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第69話【純然たるダンジョン青少年組織】

 結局ギルドは、国や北海道からの申し出を断り、ギルドは現状の『ダンジョンに負けない青少年育成条理』の枠の中での対応で十分だと、賃金についての申し出を断り、さらに、ギルドの上に、道庁や政府にギルド専門機関(北海道ダンジョン専門はある)を置くことを拒んだ。


 これはギルドの上に形の上にでも『上位機関』を置くことを拒んだ、高度に政治的な目的があったって言われてる。


 僕にはよくわからないけど、多くのダンジョンウォーカーの間で言われているのが、どんな団体とも平等、なによりそれはギルドの自主性に反するってことでつまりはギルドの基本理念に反するって事になるのからだって言われてる。


 だから、いつもギルドと道庁や公安とか国レベルでつながってるって言われてるけど、実際はそんな事なくて、それら各行政機関にも情報を与えているのはギルドの自主性に基づいたものであって、強制されてのことではないんだそうだ。


 これって、一部では北海道ダンジョンを政治利用されないように、また、ここから出る、僕ら側の世界のテクノロジーなんかの、過度の流出を避けるためって言われてる。


 それは国に対してばかりではなく、世界に対しても警戒してるって言われてるんだ。


 例えばスキル一つとっても、ギフト級(伝説伝承系)の武器をとっても、普通に考えるなら、個人が兵器になりかねないって言う話だから、ギルドは国連にまで絡んでるって噂もある。


 もちろんギルドとして国や道行政に協力しないというなら、事実上、彼らは北海道ダンジョンとの繋がりが立たれてしまうので、このへんに関しては、長い話し合いの末に決まっていったことらしいんだ。


 で、そんな行政な人たちに対して交渉するために代表は存在して、それを支える形に人が集まるのが当然な姿で、改めて考えると、今もこうして、長机の真ん中に座してる真希さんって人は、間違いなくこの組織の最高責任者なんだな、ってわかるんだ。


 で、その周りにはそれを支える人。


 ダンジョンどころではなく、世界有数の組織であるギルドには、その組織の目的、だからダンジョンの平和とダンジョンウォーカーを守るため、この巨大なダンジョンて言う器を回すための組織だもの、烏合の衆であるはずはなんだよ。


 ギルドの目的ってのは、これは誰もが知ってることで、あの、『ダンジョンブローアウト事件』を二度と引きおこさないための組織。


 と言うか、最初の成り立ちは、その事件の調査と確認のための、政府から嘆願された、当時、何があるかわかない、まだスキルなんてものも確認されてない頃の少数の有志ダンジョンウォーカーとしての連絡員が始まりって言われてて、今もその目的は変わってない。


 だから、ダンジョンから外にダンジョンの中身が出てしまう事を監視すること、そしてダンジョンウォーカーである、僕ら少年少女への安全と健康管理が主だった仕事であって、そのついでに、修学旅行生の案内補助、やら、スライムの森に来る初心者への対応なんかもしてくれてる訳だ。


 だから組織も大きくて、準構成員を入れると、北海道内の大企業なんかよりも人は多いって言われてる。


 もちろん、希望して入ってくる人は多いのだそうだ。


 そして、他の都道府県で、スキル認定されてしまった子供達の受け入れもしてて、その中でも『スカウト組』は概ねギルドの構成員になる事が多い。


 つまりさ、組織力としても申し分なく、さらに組織としての戦闘力も他に類を見ない、そんな団体だよ。


 そんな組織だよ、幹部がいないわけがないんだ。


 で、そんな幹部って、なる、って訳じゃあなくて、もちろん役職を与えられるわけでもなくて、自然にそんな形になって行くんだって。


 これって、世界的に見ても稀有な組織形態らしくて、周りがそれを認め、自分もそれに自覚するって言う、大人の社会でも創りえなかった理想の会社組織らしいんだ。


 一般社会では無理らしいけどね、純粋に組織の目的のために人が集うって事態がない事らしいから。


 つまり、ギルドって、純然たる生粋のダンジョン組織って事だね。


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