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第9話【『碧き爆炎』の台座を目指して】

 中島公園ゲートから、エレベーターで直下で深階層の地下2階へ、そこから、ひたすら南西に歩き続ける。


 目的地は、地上で言うところの『支笏湖』の直下。だから千歳市だね。


 地元でも無い限り、距離感にピンと来ないかもだけど、徒歩で大体9時間くらいの距離だね、しかも僕らの場合、色々と寄り道とかしてしまうだろうから、その1,5倍程度はかかるんじゃ無いかな、余計な事やら寄り道とかしたら葉山とか怒りそうだけど。


 目指すは、そこにある『碧き爆炎の台座』と言うところらしい。


 全行程にして、45キロメートル。テレポーターとか、移動床もあって、大体の歩く距離は、25キロくらいらしいけど、上がったり下がったりもあるから2日間くらいの日程になるって、葉山が調整してくれた。


 学校休みたく無いから、ここは土日を利用することにする。正確には金曜日の夜から出発して、日曜日はなるべく早く帰って来ようって考えだよ。


 事前に角田さんに相談して転移魔法とかダメ?って聞いたら、この手の『置物』ってセオリーとかあって、きちんとした移動と手順を踏まないとその部屋にはたどり着けない様になっているんだって。よくできているよね。


 一応、千歳市付近にもダンジョンの入り口はあってね、千歳まで公共交通機関(JR)とか使って行く手もあるんだけど、その場合の入り口の位置からだと、階段使用でフルに歩かないと行けなくなるから帰って実質距離が伸びるんだって葉山が言ってた、加えて、札幌方面からだと丁度いいくらいの位置に宿とかもあるし、こっちの方が都合がいいらしいんだ。流石に深階層のダンジョンウォーカーだよね、本当にこういう時って頼りになるよ。


 僕らの数日に及ぶ挑戦を母に伝えると、母さんは、いそいそと、出かける準備をしていたなあ、あれ、きっと本州にいるお父さんに会いにいくんだろうな、きっと。


 で、妹の方は、僕と葉山が相談と言うか打ち合わせと言うか、それが終わるタイミングて、


 「わかった、こっちも準備する」


 と言って、僕らよりも早く、金曜の昼には家を出って言ってしまったらしい。かあさんに何か話していて数日開けるみたいな事を言って、マモンちゃんの名前が出ていたから、多分、雪華さんの家にでも行くみたいな感じかなあ、僕としも、妹を1人に置いておくわけには行かないから、一緒に連れて行こうとは思っていたけど、丁度よかったみたいな形になった。


 で、夕方僕らも出発。


 久しぶりに初期メンバーというか、僕の本来の仲間が揃った日だなあ、って思った。なんか新鮮というか嬉し懐かしい。


 新メンバーの葉山が入っているけどね。


 みんな普通に迎えてくれて、葉山もちゃんと『よろしくお願いします』とか挨拶していた。この辺はやっぱりしっかりしているなあ、さすがだよね委員長って思ってしまった。


 そしてそのメンツに加えて、


 「なんで薫子が付いてくるのよ」


 って文句を言われている薫子さんが参加してくれた。


 「いいだろ、私も偶には個人的に深階層に潜りたいんだ、だからついでに静流の武器の調達クエストを手伝ってやろうと言っているんだ」


 「あの噂を本当だったんだね」


 「なんの噂だ?」


 「ほら、薫子って、雪華さんに立場を追われたって言われているらしいじゃ無い」


 「私が、雪華にか?」


 吹き出すように笑って、薫子さんは、


 「まあ、今の雪華になら勝てる気はしないな、確かに彼女なら次のギルドの長になれる器があるな」


 「あっさり認めるんだ」


 「当たり前だろ、ギルド内で争っても仕方ないぞ」


 そんな葉山はちょっと悔しそうな顔している。もうちょっと違った反応を期待していたみたいだ。


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