第41話【エリートクラスとかスカウト組とか】
『スカウト組』って言うのは、ここ数年、北海道が積極的に行ってきたダンジョンウォーカー募集の中でも特殊な人達。
普通は本人さえ希望すれば北海道に来てダンジョンウォーカーができるように、住まいを含む生活全般のサポートとかしてもらえるんだけど、スカウト組って北海道がわざわざ頼んでこちらに来てもらっている人達で、例外なくスキル持ち。
しかも強力なヤツ。ダンジョンウォーカーの中でも、俗に言うとエリートクラスに分類されている。
強力らしいよ、エリートクラス。
初めてダンジョンに入って、その日のうちに深層階に行ける人がザラにいるって、得に戦闘に特化している一部の人たちなら、どっちがモンスターだよってって感じで、深層
階でバキバキやっているらしい。
でもって、もう1つの噂っていうか、僕のような普通なダンジョンウォーカー、要は一般で大多数を占める人達の話によると、こういったエリートクラスの人たちってね、みんな大体は、『紙一重』なんだって。
俗に言うところの、普通じゃないらしい。もちろん、それに伴う能力もなんだけど、概ね性格というか、人知を超えた能力故に性格が破綻しているという話だよ。
この強力な戦闘能力を発揮できる環境がなかったら、普通に自身を持て余す犯罪者予備軍なんて酷い事を言う人もいる。面白半分な中傷や嫉妬みたいな物だとは思うけど、僕自身は実際に見てみるまで、なんとも言えないよなあ、って感じかな。深階層なんて、もっと先の話だしね。
ちなみに、春夏さんも、ダンジョンウォーカーの能力的にはこの『スカウト組』に分類されているらしい、知事から嘆願書が届いたって言ってたから、最も、彼女の場合は、本人の希望で入っているから形の上では僕とは変わらないけど彼女もそう言う意味では出来る人なんだよなあ、そして、工藤 真希さんも、あれだけ可愛いのに性格とか色々残念なところはあるけど、彼女もまたエリートクラスらしい。
しかも、真希さんも、その能力は他のスカウト組すら圧倒するって言われている。まあなんて言っても『最後の扉に触れた者』だしね、
あと、これは勘なんだけど、多分、角田さんもスカウト組ないし、それなりのスキルとか持っているエリートクラスな気がする。
本人隠す気ないし、ああいう性格だから聞けば答えてくれるだろうとは思うけど、それでも本人が語りだすまでは黙っていようと思う僕だったりする。
あれ? そう考えてみると、僕の周りには確かにエリートクラスが3人ほどいる事になるよね。
よくよく考えてみる。
そして確信した。
確かに、変わった人が多いや。
3人中3人って、事例は少ないけど、100%って決して無視できない数字だよね。
それにしても、委員長がダンジョンウォーカーでスカウト組のエリートクラスだなんて、人は見かけによらないなあ、なんて思って、
「ごめん、本当にびっくりした、見えないっていうか、意外っていうか」
なんか言えばいうだけ失礼な感じだ。
「そんな事ないよ、それに真壁くんだって、それは同じだよ」
ってにこやかに言う。
? 同じダンジョンウォーカーって事かな?
でも、そのおっとりした笑顔が、一瞬凍りつくように僕が見たことのない委員長の顔色になる。本当に空気がはりつめるって感じになったんだ。
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