表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
328/1335

第81話【謎の男 石山通(国道230号)】

 体もでかいけど顔もでかかった。巨大だよ、クマみたい。短めの髪、スポーツ刈りよりもまだ短い髪に味付け海苔みたいな太い眉毛、笑ってしまうくらい細い目はまるで線みたい、以外に唇は細く、結んだ口はでかい、そして顎は見事に割れている。


 そして、そのごつい手をポンと叩いて、


 「そうだ、私の名前は『石山』だ、うむ、苗字は石山だ、名は『通』でどうだろう?」


 いや、どうだろう? って聞かれても、それ今思いついたでしょ? 石山通だよね?国道230号線だよね? ここ大通公園も10丁目あたりで交差してるよね。


 「そうですか、私は脇本です、よろしくお願いします石山さん」


 「俺は、神嶋です、よろしく石山さん」 


 ええ! 納得しちゃったよ、ってかこの人達地元の人じゃないのかな?


 なんか石山さんもなんかドヤ顔で僕を見てるし、なんだ?これ?


 って言うか、さっきから思うんだけど、この大きな人、僕の事を知っているっぽい感じがして仕方ない。僕はこの石山さんを知らないから、石山さん方一方的に。


 なんか、これって、ツギさんと同じパターンな感じがして、先ほどの契約紙だっけ、あに書かれていた名前が気になった。それと、これ真希さん案件って事?


 でも、今回は頼まれた訳でも、人を紹介してもらう訳でもないから、遠慮させてもらうね。だって、中階層にエルダーに、ギルド関連者に、得体の知れない石山通りと名乗る、どう見ても只者じゃない人だよ、もう嫌な予感しかしないよ。


 じゃあ、僕らは最初の予定通りに帰ろうとしてたんだけど、その時僕の耳に入ってしまったんだ。


 「金色の宝箱が目撃されてから、地下20階にエルダーが溢れ出しました。正直、今の我々の戦力では心もとないとは思っていたのですが、中階層へ向かうもの達に協力は仰げませんから」


 金色の宝箱だと?


 僕は、その言葉を聞いた瞬間に妹を見た。


 予想通り妹は固まっていた。そうだ、この子は、妹はそこに居たんだ。自分自身が誰かも解らない、名前もつけることができないこの妹の手掛かりが、多分、謎の根幹がまた地下20階に出現したんだ。


 「僕も行く!」


 思考も介在しないで、僕は言った。


 その後に、


 「いいよね、予定変更、僕もそこに行きたい」


 と角田さんと春夏さん、そして桃井くん、妹に告げた。


 「兄」


 と不安げに固まって居た妹の表情はパッと明るくなる。


 「是非も無しですね」


 とみんな僕の決定に賛成してくれる。


 しかし、クロスクロスの2名、口を開いたのは、脇本さんの方、


 「危険だ、君、中学一年生くらいでしょ、危ないから」


 と好い顔をしない。神嶋さんの方は、僕らの装備を見て、


 「ジャージじゃなあ……、中階層でも危ないだろ、剣も細いし、今、退治しないといけないのは、深階層クラスのモンスターなんだ、気持ちはありがたいけど」


 なんてな事を言う。


 いいよ、別に誰に断って行くつもりもないから、僕が行くって言ったら行くから。


 ひとまずエレベーターの入り口のテープをかいくぐろうとした時、またあのゴツい手が僕を掴んだ。


 振り切ろうとすると、自称石山通さんは言うんだ。


 「大丈夫だ、このもの達は、段階を経る上での中階層にいる者達で、その実力は、あの『聖剣士・麻生』も認めるほどの実力者だ、私が保障しよう」


 え? 麻生って、あの麻生さん?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ