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第124話【必殺!!発寒砲!!8間、2畳の拳】

 これって多分連発食らうとダメな奴だ、蓄積ダメージで体が動かなくなるタイプの攻撃だよ。


 驚いている僕に、北藤さんは不敵に笑って、


 「これぞ、必殺、『発寒8間、2畳の拳』です、挨拶がわりにどうでしたかかな?」


 ああ、たかに当たった瞬間、なんか寒気がした。寒さというか冷気ははそれほどでもないけど、全体的に体から熱を奪ってゆく感じんだね、連発されると温度的にもちょっと体にはヤバい感じのダメージはきそうだね。多分、数字は規模と距離を表しているんじゃないかな。そう考えると、親切な必殺技名だよね、とかと思う。

 そんな僕に、北藤さんは一旦構えを解いて、説明してくれるんだ。


 「距離にして24間、広さにして52畳の攻撃が可能です」

 え? そんなに?って思うけど、いまひとつ単位がメーター法じゃないからピンとこない。

 思わず、


 「それは、札幌ドーム何個分?」


 て角田さんを見て聞いてしまう僕だよ、だってこういう知識ってやっぱり角田さんだよね。無駄にすごいし。


 それに北海道の人間ってさ、広さとかいきなり言われつと、つい『札幌ドーム』とか口に出ちゃうよね。北海道日本ハムファイターズの本拠地だね。今移転計画で盛り上がってるけど、北広島市に行ってしまうみたいな話になってる。


 「そんなに大きくないですよ」


 「じゃあ、『つどーむ』くらい?」


 札幌ドーム程の規模じゃないけど、今、雪まつりとかの第二会場になっているからこっちも有名だよね。


 「いえ、そこまでも」


 「じゃあ、『月寒グリーンドーム』くらいかな?」


 札幌でドーム型施設って言えば1番古いよね、札幌市民も馴染み深いよね。フリーマーケットと中古車市とかやってるよね。あと恐竜博覧会とか。


 「秋さん、ドームから離れましょうね、そこまでも大きくないです」


 思わず札幌にあるドーム型スポーツ施設を拾い順から口に出して言ってしまったけど、そこまでの範囲ではないらしい、ちなみに2番目のつどーむって正式名称札幌市東区 コミュニティードームと言うらしい。僕もこのくらいは知ってるよ。


 「距離にして45m、攻撃範囲さはそうですね、バトミントンコート1面くらいの攻撃範囲ですね、秋さんの戦闘速度では結構厄介かもしれませんね。縦横の大きさを変えれれるのなら、脅威と言って良いかもしれません」


 って教えてくれた。


 「ありがとう」


 と言ってから、そっか、思ってたよりも小さいな、って考えてバドミントンのコートの大きさを考えて見たけと、僕部活とか入っていないからいまひとつピンと来ないけど、まあ、人間2人から4人がバタバタと走り回れるくらい広い攻撃範囲で、40mも飛んでくるなら、この部屋のほとんどをカバーできてしまうよね、なんだろう、速度と距離にあった優位性は瞬時になくなって、むしろ、この発寒とか言う技を持つ北藤さんの方が遥かに有利に傾いてしまった。


 何と言っても、攻撃が当たるちょっと前の瞬間まで見えないってのもズルい。


 そんな事を考えながら、さっきクソ野郎さんが、北藤さんにピッタリと張り付いたいたのはこの攻撃を避ける意味もあったのかもしれない。


 しまったなあ、ここまで距離あけてしまうと、もう北藤さんは距離を詰めさせてもらえないだろうなあ。


 この距離、僕にとって圧倒的に不利になってしまう。


 「では、参りますぞ」


 言うと、「ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!」と発寒砲を連発して来た。


 これ単発でも卑怯くさいのに連発可能って、ずるくないかな?


 「とう、ほりゃ、ぶ、はい、へい、ぐ!」


 思わず変な声を出して避けてみるけど、2回ほどかすってダメージを受けてしまう。


 そんな僕の姿を見て北藤さんは大笑いして、


 「いやあ、秋殿は踊りはお上手のようですな」


 なんて言いやがる。クッソ。見てろよ。


 その太い眉毛をハの字にして泣かせてやる。


 すると、北藤さんはその笑い声をさらに高くして、僕に言うんだ。


 「はっは、秋殿、実に楽しそうに笑いなさるな」


 って言われて僕気がついた。


 僕、今、この境地に至って顔が笑っていたんだよ。あれ? って感じで自分も驚いている。


 いやいや、北藤さんに釣られただけでしょ。普通にピンチだよ、笑えないでしょ。


 以外や以外で窮地に陥った僕。


 まあ、負けても命が危ない事もないし、ここで降参したらきっと北藤さんは受け入れてくれるんだろうけど、そんな気サラサラ無いよ。


 でも、このまま行くと絶対に勝てない。逃げ回る自信はあるけど、そんなの絶対に嫌だし、もうこうなったら胸を借りるつもりで自分から言ってみるかなあ、って思う。


 突破口を開くために、僕は自分の足の重心を変える。


 「では、秋殿、ご覚悟を」


 おっと、向こうはもっと凄いの出すみたいだね。


 でも僕の行動に変わりはないよ。


 さあ、鬼か蛇か、何が出るか、僕はここにきて本気でこの戦いを楽しんでいることに気がついてしまっていた。


 倒れたら、角田さんの背は妹のだから、僕、最悪だと春夏さんに背負ってもらうんだろうか?


 思わず見てしまった春夏さんは、僕のそんな心境を悟ってか、


 「大丈夫、秋くん、任せて」


 って言われる。


 春夏さんに背負って貰う僕を想像しちゃうと、やっぱ今すぐにでも降参しようかなあ、ってちょっと脳裏をよぎってしまう僕なんだ。

 

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