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第88話【ゴブリンの生態をありえない現状】

 石山さん、割と的確に戦況を見てた。


 いや、そういうのいいから。


 ってか余計な事言って変に感づかれるのはごめんなんだよね。って顔して睨んでやったらそっぽ向きやがった。ほんと、この人何者なんだろ?


 金色宝箱からこのミノさんが出てきたとして、まだ他にもあるよね、少なくとももう3体、この近くの部屋いるのだろうか?


 クロスクロスの隊長さんはエレベーターの方に逃げた人も含めて点呼を取ってる。人員が数名足りないようだった。


 「2番隊は欠員2名だ、そっちはどうだ?」


 「3番隊には欠員はないようだ」


 「そうか、すまない、手近な室内から当たる」


 「怪我人と戦意喪失したものは、もう地上に帰した方が良いな、幸い頼りになる応援者たちがいてくれる」


 言いながら神島さんは僕らの方を見た。2名くらいの不明者の探索がここでの最後のお願いみたい。良いよ付き合うよ、怪我しているなら放っておけないしさ。金色宝箱を探すついでだし。


 時間を鑑みて、僕らは効率を考えて、3グループに分かれる。

クロスクロス隊長さん達が1組目、ほら桃井くん出ておいで、と角田さんと桃井くんで2組目、そして、3組目が僕と春夏さん妹と石山さんという組み合わせになった。本当は石山さんは僕と絶対に一緒が良いと駄々をこねるものだからそうなった。


 「いや私は秋殿といっしょがいいです、いいのです」


 とうとう僕の本名言っちゃったよ、この人。


 一応、戦力的にそれじゃあ、春夏さんは角田さんと一緒に、って言いかけるんだけど、なんだろう、すごいプレッシャーが来た。


 「ダンジョンの平和のために、春夏様は秋様と一緒がいいですよ」


 って桃井くんが言うのでそうなった。


 「別に良いですよ、この程度な俺とこいつで十分です」


 なんて角田さんも言うもんだから、割とあっさりと決まった。


 で、僕らは小物担当という事で、指定された部屋の前の扉の前にいた。


 こっちは小さいモンスターらしい。


 「じゃあ、開けるよ」


 と進言した後、扉を開けるとそこにあった、おそらく1000を超える瞳が一斉にこちらの方を向いた。おぞましい視線に、想像を絶する光景が広がっていて、僕らは息を飲んだ。


 そこには、クロスクロスの構成員と思われる人が1名、綺麗円を何重にも描いて集まる瞳に囲まれていた。


 それは見たこともない程の数のゴブリンの群れだった。


 「ありえないな、この数は」


 って思わず石山さんも呟いてしまう数だよ。多分、ざっと見に100は超えていると思う。確かにありえない群れだ。


 ほら、僕らってギルドに出入りしてるから聞いたことがあるんだけど、ゴブリンって軽視されがちだけど、意外に手強くて、怖いモンスターなんだってさ。


 まず自分の能力を的確に分析できる知恵を持っているから、負けると思われる相手からは確実に逃げるし、思考が人に近いし、罠とかを利用するモノまでいるって話で、ないのは腕力くらいで、それも帽子の色によって強くなってくるしね、少数のパーティーなら手を出さない方がお利口さんの場合も結構あるって話だ。


 それでも凶悪なモンスターになりえない理由は、ゴブリンって大きな集団になれないと言うのがある。最大でも7匹の群れで、それ以上の徒党を組むと仲間割れが起こるんだって、しかも能力が上がってゆくたびにその群れの数は減って赤い帽子のレッドキャップになるとほとんどが1個体で歩き回るようになるってのがこのダンジョンのゴブリン的な常識なんだけど、この数は異常だ。



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