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第215話【僕たちは無事みたい、僕たちはね】

 此花さんって、超絶美少女だった事だ。


 「これは、出落ちなんだ、もう、それで、なあ、笑ってくれ、狂王」


 もう此花さん、とうとうと言うか、それしか方法がないみたいな形で両手で顔を覆ってしまい、そのまま俯いてしまう、その時僕の目には真っ赤になった彼女の両耳が見えた。


 この美少女は、自分が美少女であることに恥いているみたい。


 此花さんて、きっと僕よりも年上なんだろうけど、いろんな意味で危ういなあ、グラグラだなあ、ブレてはいないからこの反応なんだろうけど、僕にとってそんな事は些細な事で、今回は本当に彼女に助けられたなあ、だから感謝しかないんだよね。


 本当にこの人いなかったらどうなっていたか、って考えるとゾッとする。


 それに、角田さんが以前言っていた、魔法スキルと直接攻撃スキルの関係性っていまは本当に理解できるんだ。魔法だけではダメでだからと言って直接攻撃だけでもダメって話。バランスって大事。


 「助かったよ、此花さん、すごい魔法だったね」


 本当はもっと感謝の言葉とか言いたんだけど、今の状態でだからって甘えるわけじゃないけど、もうそんなありふれた謝辞しか出てこない。すると、此花さんは、


 「そ、そうかな?、私も、ありがとう、今回のこの出会い、そして冒険は今までて1番楽しかった」


 って、さっきまでの恥ずかしそうに顔を隠すのも忘れて、キラッキラする顔して言うんんだ。すごいよね、美少女の圧力って、面で来るよね、「う、うん」って言うのが精一杯だよ。


 まあ、僕の身近には春夏さんとかいるからさ、こう言う美女とか美少女耐性は付いている筈なんだけど、ちょっとドキドキしてしまうって事は彼女のこの容姿は春夏さんにも勝るとも劣らないって事なんだろうなあ。確かに喋らなければ破壊力は満点だね。


 そして、ここで気がついて、


 「雪華さん、他の人は?」


 と問うと、


 「秋先輩を襲ったクロスクロスの人もみんな無事ですよ」


 と言ってから、


 「早く良くなっていただいて、元気になったら、拷……尋問、じゃなかった、協力を仰いで事情を聞かないといけませんから」


 尋問って言ったよね、しかも拷問って言いかけてなかった? 雪華さん、僕に向けて来る笑顔を全く変えないで、一瞬の陰りも見せないで言うから余計に怖い。


 そして、ここで気がついた。


 蒼さんがいない。


 「雪華さん、蒼さんは、一緒にいた筈なんだけど」


 と言うと、彼女、雪華さんは僕の下半身の辺りを指さして言った。


 「どうしても剥がれませんでした」


 その言葉に付け足して、


 「ベットも足りないんだよ、我慢してくれ、いろんな意味でな、アッキー」


 とちょっと離れた場所にいるカズちゃんが言ってきた。


 多分、僕らかちょっと離れたベットで、他のけが人の様子を見ているこの部屋の主で、ギルドと言うか、このダンジョンの中で最強のヒーラースキルを持つ佐藤和子さんが朗らかに言った。


 そうなんだ。そう思って、多分、体には既に異常もないだろうと思ってちょっと体の向きを春夏さんの方に向うとするんだけど、体が重かった。


 うん、重い。


 体調の悪い、の方の重いではなくて、物理的に重い。と言うか腰のあたりに何かが張り付いているってのをこの時初めて知った。


 なんだろうって、かけられていた布団をパッと捲って見ると、ああ、いたよ蒼さん、僕にしがみついていたよ。


 んー…。


 思わず雪華さんを見ると一応は笑顔なものの、引きつっていた。


 まあいいや、無事みたいだし、強引にスルーする。布団ももう一回掛けちゃえ。今はそれどころじゃないもんね。


 ああ、そうだ、思い出した。


 「シンメトリーさんは?」


 すると、雪華さんが、


 「はい、お陰で大丈夫ですよ、無事本部に搬入されました」


 今の言い方でわかる、未だ彼女、召喚箱に入ったままなんだな。


 でもよかった、みんな無事だ。


 ひとまずはホッとする。安心できたよ。


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