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第117話【例え忌むべき能力だとしても…‥】

 完全に開示された桃井くんの能力ってかスキル。


 なるほどね、そういうことね。


 僕もさすがに引いたからね、だから、きっと僕にも嫌われるって言うか僕だけでなく角田さんや春夏さんにも嫌われて多分パーティーをいられなくなってしまう、って考えたんじゃないかな。


 きっと、桃井くん自体はこの能力の披露ってあんまりしたくなかったんだろうなあ、って僕は彼のそんな感情の込めた一言にそう感じた。でも、今後も僕らと一緒にいるためには、ずっと隠しておくこともできないから、今日、ここで見せてくれたんだろう。


 桃井くんてさ、幼い見た目に時々びっくりするくらいシニカルな時があって、若干年上の僕から見ても大人だなあ、って感じる事が多々あったんだけど、それには理由があって、きっと苦労してるんだなあ、って思った。


 あ、だからか。


 今気がついた、以前から桃井くんはこのスキルを使おうとしていたんだ。


 ほら、桃井くんて中階層に入ってから僕らが倒したモンスターの遺体を見ては、がっかりしていた気がするのは、多分、アンデットだったけ? 大魔法番長が言ってたの、そのアンデットにするには条件が悪かったんだね、体幹か、ああ真っ二つだ、とかね、なろほどって思った。僕自身、彼に能力の事とか聞かなかったし、まあそれは全体的に及ぶんだけど言い出しにくいことってあるから、こっちからもアクセスしないとダメってことだよね、一応、僕、このパーティーのリーダーだからね。やっぱりダンジョンに潜って行くパーティーはみんな仲良くだね。そのためには気がつける人の努力が必要なんだね。


 「普通は忌むべきネクロマンサーという能力者への理解を『クラスはみんなで仲良くしよう』程度の枠に入れてしまえる秋さんの器のデカさってすごいですね、で大魔法番長って誰のことですか?」


 よかった、角田さんも褒めてくれたよ、春夏さんもウンウン頷いてるし、妹は疲れたみたいでぼーっとしてる。


 今日はここまでかなあって思って、未だ釈然としてない桃井くんなので、僕は言う。


 「大丈夫だよ、何がどうなったって、桃井くんは桃井くんだよ」


  言ってから、あれ、なんか変な言い方だよね、って思って、もう一回何かを言おうとしたら、


 「はい、秋様、僕、一生着いて行きます」


 とかい出す。桃井くんの顔が晴れやかな笑顔に戻ってよかったよ。これからはもっと話し合って、ってこの子、僕の陰に入ってなかなかでて来ないんだよなあ。


 それに、一生とかはいいから、なんか重いから、できたら桃井くんは桃井くんの人生を歩んで欲しい。


 「僕、頑張りますよ、秋様を世界の王にするために」


 そう? 今の僕の成績じゃ、中小企業の係長も難しいって言われたよ、決めつけられてるよ2人に、母さんと薫子さんに。僕もそう思うから3人だった。


 ひとまず、今日はここまでにしておこう。


 それなりに身のある1日だった気はするんだよね、妹の事も色々分かったし、わからない所は踏ん切りもついた、妹がそれでいいなら、それでいい。そして、超魔法番長も強かったしね、何より桃井くんがスッキリしてくれてよかったよ、僕も早く慣れるようにするからね、もうちょっと待っててね。そしてここからは確信する。


 もう、クロスクロスの皆さんとはなるべく遭遇しない方向で行こうと、そう誓う。


 ほんと、あの人たちめんどくさい。関わり合いにならないほうが良いって、わずかにあるって言われる僕の本能の微小片がそう告げている。怖い人っていたけど、迷惑な人って初めてだな。


 じゃあ、帰ろうかなって、思ってふと視線を感じて後ろを振り向くと、今まですっかり忘れていた北藤さんが、その細い目を潤ませて、僕の方を見つめていた。


 ああ、まだ1人めんどくさい人残ってたよ。


 この人の目的ってなんなんだろ?


 聞いたら長くなるのかなあ。


 嫌だなあ。


 もう今日は遅いから、大通さん…じゃなかった、石山通さんと話はまた後日って事で良いことにしようよ。

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