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第205話【垣間見せる剣世界の在り様】

 何がどうなって、どうしてこうなった????


 あれだけ隙の無い作戦立案も的確なドンピシャなタイミングの包囲攻撃は全て弾かれて、その上、敵の攻撃を食らって、土岐も相馬さんも鴨月くんも此花さんも倒れている。


 花嫁さん、リリスさんが辛うじて立っているんだけど、一体何か起こったのかまるで理解できない。


 その代わり、レンジの外にいる僕だけが無事なんだけど、だからこそ、この状況が何によって引き起こされているのか、正直パニクっている僕がいる。


 あ、無事と言えば、この茉薙が現れてから、すっかり普通の宝箱みたいに黙っているシンメトリ^さんも無事みたい。


 致命的な怪我は負ってないけど、倒れている人は腕は足から結構な血が出てる。


 攻撃をしようとする腕、迫ろうとする足を集中的にやられた感じだ。


 これじゃあ、逃げることもかなわない。


 これは何とかしないと、もうここから一気に遊びはなくなった。


 「おお、必死になったな」


 僕からの横一閃の一撃を2本の剣で受ける茉薙。


 良いよ、構わない。そのまま力づくで振り抜いた。


 同じ材質の金属が互いに走る嫌な音がして、茉薙を飛ばす。思った通り、この子軽い。


 でも自分で後ろに飛んで回避なんてさせない。受けた剣の向きを変えての攻撃もさせない。早くこの戦場を支配しないと、ここ倒れている仲間を助けられない。


 たぶん、セオリーというか定石に考えるなら、ここはいち早くヒーラースキルを持っている此花さんを助けて、安全を確保した上で、他の人達を助けて、って言う流れで行くのが常識なんだろうと思うけど、そんなのもう、どうでも良い。ともかくこの茉薙とかいう完全な敵を倒さないと。


 僕の中で初めてこの時に茉薙は完全な敵になった。


 こいつが何を思い、何を恨んで、何をしたいのかなんてどうでもいい。


 僕の仲間を傷つけるやつは誰だろうと敵だ。


 「いいよ、いいよ、そうだよ、そう来なくっちゃ」


 嬉々として動き出す茉薙。


 早いな、やりにくい。


 構うもんか、こっちの好きにやらしてもらう。追う僕に下がる茉薙。一瞬でも距離が迫ると互いに斬り合った。


 「ああ、そうか、これが『場』を支配するって言ってた『王様』スキルか?」


 茉薙はそんなふうに言う。


 必死な僕は、またいつの間にかそのへんテコなスキル、あの王様ってスキルをダダ漏らしていたらしい。


 「でも残念、僕いは通用しないよ、僕は今、2人だからね、戦力的に言えば君よりも強いんだ、だから支配は出来ないよ」


 と言った。


 ああ、また知らない間に王様スキルとか言うのを使っていたらしい。でも自覚無いから、特になんとも思えないし、その事についても何を言っているおか全くわからない。


 「どうでもいい、ともかくお前は黙れよ」


 僕はこの戦闘において、手を抜く事はもうでき無い。


 そして、今、奴は油断している。


 ここで決める。


 逃げる茉薙の足が緩んだんだ。たぶん、ここから攻撃に切り替えて打ち合おうとしてくるって形を取ろうとしている。だからかな、守っていた茉薙の体が一瞬、開いた。


 ここだ。


 僕は追う足に力を込めて、さらに力を入れる。


 最大戦速。


 その時、茉薙の目ぶかく被るフードが少しめくれた。


 顔が見えた。


 知っている顔。


 でも、僕の知るその人の顔は、こんな顔して笑わないから、一瞬、僕は別人だって思った。


 いいや、思いたかったのかも。でもね、納得はできたんだよ、その人ならって、そう思えたんだ。でもこの時点では僕はその事を否定していた。だって、ありえないからさ、こんなことがあるわけがない。


 で、その顔はよく知っている顔は僕にこう言ったんだ。


 「お前、簡単だな、もおう終わりかよ」


 って、そうせせら嗤い僕に言ったんだ。


 一瞬僕の手は遅れる。


 思考と行動がかき回される。今はそんな時ではないと言う思考がその曇った考えを一瞬で吹き飛ばして、この状況を即時に判断して、しまった、って思った。


 ああ、そうか、これ、僕、誘われたんだ。


 この形は僕の作ったものではくて、この形に僕は誘導されたって事だ。油断はしてないから、この場合、相手が一枚上手だったって事だ。やばい。


 そして、その背後に衝撃が走る。


 「お屋形様!!!!! 危ない!!!!!」


 蒼さんだ、蒼さんがぶつかって来た。というか僕にぶつかって、僕と入れ替わりでその場に入ってきた。そしてその蒼さんには見えていたようで、上空から高速で迫る刃を弾き返すものの、その量の前に体を刻まれる様に斬られて、そのまま倒れそうになる。


 「蒼さん!」


 その声に反応できたかどうか、蒼さん踏みとどまるも、両肩と首の近くの胸あたりから出血して、服も割かれて下の鎖帷子も刻まれて見るも無残な姿になる。


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