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第63話【ダンジョン・オブ・リビングデッド 邂逅編④】

 でもって、そのミカサ竜ゾンビの胸骨に囲まれた中にある赤く光る玉があるんだけど、どう見てもあれ、弱点だよね?


 「あの赤い玉を壊せば良いの?」


 「ご存知でしたか?」


 と驚くキリカさん。いや、だって、あれって、もう、よくわかんない装置である所の沢山のボタンのある中に一つだけ、『押すな』って書かれているようなものじゃないかな、他の部分は一律骨だし。どこに攻撃してもカキン!って感じだし。


 「私が囮になりますか?」


 キリカさんが気を使ってくれる。それにフアナさんも。


 いいよ大丈夫、未だ倒れている鮫島さんを見て、邪魔な人もいないし今のうちに倒しておくから、僕の攻撃範囲に入らないでくれる方が嬉しかったりする。・


 「大丈夫、平気だよ、ちょっと下がってて」


 とお願いして、ミカサ竜ゾンビに向かい合う僕だよ。


 ゆっくり、ミカサ竜ゾンビを中心に回って、その視線を僕以外の人から外させつ。って言っても目とかないし、あるのは頭蓋の中に二つの空洞が、それっぽく僕を見つめて体の向きを合わせ始める。


 よしよし、良いよ良いよ。


 さて、どうしよう?


 あの赤い玉だけ斬るか?、それとも骨ごと行くかな?


 僕の持つ剣は、ものすごいやる気を出してる。


 骨ごと行きたいみたい。


 最近さ、特に葉山と戦ってからなんだけど、この剣に限ってなんだけど、剣の気持ちがわかる様になって来ているんだよね。もちろん意識と言っても、会話とか意思の疎通とかまで行かないて、方向性みたいな物がわかるようになって来てる。


 最初は気のせいかな、って思ってたんだけど、さっきまでの斬れないように相手を吹き飛ばしたりもできるのはこの剣が僕の意識を拾ってくれて、それを実行しているってのが伝わって来るからなんだ。


 なんか変な事を言っているなあ、って思うかもしれないし、自分でも思うけど、どうやらこの剣は、そういう剣らしい。そして、それは同じ種類の剣を持つ葉山がいるから、互いに感じた事を情報交換できたからわかった事実で、それまではなんとなくだった。


 意思の疎通まで行かないけど、こっちのやりたいことは伝わるし、剣の気分(?)はなんと無くわかるようにはなってきてるから、その一歩手前くらいのところまでは来ているとは思う。


 そんなわけで、僕と剣は、『斬るぞ、斬るぞ、斬るぞ、斬るぞ、斬るぞ、斬るぞ、斬るぞ』的なモードに入ってる。


 でさ、それに追加して、この剣、対象物以外に、空気も斬ってるんだよ。


 いや、空気くらいは斬るだろ、って言われるかもしれないけど、風を斬る的な、そう言うことじゃ無くて、振るう時に、そこに空気の抵抗を全く感じないんだ。だから、剣を振るう時に風鳴りなんて全く発生させない。どんな速度でも、どんな無茶な軌道変化でも、大気に邪魔される事無く空気抵抗の損失無く斬る対象に迫る。


 葉山の話では、こう言った特徴って、どんな優れた聖剣や魔剣にも無くて、僕らの持っている剣だけにある特徴らしんんだ。


 ただ純粋に剣として斬る事に特化しているだけの剣。


 単純で簡素で純粋にして極点。


 なんとも僕に誂えた様な剣だって感じる。


 剣とか武器によって攻撃力を上乗せするって感じじゃ無くて、この剣を通して、自分の能力の全てを出す事ができる。僕にとっては正に理想の剣だって事だね。


 だから、剣を振るうって言うよりは、一緒に行こう! って気持ちが強い。


 エゾミカサ竜ゾンビに迫ると、あの強力なヒレ攻撃が来る。骨だから、結構分厚い攻撃になるけど、まあ、避け進む。


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