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第127話【札幌の夜空に巨竜の翼舞う】

 結局、つまりは、何もかも無い事になってるんだって。


 今、こうして、ティマトさんが空を飛んでるのも、札幌の街を中心にグルグル回って飛び回ってるのも、ドラゴンなんて誰も何処もない事にしてくれているらしい。


 結構低い高さを飛んでるんだけど、夜って事もあって、第一、ティマトさん自身が、街に影響を与えない様にって、優しく飛んでいるから、姿は見えるかもだけど、音とか無いから、空も星明りを遮るくらいで、こんな時間にあえて空を見る人もほとんどいない。


 ちなみに僕等は今、ティマトさんの背中と言うか肩の上に乗ってる。


 気がつけば敵だった筈のギルドの男の子とか、一応は味方に寝返った雪華さんも一緒。


 「真希さんは、今回はいいよ、行ってくるべさ」


 と言って残った。


 考えて見ると僕、真希さんがダンジョンを出る姿って見た事ないなあ。


 たまたまタイミングなのか、雪華さんも忙しい時とか泊まりっぱなしになるらしいから、真希さんクラスともなると忙しいから、ほとんど外には出れないのかもね。テレビのニュースとかもギルドから流してるみたいだしね、近くにTV局も大手通信会社もあるから、その辺の設備は整っているみたい。もっとも最近のスマホあれば、電話回線繋げれば映像なんて簡単にアップできるから、便利な世の中になったもんだよ。


 あ、薫子さんと葉山を忘れてた。まあ、真希さんいるからいいか。


 それにしても僕、空をドラゴンに乗せてもらって飛ぶのって初めてだから、ちょっと風とかで飛ばされないかなって、思ったんだけど、なんだろうね、今も結構な速度で飛んでる筈なんだけど、全く風に押される様子も無し、それにティアマトさんに相当いい加減に乗ってるんだけど、普通に地面に立っているのと変わらないんだよ。それはティアマトさんがどんな姿勢をしても変わらない。つまりは僕らはティアマトさんの体に固定されて安全とかを担保されてる感じがする。


 それどころか、このフワフワな浮遊感と、大気を突き進む疾走感に、なんかもう楽しくなって来る僕がいるんだよ。


 って、ふと桃井くんを見ると、ここ最近では珍しく笑ってて、僕も多分、同じ顔していると思って、ふと目があうと不自然に外されてしまった。で、ちょっとしたらいなくなっってた。なんか気まずいのかなあ、ここは積極的に聞いた方がいいんだろうか、ってシビアに考えていると、


 「う、うわ、きゃ、ああ、うそ」


 って、ダンジョン初心者でも、深階層な藍さんは、もうパニック。


 「しっかりするっす、こんな事で驚いている様では『秋の木葉』は務まりませんよ、特に無軌道で無駄に爆進力のあるお館様のやる事に一々ついていけませんよ」


 いや、前半いいけど後半は心外だよ。


 ってナチュラルに僕をデスって説教しているのは紺さんだよ。そ


 の横では、意外い高いところが怖いのか、蒼さんが、四つん這いというか変な格好になって、たまたま近くに来た雪華さんにしがみついてる。そしてのの雪華さんは、茉薙の手をこれでもかってくらいのがっちり掴んで離さないでいる。わかる、あれって、離したら茉薙は好奇心のかられるまま何処かに行ってしまうものね、その茉薙は、雪華さんに手を繋がれてなんか嬉しそだった。


 「蒼さん、大丈夫? 怖いの?」


 って尋ねると、


 「い、いえ、でも、これ、自分で操作で動いているわけでもなく、まして自分自身の身体能力でも無く、速度も距離もわからなくて、さらに位置も正確に把握できないので、総じて怖いと言えます」


 って遠回しに本音を言ってきた。そういうものなんだね、きっと自動車とかの自動運転とかを最後まで信用しないタイプな人なのかも。


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