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第14話【誰一人僕に気が付かない】

 それにしても、気がつかれないものだよね、僕って至る所で顔を出して、僕の意志とは関係なく悪目立ちしてるのにさ、未だ面が割れて無いって言うか、ここにいる僕の事は、新しい深階層に入って来たダンジョンウォーカー扱いなんだよ。


 もちろん、薫子さんとかは、


 「あ、ギルドの姫さんだ」


 とか囁かれてて、葉山に至っては、


 「この前は、見に言ったよ、大変だったね」


 とか声を掛けられているし、葉山もきちんと対応している。


 蒼さんも騒つかれて、普通に恐れられているみたいだし、春夏さんと桃井くんはナンパされてるし、角田さんも普通に怖がられているみたいだし、なんか僕にだけ反応が薄いなあ。だから、それは原因があるんだと思って、一番最初に思いついたのが、


 「角田さん、なんかした?」


 この人、こう見えて、見た目ヤンキーだけど色々と気を回してくれるからさ、なんかさ、それなりの便利な魔法とか使ってくれているんじゃないかって思って、そしたら、


 「いいえ、防護と状態異常への耐久魔法はかけてますけど、それ以外は何も」


 と言ってる。相変わらずさり気なくいいことしてくれてはいるけど、僕が僕って事が認識されない原因ではないらしい。


 同じ場所、同じ時にいたはずの僕の方は全く気が付かれてない。


 ちょっと腑に落ちない、って顔してると、桃井くんが、


 「戦っている秋様と、そうでない秋様の放ってる気迫って、別人と言ってもいいですからね。特に最近はそう言うところの使い所みたいな物が上手になって来てるみたいですから、同一人物とは思われないのでしょう」


 と言った。


 うーん、そうかなあ? 僕としては何を変えているつもりもないんだけど。


  そんな納得しかねる僕を見て桃井くんは、


 「ほら、秋様、動物のバラエティーとかで、普通に何処にでもいるミックス犬が凄い特技を持っててお茶の間を沸かせるじゃないですか?」


 う、うん? え? なに、どういうこと?


 「つまり、そんなTVで大活躍する犬が、お茶の間を沸かせるわんちゃんが、実際に近所をお散歩していてバッタリ出会ったとしても、まさか、その有名犬だなんて誰も気がつかないって事ですよ」


  その例えってどうだろうなあ、って、今ひとつわからないけど、桃井くんのドヤ顔を見て、「う、うん」って言っておいた。


 「秋さんって、ほら、殺気とか害意とか、ふつう、その辺の田んぼにいるかろうじて、『動物?』くらいの生き物でも出せる気迫みたいなものすら皆無ですからね、そもそも脅威に感じられないんじゃないんですかね、よかったですね」


 って角田さんが言うんだけど、全く褒めてないよね? ちょっとこの発言に関して、受け止め方がわからない。


 まあ、少なくとも敵意むき出して迎えられるよりはいいやって思うことにする。


 あと、ジャージの事も色々と忠告を受けたな。


 深階層でこのジャージ姿って、もう自殺行為だって。こんな軽装は、怒羅欣くらいだよ、って言われた。


 今日もみんなジャージだからね、見た感じゼビオで買って直ぐに来ました。って出で立ちだからね、言われるのも無理もないけど、角田さんに言わせると、僕らのジャージって、もはや代用鎧って言ってよくて、この場所にいる誰よりも頑丈な装備らしい。


 ちなみに靴も、普通に見たら、みんなメーカー違うけど、一応はダンジョン仕様なんだよ。それぞれが、試験的に作ってるやつで、その総合企業の大柴商事、大柴マテリアルのあるところね、そこと北海道がタイアップして作ってるんだ、で僕らはその試験付き合ってる感じ、だからどっかの安全靴よりも安全で、軽い。他にも機能は色々とあるんだ。


 少なくとも今まで履いていたどんな靴やグリーブよりは快適だよ。


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