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第19話【姉を演じる妹キレる】

 葉山、今回から二刀から一刀にに変わったからね、その辺の扱いをちょっと、この人たちで練習したいらしい。


 「私も、最近、武器を変えてな、一応、賢王由来の武器をこの度麻生さんから譲り受けた、ちょっと試したい」


 そう言って、薫子さんはどう言う訳か角田さんを見た。


 「ほう、あいつも完全移譲したって訳か、いよいよ賢王もあんたの時代だな」


 と角田さんが言う。


 「はい、今日花様と麻生さんのお陰で私も踏ん切りがつきました、ここから賢王の全てを使用しようと思います」


 と言う。


 「そうか、頑張るんだな」


 と角田さんが言うと、薫子さんはそんな角田さんに一礼していた。


 側から見ると、なんらかの主従関係の一部を見ている気分になるけど、角田さんもダンジョンに入って長いし、薫子さんとかギルドとか、色々とあるんだろうって事でここで深くは詮索はしない僕だよ。


  すると今度は蒼さんが、


 「お屋形様、あの男、多月の家の事情なので、私が引導を渡しておきたいのですが、よろしいですか?」


 って言ってる。


 別に僕が口を挟む事でもないから頷いてしまったけど、


 「何よ、頭数減っちゃったなあ」


 ってがっかりしている葉山だよ。


 今回は、前と違って、九首さんも結構な数を揃えて来ていて、みんなそれなりの人なんだろうなあって思った。だってここ深階層だしね。前のクロスクロスの人達みたいな筈もないけど、でもきっとそれ程度の違いしかないから、今いるメンツならなんの問題も無い。 


 僕らが全く動かないのを、動けないって勘違いしている九首さんは、まるで勝ち誇ったように言う。


 「なんだ、『童話の魔法使い』様も一緒かよ、こりゃあ良いや、お前もやってやるよ、妹頼みのクズ魔導師め!」


 そう言った瞬間、九首さんの周りの人間が消えた。


 今度は角田さん。


 「やるなあ、思考『導言』かよ」


 って褒めてた。


 「え? あれ? なんだ?」


 九首さん、何が起こったか全く理解してない。


 でも僕らの方からよく見えるよ、九首さんを残して、みんなT字路の壁面に壁画みたいに張り付いている。こうして見るとはっきり数がわかるなあ、九首さんをのぞいて34人居たんだね。数え安く張り付いてる。もう動けないみたい。


 で、後衛の位置にいた此花牡丹さんを演じつ椿さん、ゆっくりと前に出て来て、先頭に立って、ただ立ち尽くす九首さんに向き合って、


 「あ゛? てめえ、私の牡丹がなんだって?」


 わかりやすくてキレてらっしゃる。


 それでも九首さんは、自分の請負頭を出す。その同じ数の請負頭が牡丹さん演じる椿さんから出てくる。


 椿さんの請負頭って、綺麗なバラの花みたいな感じ? 真っ白い、花背負った、椿さんって顔隠さないから、超絶美少女って感じだ。似合ってるね。本当に綺麗だよ。


 魔法スキルを使わせる気が全く無いみたい。


 「あれ? お前、コントラストヘッド出せたのかよ?」


 と言ってジッと自分に対して怒り心頭な、此花牡丹さんだと思っている椿さんを見て、そして青ざめた。


 「あ、まさかお前って、椿の方?」


 そう気がついたときはすでに手遅れだった。


 「だとしたらどうすんだ? 今更謝っても許すつもりもないけどな」


 と言って立ち尽くす九首さんの胸に手を置いて、


 「もう2度とダンジョンに入ってくるなよ、おまえけは永久追放だ、じゃあな」


 と言った瞬間、九首さんが消えた。


 装備していた鎧的な服と、なんか大量の髪の毛? かな、それ置いて九首さん消えてしまった。あ、パンツとかもあるなあ。


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