表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
591/1335

第23話【暗躍する世界蛇】

 雪華さんは、声高々に宣言する。


 「感染症の利用はダンジョンでは禁じられています、直ちに抵抗を辞め、武器を置いて投稿してください、武装解除を拒否され戦闘状態が維持される様ならギルドに対しての敵対行為とみなして、強制執行します」


 左右の人物たちは明らかに動揺している。


 「また転移だ、これ、シリカだな」


 って角田さんが言ってた、一瞬、舞い飛ぶ病塊のせいで見えなかった、角田さん、なんか目が真っ赤だ。鼻水も酷い。普通に話してるけど結構キツイ見たいだな、ヤンキーだから風邪ひかないと思ったよ。


 角田さんの言う通り、上空にゲートが開かれて、だれかが落ちて来る。


 この高い天井に近いところにポンって感じで現れた。その人物に向かって雪華さんは言った。


 「茉薙、対象物に対して全接触して、時間は置かないで、2秒以内でお願い」


 落ちて来たのは、茉薙だった。


 なんかちょっと雰囲気が変わってる?。いや背格好は相変わらず、小学生みたいな身長で幼さなんだけど、でもなんか違う、今までの感じじゃないよ。


 そしてその背には茉薙の背とそれほど変わらないくらいの大きさの剣を背負っていた。


 触れて弾ける爆散する様に消える病塊の中心に着地。


 その大剣を2、3回振り回して、多分だけど視覚を確保しているんだと思う

そして、叫んだ。


 「血の剣源!」


 その瞬間、その大剣が、まるで解けるみたいに空間に広がり、そしてさらに爆発するみたいに幅広の刃の部分が拡散する。


  一瞬だったけど、その一片一片は1センチ平方に満たない大きさで、多分数は100を超えてるよ。それがこの空間を埋める尽くす病塊を連れ抜き飛び回って全て、一瞬にして霧散する。


 もちろん、器用に僕らを避けて、本当に一呼吸もない間だった。


 そして残った種は床の上に落ちて、そのまま転がって無害化したみたい。雪華さんが何かした感じだった。

視界が開けた時には、すでに拡散した剣は全て茉薙の背に大剣の刃として戻っていた。


 「大丈夫かよ」


 って一瞬だけど、茉薙こっち見て聞いて来た。


 「うん、助かったよ」


 と言うと、そっぽ向いて、


 「別に」


 とか言ってる。そして、倒れてる葉山に駆け寄って、「静流!」って声をかけてた。そして、ぐったりにしてる葉山を見て、


 「雪華! 雪華! 静流が大変だ!」


 って背格好に合った小学生が慌てる様に取り乱している。


 そうか、雪華さんが来てくれたんだ。


 開けた視界には、左右の通路から来たであろう謎の敵はようやく見える。みんな白いローブにそして手にはなんかお揃いの杖、中には剣を装備している人もいる。その一つ一つに皆蛇のリレーフが掘られている。


 なんでそんなことに気がついたかって言うと、その蛇、どこかで見たことあるんだよ。どこかは忘れてしまったけど。


 すると、雪華さん、僕らを追い詰めた敵に言った。


 「世界蛇の方々ですね、ギルドは、あなたたちには活動の停止と解散を命じていたはずですが?」


 すると、なんとなく一つにまとまったその集団の真ん中の人が、


 「呪われた神の台座『エクスマギナ』河岸雪華とギルドか」


 と呟いた。


 相手から膨れ上がって来る敵意。これってもうモンスターの害意、遭遇感だよ。人が人に向けているような意識じゃ無い。


 そんな敵と雪華さんの間に茉薙が入って来る。その小さな背に雪華さんを隠すみたいに、大剣を敵に向けて威嚇する様に雪華さんの前に立った。


 その目がさ、絶対に守る! みたいな意思が現れる茉薙って、こんなに大人な顔してたかなあ、って、ちょっと、いやかなりかっこいいな、って、咳き込みながら思ってしまう僕だったよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ