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第85話【牛マッチョ相手にしっちゃかめっちゃか】

 タンタウロスさん、持っている武器が棍棒みたいな打撃系なので、自分の腰下で雑に振り回している。おかげで、クロスクロスの戦っているみなさんも、なんとか切り掛かっていくんだけど、なんだろうなあ、秩序とか協力とかなくて、バラバラに攻撃するんだけど、適当だから、変な受け方しているのか、みんな概ね剣とか折れてる。


 なんかこの隊長さんを見て、逃げてる人たちと今戦っている人たちの装備を見るとさ、なんかここでガンバっていた人たちの装備って、よく言ってリーズナブル、悪く言って安物って感じが否めない。一応、2つの十字架は入っているみたいなんだけど、もう全然違う。 


 それでも、僕らの見た目ジャージよりはかっこいいけどね。それでも性能的には間違いなく、彼らの装備は僕らのジャージ以下だね、きっと。


 「私、先行する、秋くん、じゃなかった昇仙 峡(しょうせん  きょう)くんはどうする?」


 春夏さんが派手に名前を言い間違ってる。それじゃあ、本州の中部地方の人気観光地になってしまうから、水晶とか取れちゃうから、僕の名前は定山 渓だから。さんずいの方だから。


 「層雲 峡(そううん  きょう)さん、どうします、バックアップしますか?」


 ああ、いいよね層雲峡。どこよりも早く紅葉の見れる温泉街だね。


 「大丈夫、喜茂別(きもべつ)さん、そこで見てて」


 絶対にワザと間違えてる角田さんにそう言って、すでに駆け出している春夏さんの後を追う。


 「手伝うか? 兄?」


 と行きがけに妹が尋ねてくる。そういえば、この妹、イジェクトとか使えたんだっけ、って思い出したけど、今回は良いやって「大丈夫だよ」と言って前を向くと、神嶋さんが、


 「俺も行くぞ、定山 渓くん」


 と言ってくれるけど、ごめん、春夏さんがいるから、邪魔にならないよにしてねって意味で、


 「1,5人で十分ですよ」

 春夏さん1人、僕0,5だよ。彼女が出てしまって先行している以上僕もその程度しか戦えない。というか活躍できない。ほら、もう化生切包丁を抜き放って刃に気持ちを乗せ始めてる。今日も冴え渡ってるなあ、春夏さん。侍の一撃が見れそう。


 そして、再度、もうロースタウルスの方が近いんじゃないかって距離で、思いっきり僕に向いているから、サガリタウルスに背を向けて、もう敵の攻撃も届きそうな距離で石山さんが、


 「一番いい場所にて、お手並み拝見」


 と腕組みしてニヤリと笑って呑気に突っ立っている。近いなあ、そこ僕らの戦闘区域になるよ、剣とか棍棒とかブンブン来るよ。どうなっても知らないぞ。


 なんて思っているうちに、すでに斬り掛かっているよ、春夏さん。オフェンスの鬼だよね。


 「ブオオオオオ!」


 とか、ブサイクな叫び声出してマッチョな腕で巨大な棍棒を振り回す。ああ、他のクロスクロスさんたちが危ないね。僕は奴の視線の前に入って、大げさに大きく回り込んでいかにも届きそうな場所で一度止まる。


 完全にこっち見てる。牛の目がぎょろりと僕を見つめた。牛とか馬とかって、顔の正面に目が付いているわけはないからさ、人の体格って言うか体に牛の頭って相性の悪い組み合わせだよね。面と向かったら確実に正面が死角なるもの。


 もっとも、もう1つの目では春夏さんを追ってるんだろうけど。


 春夏さん、僕のやりたいことわかってくれて、バックステップしてくれる。おお、阿吽の呼吸。


 ミノさん(食肉部位のネタがつきそうなので今後はミノさんに統一します)、僕の方に棍棒を振り回しながらガンガン来る。良い感じで剣で弾いて下がる下がる。ほら、今の内だよ。


 感の良いクロスクロスの人たちはうまく逃げてくれるんだけど、2人くらいが、ミノさんを追って来る。ああ、そこ春夏さんの攻撃軌道内だよ、今、春夏さんの攻撃が3回くらい潰される。間の悪い人たちだなあ。



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