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第40話【春休み中緊急案件】

 なぜか今日は学校に呼び出された。


  今日はまだ春休み期間。


 要件は緊急を擁するってことで、本日登校日にされたんだ。


 普通に教室でHRをしてる。


 折角の春休みだというのに何か損をしている気分で学校に行くと、この中学校の1年生、今度2年生になってこの学校に編入して来る新入生徒が1人行方不明だという。


 つまりは僕と同じ学年の生徒だね。


 顔写真入りの捜索願いのプリントが配られて、なんだか物々しい雰囲気に包まれている。書いてある文章を読むと、この転校生君は、ダンジョンウォーカー的には先輩さんで、この年齢でかなりの深層階まで潜っていっているらしい。


 ついてる写真を見ると、可愛い系の女の子、名前も、それっぽかった。


 茜さんていうのかあ。


 浅階層でうろうろしている僕には力になれそうもないなあ、なんて思っていたら、HRの終了後、さらにダンジョンウォーカーの生徒は残ってくれという話になって、クラスの半分程が残されて、体育館に集められた。


 そして教師と、多分警察関係者なのだろう。数人の大人たちから、簡単な聞き取り調査が行われた。


 要約すると、この行方不明の生徒をダンジョンで見たかどうかって事らしい。


 でもさ、ダンジョン内だったら、それ程大げさにすることもなし、少なくとも、ギルドの管轄だし、なんで警官が…。


 「なんかね、犯罪に巻き込まれているみたいなんだよ、この子」


 「うお!」


 いきなり、すぐ横で女の子の声がするからびっくりして変な声出た。もちろん、言葉の意味にもね。


 見るとそこには、この学校で唯一、僕に話しかけてくれる女子、僕のクラスの学級委員長、葉山 静流(はやま   しずる)さんがいた。


 「真壁君も、やっとダンジョンウォーカーになったんだね、おめでとう」


 って屈託の無い笑顔でそう言われた。


 もうね、本当に『委員長』って感じの女の子でさ、僕はともかくみんなに優しい。困っている人を見ると放ってけないって言う、面倒だなあ、って事を先頭に立って率先してやってくれる人で、本気で尊敬してるよ。


 それに、実は彼女、この学校の中でも、トップ3に入る美少女なんだよね。


 目下、春夏さんと1位と2位を熾烈に争っているらしい。


 ちなみによく言われているのが、女神に女帝だってさ、どっちがどっちかはわかるよね。


 春夏さんの凜とした雰囲気もいいけど、彼女、葉山さんの全てを包み込むような優しさが滲み出るような慈愛に満ち満ちている雰囲気も捨て難いと言うか、タレ目のメガネ、三つ編みで隠れ巨乳もいいよね。


 でも、僕も正直驚いていたんだ。


 「委員長って、ダンジョンウォーカーだったんだね」


 ここに残って話を聞かされているってことはそう言うことなんだろうなあ。


 「うん、そう、私もダンジョンウォーカーだよ、いっしょいっしょ」


 なんか彼女がダンジョンで行動している姿が想像できない。


 そんな僕の思いを他所に、彼女は後輩君の映るプリントを見て、


 「この子、普通にモンスターとかにやられるって、あまり考えられないの、私と同じ『スカウト組』じゃないけど、エリートクラスで、私の知っている限り、かなりの能力者なんだよね、誰かがだまし討ちでもしない限り、行方不明なんて状況は考えられない」


 「え? 委員長って、そうなの?」


 そう、とは『スカウト組』って奴。


 「そうだよ、言ってなかったっけ?」


 って言うか、ダンジョンウォーカーってのも驚きだけど、スカウト組って話を聞いて、ビックリの上にビックリを重ねてしまったよ。比較級に驚いているよ。もう戦慄に近いよ。 


ブクマ、感想等よろしくお願いします!

早速、一人、ありがとうございます!!

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