閑話9−3【真壁秋ハーレム化に関しての傾向と対策】
ここで上られた少女達は合計で13名になるが、ここで説明しておくと、決して無視できない数の特殊な票が集中する桃井茜はともかく、先ほどの順位不同で読み羅列した椎名までが不動の9位で、最近現れて、過去選出されてトップ20位までの北海道選出の美少女を追い上げて来たのは、北藤イネスで、最近頭角を現して来ている新進気鋭の美少女である、何と言っても金髪碧眼が大きい。
そして浮き沈みの激しいのが、鉾咲八瀬である。彼女は、セーラー服やブレザー等、学生の服装が破壊的に似合わなく、普通に学校に通っている姿は微妙である、しかし、それなりな服装をすると途端にモデル並みの容姿に化ける為に審査と言うか判断が難しく、男性生徒からのまた好き嫌いも激しい。しかし、一部女生徒からは絶大な人気を誇ると言った無視でき無い人気もあるのもまた事実であった。
そんな中で、今更言うまでもないが、工藤真紀はギルドの顔として、広報として、その人気は全国区であり、言うまでもなく票に換算すれば間違いなくトップなのではあるが、北海道選出美少女の枠を飛び出してしまっているために、暫定チャンプの位置に留めて、順位には組み込まれていない。
ちなみに現在のトップは、東雲春夏が二位を大きく引き離して君臨している。
もちろん、好き嫌いの問題でもあるが、それを追う2位は、河岸雪華と多月蒼が激しく争っている。
東雲春夏の場合は、何と言ってもそのスタイル、そして顔である。何もかもバランスの取れた容姿は、本来見た目に付随する性格や行動、社会的な立場など、その他の要素に付け入る隙も無く、単純にして端的な美の完成体。
まさに完璧超人としての不動の一位に君臨している。
ただ美しく、優雅。それが東雲春夏なのである。
それに続く河岸雪華、多月蒼両名は、どちらもお嬢様であり、しかも綺麗でどこか儚げ、そして何より可愛いというか多極性を持ち、さらに清楚で、どちらもダンジョンにおける有名組織のトップと言う立場を取っている完全無欠さがあるにも関わらず、河岸雪華の方には、誰にでも公平に接する優しさ、そして、家族思いの一面や、母のいない分、家を預かる家庭的な部分を評価されていることもあってなかなか票が増えることはあっても減る事は無い。
そして多月蒼は、確かに雪華に勝るとも劣らない家系の出身ではあるものの、その全容は不明な点が多く、また本人にも謎が多い等、ミステリアス美少女としての本人を覆い隠すベールが否応なく想像を上方へと掻き立て期待感を煽り、さらに強力な組織内でのカリスマ、ダンジョンウォーカーとしての戦闘力、何より今時忍者と言う、こちらも様々な多面性を発揮して異性同性問わずにその人気を高いものにしている。こちらの票もなかなか動かない。
そんな彼女達を追従するのが、此花牡丹、椿の姉妹である。
こちらはダンジョンウォーカー票が圧倒的に多く。見た目の美しさからの氷の様な性格の椿、そして何を考えているかわからない、突然笑い出す牡丹と、同じ容姿で同じ声なのだが、その性格はまるで違う。また、姉の牡丹にはヒーラーと言う性格から、助けられた人間も多く、その際に心を鷲掴みされてしまった男子は多い。
妹の椿の方には、ダンジョン内外問わずそのキツイ性格は伝わっており、意味もなく罵られたい、踏みつけられたいと言った特殊な趣味欲望を持つものが男女に限らず多く、自身が彼女の組織を彼女本人の手によって追われた者ですら羨望を超え神格化している模様である。
また魔法スキル皆無な男子や、かつて組織にいてその場所から追い出された者達が彼女達の組織に加入したく面接に行っては玉砕する例が後を絶たない。
何より特殊なのは、そんな折に、椿によって罵られ侮蔑され、軽蔑された回数をカウントして、互いに競い合っている事実も確認されている。
これは、彼女達の容姿や性格よりもその技能や能力、感性に伴う行動自体に惹かれているので少し美少女という枠からは外れる特殊な例かもしれないが、その容姿はまごう事なく美少女である。
そして最近、少し事情が変わって来たのが、かつては、現在は位置を追われ不動の2位と言われていた葉山静流と、そんな彼女と争っていた、時には長らく3位の位置につけていた喜耒薫子である。
彼女達の順位の変性というか急落は激しく、少し前まで10位にすら外れそうになっていた経緯がある。
2名とも、同級生的異性にしてお姉さんポジションと言うアドバンテージ的な位置を確保するものの、性格は違うが重なるところも多いが需要もあり、何より同年代の票が多かった。しかし、最近、喜耒薫子の方はというと、一個下の河岸雪華の台頭によって、輝いていた本人の上に大きな光が差す事で、見えなくても良かった影が見え始めてしまったのが大きく順位に響いている。
元々は北海道ダンジョンに対して有用なスキルを持つ『スカウト組』として北海道にやって来た彼女ではある。
異性を寄せ付けない生真面目な態度と清廉な性格がどこか近寄りがたく、ギルド加入時点から既に幹部クラスと言う完璧な一面も、近々では、「以外に不器用」とか「大胆と言うより大雑把」など同じギルドの中からもそんな声が上がり、評価を下げている一方、一部からは人気も博しているものの、失っている票の方が遥かに多い。