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第31話【ダンジョン・オブ・リビングデッド 胎動編①】

 事件が起きた。


 目撃した。


 昼間の大通公園、とんでも無い大騒ぎが起きていた。


 今日は、葉山が性王じゃなかった、聖王様に成らせられて、あの『地球蛇』との邂逅から数日が経過していて特に主たる目的も無く、普通にダンジョン来たら、そんな事態に遭遇してしまった。


 「世界蛇ですよ、秋さん」


 知ってたよ、ワザとだよ。人の思考に突っ込まないでよ角田さん。


 いつものメンバーで、今日は深さを稼いで深階層の真ん中付近まで行こうか? って話が以前からあって、本日は実行の運びになって、なんとなく集まったから、と言うか集まってしまって、僕と春夏さんと角田さんそして最近聖王様になられた葉山様と、それと蒼さん(?)…ポイ人。とで、さてダンジョンにと、今日は4丁目ゲートから入ろうとしていたんだ。


 「どうして敬語?」


 怪訝な顔して葉山が言った。


 葉山も聖王様になってからちょいちょいこの人も心読むよね。やめてね、心は僕の僕だけのワンダーランドなんだから、そこは自由に発言させてよね。今、聖王になった葉山にそっと気がつかれないように、心の中で敬うのがマイブームなんだから、もうちょと遊ばせて。 


 そんな、桃井君だけが抜けたのいつものメンバーでゲートに向かって、そうそう、あれ以来桃井君、僕らの前に姿を見せなくて、僕の影にも入って無くて、心配はしているんだけど、桃井君って秘密主義で自分の事とか言わない所あるからとから、僕は知らない事も多いから、何かあればすぐに協力するのにな、って感じで桃井くんを案じてる最中の、昼間の大通公園に何やらいつもとは違う騒めきだったんだよ。


 その事件というはダンジョンウォーカーが一般人を襲うと言う、とてもショッキングなもの。でもまあ、ショッキングだけどそれほど凄惨さは無いっているか、ちょっと戯れてる感じ? でも、しっかり襲ってる。


 襲っているのは一人、そしてそこから逃げ惑う一般な人達。本当に無差別に近くにいる人から襲ってる感じ。


 ぐわああ!、とか、わあ!、とかキャー!襲うダンジョンウォーカーの声と逃げる人達の悲鳴が混ざり合って止む事も無く大通公園に響いている。


 まさに衝撃な光景を目の当たりにした。


 普通、ってか日常にダンジョンウォーカーが一般人を襲うなんて無いからさ、特にダンジョンウォーカーの諍いも最近少なくなってるってのに、ダンジョンウォーカーから一般の人にってのは、しかもダンジョン外での暴行事件ってハッキリ言ってご法度だよ。


 と言うかあり得ない。


 ダンジョンウォーカーは、ダンジョンの中でモンスターを倒して、この北海道を守るってのが本領で、そのダンジョンウォーカーが一般人に攻撃してどうするのさ、って話だよ。 


 それに、ダンジョンウォーカーなら多少なりとも自覚はあるからね。


 この北海道を守るって言うか、守ってるな、僕って言う自覚。


 特にダンジョンに潜り出すと、よっぽど相手から酷いことされないと、その守るべき対象に含まれる一般人に対して攻撃の意識とかできないくらいの自覚はあるんだよ、ダンジョンウォーカーって。


 自覚すると言うか、自然にそうなる。


 特にこの北海道を愛する気持ちって強くなる傾向になる。


 北海道大好き! ってなるから、真面目に。だから、ダンジョン目的にこっちに来たダンジョンウォーカーが、ダンジョン適齢期を過ぎても、北海道から離れないってのはそう言う理由かもしれないね。


 だからこれって結構、由々しき事態で、あってはならない事なんだ。


 で、事なんだけれども、なんか、様子がおかしいんだよね。


 大通公園って、ゲート付近でもダンジョンウォーカーだけでもなく、観光客とかオフィス街の人とか家族連れで結構賑わってる。


 この界隈で仕事している人ってたくさんいるから、いい休憩所にもなるしソフトクリームとかトウキビとかの屋台も出てるしね。


 芝生の上で寛いだり、ベンチで一休みとか、普通に通行する人(公園内は自電車には乗れません)とかで賑わっていて、そこのゲートから近い所に、通路に黒山の人集り。だから最初は何かイベントかな、なんて思ってた。


 大通りって割とイベントみたいなの多いんだよ。ローカルなタレントも気軽に収録してるしね。だからこれもそんなものかって思ってた。


 近づいて見ての印象は、知り合いとか、友人同士てじゃれてるのかも、って感じにも見えたんだ。


 それとも『ブギウギ専務』のロケ?って思った。上杉専務。周ちゃん。


 北海道では超有名なローカルなタレントだよ。


 北海道縦断、横断、母校への旅とか終わってるから、また変な物でも探しているのかって思ったんだ。


 そしたら、それが、なんと、ダンジョンウォーカーが一般人を襲っている場面に遭遇してしまった。 


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