目の年齢が近い感じだから仲良くなったんだろうか? そんな彼女達を通り過ぎて、僕は春夏さんの佇む岩の方に行くと、そこに葉山も薫子さんも蒼さん達もいて、


 その足元というかお湯の中に肩まで浸かってる八瀬さんや瑠璃さん、桃さんもいた。


 近くまで行って、僕は止まる。


 というか近づけない。


 だって、お湯の中にいる瑠璃さんと桃さんがさ、肌色だから。ちょっとなに、この人たち水着着てないの?


 って躊躇する僕に、


 「私たち、温泉は素肌で浸かる主義なんだよ」


 って桃さんが言った。


 「別に、見るならみていいんだよ、ほら、私は構わない、存分に見るといい」


 そんな瑠璃さんの威風堂々とした態度に、もうここまで行くと一周回って自分が何をためらっているのかすらわからなくなって来るけど、それじゃあ遠慮なくってのも違うと思うから、寝起きに真昼の太陽みたくらいの目の開け方でなんとかやり過ごそうとするんだけど、それでも僕の体は引いていたようで、思わず下がってしまうと、後ろから来ていた柔らかな物にぶつかり「キャ!」って言われて、思わず「あ、ごめん」ってなんにぶつかったんだろうと確認すると、僕の後ろのはキリカさんがいた。僕の後ろをついて来ていたみたい。みたいなんだけど………。


 いや、いたんだけど、キリカさんも水着無しかよ!


 しかも何も隠さず棒立ちだよ!


 見ちゃったよ、色々、本当にありがとうだよ!


 「青い素肌はお嫌いですか?」


 思わず目を閉じてしまった僕にキリカさんはそんな風に言うんだけと、


 「いや、ごめん、水着着てると思ったから、一瞬見ちゃった」

 すると、キリカさん、


 「私は吸血鬼なので水着は着ませんよ」


 って言った。


 いやそれ吸血鬼関係ないから。


 思わず固まってしまう僕の方に、お湯をバチャバチャさせながら葉山がやって来て、


 「ちょっと、前くらい隠しなさいよ!」


 ってキリカさんから僕を遠ざけようと引き寄せてくれるんだけど、そのなんだ、柔らかい物が色々当たってるから、しかも温泉用の水着って普通の水着より薄いのかもしれなくてほとんどその感触は素肌と変わらない。


 思わず離れようとするも、前にはスッ裸なキリカさん。


 前門の虎後門の狼とはまさにこのことだ。


 「やれやれ、君も大変だよ」


 って遠くの方から完全傍観者な八瀬さんが呟いて、その隣にいる桃さんが大笑いしてた。 そして、さらにその隣にいる咲さんと小雪さんは、


 「何かスキルとか身についた?」


 「どうだろう? ちょっと乱取りしてみる?」


 ってちょっと体育会系で格闘系な仲良しトークをしている。


 いいな、あっち、ほのぼのしてる。


 「あんた、うちの真壁を誘惑してるの!」


 葉山は僕の腕を保持したままそんな風にキリカさんに食ってかかって行く。


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