第27話【到着!『碧き爆炎』! え???】
仕方なく、みんなゾロゾロと僕の部屋に入って行く。
あ、ちゃんと靴は脱いでね、あと玄関に持って行って年。
狭、僕の部屋、これだけの人数が入ると狭!
「妹、ひとまず座っていいのか?」
「うん、姉と、角田はこっち来てアモンの隣に座ってくれよ、一応は見届け人になってもらうからさ」
「わかった」
とアモンさんとクソ野郎さんが、座る僕のベッドの横に並んでかける。ちょうどその前に妹が立ってる形になる。
もうなんか、そのクソ野郎さんは待っている間の時間を本とか読んで、完全に勝手にしろよ状態だし、そんなクソ野郎さんに薫子さんは、
「前住宝、お前、なんてモノを読んでいるんだ?!」
って怒ってるし、ん? 本?
「なんてモノって、ここにあったんだよ、なあ、マー坊」
んー、なんだろう? あの本、何処かで見たことが…。
「ちゃんとしまっておいてあげて、真壁隠してたんだから」
ってどう言う訳か葉山が怒って言うんだよ。なんだろ、こっちをチラッと見る目がなんか気まずそう。
「いいだろ、別に、このくらいの本は持ってても」
って、クソ野郎さんは寛容な意思を示す。ちょっとなんの事で何を指しているのか分からない。
で、そのクソ野郎さんの本をちゃんと見て、僕は戦慄した。
「ちょ、ちょっと、何、勝手に見てるんですか?」
慌てて、その問題の本を取り上げる。
「なんだよ、いいだろちょっとくらい」
って言うんだけど、
「い、いや、ほら、今はそれどこじゃないから、な、なんで僕の部屋なんだよ」
本当に、真面目に、それどころじゃないよ、本気で、ガチで。
「いますよねえ、人の部屋に来て、エロ本探すヤツ、で見つけるヤツ」
って角田さんがとてもデリケートな問題に対して、びっくりするくらいどスレートに言う。
僕も何か言い返さないと、何かごまかさないと、ってなるんだけど言葉が出なくて、アワワになってしまう。違うんだよ、違う、ちょっと肌色が多いだけなんだ、大事な所は何一つ見えてなくて、水島くんが親切で貸してくれたヤツだから、なんか断るのも悪いなあって思って借りてただけだから、で、借りたは良いけど、自分の家って思った程、この手の本を読むのに向いてないなあって、妹は突然入って来るし、薫子さんも来るなあ、意外とガサツなんだよなあ、薫子さん。ノックしてよ! って感じなんだ。
すると薫子さんは、
「心配するな、真壁秋、みんな知っている事だ、だいたいは妹が発見して、家中に引き回して、みんなに晒された後、今日花様に取り上げられて、元の位置に返されると言った事が日常だ、だから今更、誰も驚いてはいないだろ?」
なんで、僕、自分の部屋で、改めて自分の恥ずかしい事実を再確認晒されているんだろう?
これも全部、クソ野郎さんの所為だ、くそ、覚えてろよ!
そしてアモンさんが言う。
「鈍く、そちら側の欲求が皆無と思っていましたが、人並みに興味はあるようですね、よかったですね皆さん」
って、誰に言う訳も無いと言う風に言った。
「ほら、お前ら騒いでないで、始めるぞ」
と原因を作ったクソ野郎さんが言う。僕の目を見て、ちょっと気まずい感じで笑って、
「悪かったよ、マー坊、今度から気をつけるから、な」
って言う。
で、今度は、妹をベッドの上に立たせて、その前に、妹を中心に、さらに重ならない様に、アモンさんとその隣にクソ野郎さん、そして、角田さんと薫子さんが並んだ。
そして、僕はと言うと春夏さんに連れられて部屋の扉付近に距離を置いて連れていかれる。
結果的に部屋の中心に葉山が残される。
「すまんな、葉山静流、実は私が来たのはこんな理由だったんだ」
薫子さんがそんな言葉をつぶやく。
「これって、何が始まるの?」
葉山も、多分、なんとなく薫子さんにそんな風に尋ねた。
「私たちは、見届け人なんだよ、お前と、そしてブリドの」
あ、そうか。
そう思ってアモンさんを見ると、アモンさんは僕の顔をしっかり見て頷いていた。