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第173話【だから、パンツは履いてるよ!】


 なんか、この人…此花さんの笑いのツボってよくわからないなあ。


 それに秋の木葉の人って、割とスタイリッシュな感じな出立で、アサシンって感じはしても忍者って感じでもないんだよね。やってることは忍者だけど。


 「忍者って、今時、ダンジョンに忍者って、フヒヒヒヒ」


 って此花さんも大ウケけしてるみたい。いやいや、あの人達の潜伏能力と戦闘力って笑えないから、協力してくれているのが嘘みたいな、そんな心境なんだけどな僕は。


 すると、さっきまで落ち込んでいた鴨月くんまで、


 「本当に、どんどん遠い人になってしまうなあ、真壁さんは」


 とか言い出す。


 いや、たまたまだから。行き掛かり上、通ってきた道を通過した挙句、こうなっただけだから。多分、きっと色んなラッキーが重なっただけだから。


 恐縮しながら、僕らは7丁目ゲートの、以前クロスクロスに迷惑を掛けられた現場に向かう為のエレベーターの前に着いた。


 一応、大通り公園を3丁目分は歩くんだけど、その間、監視している人達がいるのは気が付いていた。もちろん相手も流石に街のど真ん中で襲いかかってくるってのはないとは思っていたけど、やっぱりダンジョンに入ってちょっかい出して来たよ。


 待ち伏せていた人たちと、僕らの後ろからついて来た人で、なんか挟み撃ちみたいな形になった。


 そしてその人達って僕と言うか真希さんの予想を裏切る事なくクロスクロスな人達だった。


 うーん。


 僕らが、あのエレベータールームって言うんだろうか、そこに入って、目的のエレベーターに近づいた瞬間、出入り口とエレベータールームまでの行く手を塞ぐみたいな形で現れて、


 「そこまでだ、『狂王』真壁秋!!!」


 とか言われる。彼らの言う所のそこまでってのがどこまでかわからないけど、はいはい、真壁秋は僕ですよ。


 後ろで待機している人達を合わせても50人くらいかな、結構な人数がいる。


 「俺の名は、武井 大輝、新設された6番隊の隊長だ」


 って自己紹介してくれる。こっちの方はいいよね、知ってるみたいだし。


 「よし、土岐、もう仲間のフリはいいぞ、直ぐにこっちに合流しろ」


 とか言ってる、え? 行っちゃうの土岐?


 って顔してると、


 「いいや、行かないよ、言ったろ、お前に忠誠を誓うって」


 ああ、そうなんだ、よかったよ、土岐と戦うのってちょっとメンドくさいなって思ったから、その中、今度は此花さんが大声で笑い出した「ヒーヒッヒ、ヒヒヒ! フヒヒヒ!」っってもう悪役みたいに笑い出して、挙句の果てに突っ伏して、床をバンバン叩いている。


 「変態女、お前もこっちの人間だろ?」


 って怒鳴る武井さんて人。ああ、そうだ、あの分隊長さん達と同じ白い鎧だね。本気で言うと、全く強そうじゃないなあ。それにしても自分の仲間に変態女はひどいよね。


 一応は此花さんに尋ねる。


 「此花さん、立場的にまずくない? あっち行かなくても大丈夫?」


 ほら、クロスクロスも一応は組織だから立場ってあるじゃん。


 すると、此花さんの笑い声はさらに大きくなって、


 「武井、心配されてるよ、襲いかかる相手に、立場とか、もう最高ー……フヒ」


 と言ってから、なんとか笑い声を抑えて、僕に向かって彼女は言うんだ。


 「私にとってのこの北海道ダンジョンで『笑いの王』いえ、『笑える王』もしくは『笑われる王』は貴方です、し、しかも裸の王様で、パンツ履かないとか、もう、盛りすぎ、もうダメ、お腹壊れちゃう」


 って最後の方はもう大爆笑になってしまっている。いけないな、最後の方は、彼女の僕に対して誤解しているようだ。このまま武井って人に渡す訳には行かないって気になってしまう。偽りの情報の拡散を防がなければ。


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