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第178話【悪魔の花嫁が現れた!】

こんなに正々堂々なんてあのクロスクロスに限って、仕掛けて来るわけがない。


 いや、ダンジョンウォーカーですらないかも。


 なんて言うのかな、綺麗な人なんだよ、本当に魔的に綺麗で、まるで黒を基調としたウエディングドレスを着ているような、そんな派手な姿なんだよ。


 後さ、花嫁の頭の上にはベールって被るじゃない。アレって、ツノを隠すって感じで和式では角隠しって言うよね? まさにそんな感じで、頭から突き出した2本の角を隠すみたいな被りかたをしてるんだよね。


 ツノ?


 あれ?


 間違いないよ、装飾品とかじゃないし、頭からニョキって生えてるよ。


 これって、いやこの人って、モンスターじゃない?


 気が付いた瞬間、僕は前に飛ぶ。


 土岐はその後ろについて、何かやろうとしている。多分、この現状の把握を未だしていない他の人間を守ろうとしているんだろう。助かるよ、攻撃は僕がする。


 すると此花さん、瞬時に何かの呪文を唱えた。


 早い、この人。只のお笑い好きダンジョンウォーカーではなかった。魔法スキル持ち主として相当できる人だ。


 僕自身が、魔法スキルの反則なくらいの強さの角田さんを知っているから分かるよ。かなり使える人だ。というか角田さんに近い。


 僕の体がほんのりと輝き、僕の持つ剣の重みがなくなった。


 防御と攻撃が強化されているのがわかる。


 エンチャントとは違うなあ、何かの効果が追加されている訳じゃない、多分能力そのものが底上げされている感じがする。


 強化されている僕が迫るが、その女性型モンスターは全く動く気配を見せない。


 と言うか、僕が完全な攻撃の形になっているのに、ツノのある女性、全く動かず、目だけが僕の方を見た。


 そして、


 「待て」


 と一言だけ言った。


 恐ろしいくらいに澄んだ声。耳を通り抜けてそのまま頭に入ってくる感じだ。


 僕は彼女のそんな声に一瞬、怯んでしまう。


 そして確信していた。この人、多分『悪魔の花嫁』だ、間違いない。今回が初めての出会いになるけど、間違いない。


 「ジジジアラウド」


 あ、これ、あのラミアさんの時に椎名さんを正義の虐めで角田さんが使った、確か雷撃の呪文。すごい、此花さん補助魔法に続いて、結構高等な攻撃魔法出して来た。


 ツノの女性、多分『悪魔の花嫁』の周り稲光が戦慄きと雷鳴が鳴り響く。


 そう言えば、あの時は椎名さんと角田さんがお互いに打ち消し合ってしまっていたから、この雷撃の魔法、実際に発動する所は見たことなかった。もう目の前は稲光で目がくらむくらいの光に轟音だ。


 普通に考えれば、絶対にタダではすまない。


 しかし、そのツノの花嫁さんは、自分の周りに展開される怒涛の光景を物ともせずに、


 「待てと言っている」


 とだけ、涼しげな顔して言われてしまった。


 防御してるって風でもない。


 体にも電撃は浴びているものの、全く効果が現れていない。


 ああ、角田さんがいないから、状態を誰か説明してくれないと何が起こっているのかさっぱりわからないよ。


 すると、此花さんが、


 「無かった事にしているみたいです」


 「ごめん、どう言う事?」


 「つまり、ガツンとしたツッコミに対して華麗にスルーしてしまっている、所謂、『私の痺れるツッコミ、全く無視かい!』と言う、一種のボケですね、素晴らしい、あ、わかっているかとは思いますが、今、私達と突然に戦闘状態になってしまっている相手は『悪魔の花嫁』ですから、ここでは無用なボケはいりませんよ、フヒ」


 う、うん、わかったようなわからないような。


 「あ、そうか、つまり、電導率を上げて電気抵抗を0にしてしまっているんだ、確かにこれならどんな大きな雷撃も意味はなくなる、器用なもんだ」


 解説ありがとう、土岐。なるほどなるほど。感電するってのは電気抵抗が高いからで、電気抵抗を無くせば電気は素通りして感電はしないって事だね。



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