第82話【中階層にエルダーモンスター)】
そんな石山さんの、ギルドの重鎮からの言葉にクロスクロスの2人は、
「そうか、どこかで見たことあると思ったら、それギルドのジャージだね、すまない、失礼した」
その神嶋さんの言葉に納得したようで、脇本さんも、
「本当は、1人でも多く協力者がいるとありがたいんだ、すぐにでも問題の場所に戻っていいだろうか? すぐ出発したい」
多分、それが彼らの本音なんだと思う、
なんか、石山さんの機転でうまく回ってくれた、余計なトラブルもなく強行突破を決めてた僕はちょっとホッとした。何事も円滑の方がいいに決まってる。
すると、石山さんは僕の方を見てにやにやしている。
そして、僕らはとっとと出発した。
本当に切羽詰まっていたみたい。でも、このエレベーターは封鎖して安全を確保しないと行けないしで、下に置いてきた他のメンバーが心配みたいだね、僕らは早速、エレベーターに乗り込んで、下がり始めても尚、2人、クロスクロスの神嶋さんと脇本さんの顔は険しいままだ。
「別に、いちいちエレベーターの停止とか言いに来なくてもよかったんじゃないかな?」
って呟くと、
「ギルドの目的にはダンジョンを円滑に、安全にがありますからね、使えないエレベーターをそのままにはできないでしょう」
角田さんが言ってくれる。そして、追加して、
「この組織は最近、勢力を増してきたとはいえ未だ中規模集団、ギルドの依頼を完全にこなしたいのだ、ここでギルドの信頼を得るために必死なのだよ」
って石山さんが説明してくれた。
ここでよく見ると、この人、鎧とか着てないよね、よく言って道着、作務衣みたいに見える、色は違うけど、オレンジ色の道着ってのもかなり派手だよね。それにこの人武器とか持ってないよ。まさか素手でモンスターとやり合うつもりなのかなあ? この体格だし。
「私の出で立ちが気になるのかね?」
いつの間にかジッと見てしまっていた僕の視線にそんな事を石山さんは訪ねて来た。
「僕の事知ってますよね?」
「ああ、人伝だが、よく知っている」
「どんな風に、どんな事を知っているんですか?」
また、いつもみたいに変な誤解とか行きちがいとあったら嫌だからさ、そういえば僕自分の名前も言ってなかったなあ、って思った。
すると、石山さんは、少し考え込んでから、ニヤリと笑ってこう言った。
「パンツを履いていないと聞いている」
はあ? 何言っているんだこのおっさん。真希さんか、真希さんか? また変なこと言っているのは?
「履いてますよ」
とビシッと言ってやった。
変な誤解というか噂が出ているなあ、って思ってたら、クロスクロスの2人に呼ばれたんで行ってみる。
「一応、ざっと現状を説明しておく」
と彼らの説明と聞くと、あの、妹と初めて出会った場所に例の金色の宝箱が4つ出現。4体のエルダー級のモンスターが中階層地下20階で暴れまわっているそうだ。