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第66話【狂信者《ファナティスト》】


 あれ? でも、この人って僕を知ってるなあ、って思いつつ、あ、そうか僕、今日はクラスの認定される日だから、それで知ってるんだって思って、その事を聞こうとすると、


 「今日はギルドに何か用かな?」


 って言われて、え? 知ってるんじゃないの? ってなる。


 そして、


 「あ、春夏姉さん、今日はクラス認定?」


 って普通に声をかけるから、ここで初めて僕か彼女に関して春夏さんの知り合いだと知る。


 「ええ、そう、秋くんも」


 って春夏さんが答えると、


 その女子、ギルドの人だと思うけど、普通にジャージ着てるから、これもギルドでお揃いのジャージなのかな? って思いつつも、僕に関する事は知らないみたいで、


 でも、ちょっと考えて、


 「ああ、そっか、真壁くん、あの時、『掌握』を半端に暴走させてしまったものね、入ってるよ私の中にも」


 ってニッコリと微笑まれる。


 「実はあの時、非番のギルドの人も結構いたのよ、あの場所に、でね、そろそろ止めようか、って時にあの愚王とツンなアモンさんが来たから様子を見ようってなったの、だからまともに食らっちゃったのよ、お姉さんたちも」


 って言われた。


 普通の会話だよ。


 当たり前に、まるで、今日の体調とかお天気を話す見たいに言われたんだ。


 え? どういうことだろ? 一体何が入ってるんだろう?


 でも、そんな僕の疑問をよそに、その姉さんは、


 「私は、田丸美里(たまる みさと「)、高校生で、ギルドの構成員よ、真壁くん」


 って自己紹介をしてくれる。


 「じゃあ、ともかく真希さん達に合わないとね、案内するわ」


 っていうから、よかったこれで目的地にはたどり着けそうだよって安心するんだ。


 そんなホッとしている僕に、彼女、田丸さんは言う。


 「私も出来る限り、君を応援するからね、みんなもそうだよ、本当に頑張って行く君を応援してるから!」


 って、僕の目の前で、彼女は自身の拳をギュっと握りしめて、とても強い目をして言った。


 そして、こう告げるんだ。


 「すごいんだよ、あの時、君を見ていた人たちがね、今、どんどん集まってるの、みんな君の『ファン』だからね」


 って言われた。


 一体、何を言ってるのかわからない。


 どこから何を質問したらいいのかも分からない。


 え? どう言う事?


 立ち尽くす僕に、春夏さんが、

 

 「秋くん、追いかけないと」


 って言われるんだけど、この現状に僕の思考がついていかないから、足も出ない。


 え? 何? ファンって何?


 立ち尽くす僕を振り向く田丸さんは、そんな僕の姿を見て、スマホで写真を撮ってた。


 「『狂王へ指名で認定!』 真壁秋くん! で、SNSにUPしておくね」


 って微笑みかけてくれる。


 うん、そう、そっか。


 今、僕はショックを受けているのだろうか? それとも、どこか喜んでいるのだろうか? だた、状況も飲み込めず怯えているのだろうか?


 どれも違ってて、どれも的確で、その全部かもしれないって、それを思うと考えるのはもうやめようと思う。


 ともかく、ギルドの詳しい人、だから真希さんに話を聞かなきゃだよ。


 僕は重く鉛のような脚を動かして前に進む。


 だって、玄関先に突っ立てるって訳にもかないからさ。


 ともかく、ギルド本部に乗り込んで行ったんだ。


 早く真希さに会わないと。


 ファンってなんなんだよ?


 「由来は狂信者(ファナティスト)、みんな秋くんの事、大好きなのよ」


 って春夏さんは微笑むんだ。


 じゃあ、いいのかな、いや、なんで、そもそも僕にファン??


 歌も踊りもできないのに、もう、訳がわからないよ……。


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