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第172話【斥候する秋の木葉】

 この時点で僕は彼らの話に耳を傾けながら、真希さんの言葉を思い出していたんだ。


 僕が中階層にいて、事件の当時者のこの2人がいて、そして何よりあの鉾咲さんの邪魔が入らないようにバックアップすると言ってくれた真希さんを思い出すと、これきっと僕が事件の本質にいて、僕がなんとかしなきゃあ行けない案件で間違いのない事だって思う。


 それに、即席とは言え僕らのパーティーをバラけさせても、それなりの組み合わせのパーティーを作ったって事はさ、このダンジョン中にある、とても危険な不確定要素は未だ生きているんだ。


 しかも、どこから出てくるかわからないびっくり箱的な形なんだろうと思う。


 以前のラミアさんの時ですら、あくまでギルドとしてしか対応していなかったから、今回は、このダンジョン全体にヤバイのが広がっているって真希さんの言葉から推測できるから、ちょっと本気出す、くらいの勢いでいかないと、多分、ダメだ。


 そして、真希さんが『あてにしてるよ』って言ったのは、この2人、相馬さんと鴨月くんも含まれているんだと僕は考えている。


 うーん、ちょっと色々乗っけ過ぎって気もするけど、まあ、真希さんの頼みだから、それに何かあったら真希さん自身が駆けつけてくれるのは分かってるから、僕の立ち位置としては、斥候くらいの気持ちで行こうってくらいの気軽さでいいかなって思った。


 つまりは、探索と囮って意味を含んているって事でいいと思う。


 それに、いざとなったらここにいる人たち、相馬さんを始め、クロスクロスな人たちもそれなりに実力ありそうだしね。


 まあ、だいたいやる事は分かってきた。


 たぶん、どんな過程を通っても、真希さんはこれが最後の方で力づくになる形を見てる。だからこその僕なんだね。


 今の時点では誰が敵で、誰が味方なんてわからないけどさ、それは見てから、考えてからの対応でいいや、ってなる。


 気持ちが決まって、覚悟もできる、そんな時に、急に僕の前に、「報告にございます」って静かな落ち着いた声の後、1人の女の子が現れた。ほんと、スッと現れた。


 急に現れた訳じゃないから、驚かなかった。ああ、来たかって思えるほど、自然になってる方に僕が驚いてた。表には出さないけど。


 彼女は告げる。


 「お屋形様、7丁目ゲートエレベーター付近に、待ち伏せです」


 その事実を告げる。


 「ありがとう」


 秋の木の葉の人だね、すでに僕らの行く手の調査をリアルタイムで終えているみたいだ。 


 「排除も可能ですが?」


 と続けて言った。


 「相手が誰で、何を言いたいのかちょっと気になるからね、僕らで対処するよ」


 「御意に」


 と言って、名も知らない『秋の木の葉』の彼女は消えた。ほんと、ボンって感じでリアルにドロンした。もちろんもう驚かないけどね、だって蒼さんのとこの人だしね。


 「凄いな、便利なもんだな、『闇の軍団』」


 と土岐は感心するように言う。闇じゃないから、みんな名前は青色だから、中心にいるのも()さんだから。



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