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第26話【賢王と神器】

 ちょっと散々な目にあったけど、ギルドの人たちと別れてその後は順調に進んで行く僕らだよ。


 一応、チトセ商会の人たちから地図はもらってるんだけど、その道順に進んで行くと普通に敵が出るんだよね。


 現在、その、モンスターが出る室内を絶賛横断中な訳だ。


 今日のメンツなら全く問題ない敵だけど、多分、この道順はショートカットなんだと思う。室内を通過する事を避けて行くと結構な大回りになるんだよ、その辺はこっちのニーズというか気持ちを察してもらってるなあって、順路なんだよ。


 だからこそ、ちょっと思うところはあるんだけどね。


 大回りするのと、部屋に入るたんびに戦うのって、どっちが効率がいいのかなあ。って思っていると、


 「多分、その順路で支持された部屋を通過して、そこに現れる敵を倒さないとその問題の部屋には入れないと言う事ですよ」


 と角田さんが言うんだ。


 ああ、そうか、これが一応のセオリーの一部って事なんだね、って事はここに現れる敵ってもしかして、中ボスって事かな?


 「何してるの! 真壁、戦闘中だよ、物思いにふけってないで戦ってよ!」


 って葉山に怒られる。


 「私たちだけでもヤレるというあいつの判断だろ、ほら、無駄口叩いていないで戦うぞ」 


 と、薫子さんが葉山の背に自分の背を貼り付けて言う。


 彼女達、完全に包囲されてしまってる。


 「手伝おうか?」


 とその様子をみて僕に言って来るのは牡丹さんを演じる椿さん。ねえ、そろそろ面倒だから、この設定やめない? って思いつつ、


 「大丈夫だよ、なんか薫子さん、したい事あるみたいだし」


 今の現状を説明すると、相変わらず仲良く先行していた葉山と薫子さんが、完全にモンスターに包囲されてる状態。僕らも春夏さんに止められなかったら、多分、何も考えず、あの場所にいた筈、助かったよ、春夏さん。


 多分、数も30体くらいかな? あ、左右の扉からまだ出て来てるから、このままだと相当な数になるなあ。


 そしてそんな彼女達を囲んでいるのは、


 「リザードマン…、だったっけ?」


 と角田さんに確認を取ると、


 「ドラゴンニュートですよ、秋さん」


 と訂正してもらえた。


 そうそう、リザードマンって中階層くらいの敵だった、こっち、ドラゴンニュートはもっと強力で、一応は亜人括りじゃないんだって、つまりはゴブリンとかコボルトとかは違うのよ、って感じで、人っぽいけど、小さいけどドラゴンの括りらしい。まあそれでも人よりは大分大きいけどね、筋骨隆々だし。


 ん? あ、ちょっと気がついたけど、それはヤバくない? だってドラゴンだよ、火とか吹いちゃうかもだよ、よくみれば背中には申し訳程度の翼とか生えてるし、


 「強いんんじゃないの、助けようかな」


 って言うと、


 「まあ、ちょっと見ていましょうよ」


 と角田さんは、何か楽しみなイベントでも見るような、微笑ましいとか、そんな目で言った。


 「秋くん、邪魔したらダメだよ」


 って春夏さんも言ってた。


 まあ、角田さんはともかく春夏さんがそう言うなら、実は僕も薫子さんが本気で戦うところとか、最近見てなかったから、ちょっと楽しみでもあるんだけどね。


 ドラゴンニュートは、今までの亜人、つまりゴブリンやコボルトと違って、キチンんとした鎧に武器をみんな持っていた。手にしているのはみんな槍。


 あとで聞いた話だと、あれ、あの槍、実はチトセ商会で高価買取しているんだって。

ちょっと人のサイズに短めに加工して、中階層ではそこそこ人気らしい。一応の商品名が『龍槍』って言うらしいんだ。性能もそこそこ良いみたい。


 もっとも僕らみたいに装備に困らない人にはちょっと縁のなかった話だね。


 ちなみにこのドラゴンニュートって金属鎧を纏っている、あのゴブリンお最上種なレッドキャップだって皮鎧だったなあ、そういえばこの前戦ったコボルトキングは同じような金属鎧だったなあ、とか思うけど、このドラゴンニューとの場合、その素肌と言うか鱗の方がよっぽど固いみたいなんだ。


 普通の武器なら苦戦は必至だと思いきや、そのドラゴンニュート、次々に斬られて倒れてゆく。


 その中心にいた葉山と薫子さんがそのま互いの死角をフォローしながら立っているのはそのままなんだけど、薫子さんがさ、今まで見たこともない武器を両手に持って、その武器を奮って、次々とドラゴンニュートを倒している。


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