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第41話【ダンジョン・オブ・リビングデッド 接触編①】

 もう、ゾンビ怖い。


 ここ最近一番の軽いトラウマになりそう。


 角田さんの階位転移で深階層にヒュンっと出たら、ドンっと出待ちされていた。


 深階層で、ひとまず今回の騒動の中心になっているネクロマンサーを倒すために、僕らは4丁目ゲートから出発したんだけど、もう、まんま、相手、つまり敵の掌の上に落ちてしまった感じだよ。


 スライムの森、つまりギルドを出てから速攻で、角田さんの転移魔法で深階層のひとまず、直接情報を仕入れようと、深階層の玄関、風の砦に向かって転移。


 すると、待っていたゾンビ群だった。


 ゾンビがクルリと輪を描いていた。盆踊りとかしてんのかよ、って感じだった。


 本当に、丁度、ゾンビが輪を作って待ち構えた、その輪の中に所に転移してしまった。


 シリカさんのマップでは見えなかったから、本当に驚いてしまう。


 だって出たらそこには僕らを取り囲むゾンビだもの。


 叫び出しそうになった瞬間、


 「みんな頭を下げて!」


 と雪華さんが背中から10本くらいの長くて頑強な足? いや腕? ともかくそんな感じの物を出して、一気に蹴散らしてくれる。


 「すげー、蜘蛛みたい」


 って思わず言うと、


 「蜘蛛じゃ無いです」


 って、雪華さんが僕に異議申し立てをするので、でも見た感じ蜘蛛じゃん、蜘蛛カッコいいじゃん。スパイダー雪華さんじゃん、って思ったけど、こう言う時って彼女の意思を尊重するべきで、



 「ああ、ごめん、違ったね」


 と、ひとまず表面的に言うと、


 「お前、雪華に変な事を言うと怒るぞ」


 って茉薙に蹴られた。痛くないけどゲシッとされる。


 後で聞いた話では、あの雪華さんの出した腕、スキルの一部で、メディックの上位互換でエクス・マキナっていうらしい。このダンジョンに生まれたばかりの新しいスキルって話だ。


 なんか凄そうだね。物々しいね。


 「ともかく、ゾンビ化したダンジョンウォーカーとの接触を避けて、倒すのも避けて、どこか安全な所に!」


 って雪華さんが叫ぶ。そうだね、ゾンビ化したダンジョンウォーカーを倒すわけにもいかないしね、これ、普通に僕の知る映画やドラマのようにゾンビのセオリーで頭をプチっしてしまう訳にも行かなしね、一応、生きたままゾンビ化している訳だら、その辺は僕ら北海道民というかこの国の国民性では、ゾンビが原産の国みたいにクレバーにはなれない。やっぱ、銃を乱射できる人達とは違うからね。


 特に倒すな、傷つけるなとは言われてないけど、極力戦闘は避けたい。


 雪華さんの攻撃も、倒すと言うより遠ざける為の一撃だったから、この辺はみんな、何と無く周知徹底というか自覚してる見たい。


 結構厚い輪、比較すると、ゾンビ達がミスドのポンデリングとしたら、僕らはその穴の中に入ってしまった角砂糖くらいの対比。そのくらいの数の差、そいつらがまた再び立ち上がろうと、ポンデリングを形成しようとしている。


 その間をなんとか駆け抜けようとするけど、また更にゾンビが何処からともなく集まって来て、しかも、ここって広いけど、逃げ場が無い。


 何より、風の砦も結構な数のゾンビで囲まれているし、そいつらもゆっくりこっち向かって来るし、八方塞がりな感がある。


 すると、聞いたことある声が僕らに向かって叫んでた。


 「みんな、こっちだ、裏側に回ってくれ、そっちはゾンビが薄い、今ハシゴを降ろすかそこから登って来てくれ」


 って、風の砦の3階くらいの窓から、辰野さんがこっちに叫んでくれた。


 良かった、中は無事みたい。


 ノロノロと立ち上がろうとするゾンビ達の間を抜けて、僕らは建物に辛くも逃げ込んだ。途中で起き上がって来るゾンビは概ね春夏さんが峰打ちしまくって倒していた。


 こういう時って、片刄の刃物って便利だよね。


 基本、ゾンビってダンジョンウォーカーな訳だし、流石に切り刻むってわけにもいかないから、一番ベストな対抗処置だよ。


 ひとまず、ゾンビ対応で学習したのは、一回転かすと起き上がるまで、割と時間を稼げるって事くらいかな。


 そんなコツを得たりの春夏さんが主に足を狙いだして転ばす転ばす。


 僕らはそんな春夏さんの背を追って、風の砦にたどり着いて、降ろされている縄梯子で、3階の窓から侵入した。 


 「みんな、無事で良かった」


 驚いたのは風の砦の中に薫子さんがいた事、そうか彼女も捜索隊に参加していたんだな、ゾンビになってなくて良かったよ。


 「他のみんなは?」


 と尋ねると、薫子さんは悔しそうに、


 「すまん、途中までは一緒だったが、ここに逃げ込めたのは私と、秋の木葉のこの二人だけだ」


 と言われて、


 「申し訳ございません、親方様」

 と頭を下げるのは、ああ、僧兵みたいな五頭さん、そうそうこの人、僕の知り合いの中

の唯一のスキンヘッドな人だからさ、デカイし厳ついしインパクトある人だから忘れないな、その五頭さんと、


 「相手は一般のダンジョンウォーカーも混ざっているので、強力な魔法は使用できませんでした、防戦一方となってしまい、他の者はおそらく無事だとは思いますが、この様な無様な有様で事態で連絡も取れず」


 と言うのは椎名さんだった。

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