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第79話【蒼からの誓い、三度まみえる

 僕が多月さんの顔に傷を残したくなかったってのは僕の勝手な思い込みと言うか考えだったみたい。人ってそれぞれだから色々な考え方あるから、一概にこれはこうだって言うことはできないことだね、これも本当、ごめんね。


 そして、多月さんは、支えていた五頭さんから離れて、自立して僕を見つめて、


 「私は、三度あなたの前に立つ、次はきっと…」


 何かを言いかけて、多月さんは、クルッときびすを返してしまう。それに続く五頭さん何だけど、去り際に、


 「真壁 秋、いや、狂王殿、蒼様は未だに迷っておられる、自分の中にある感情が、惧れなのか、口惜しさなのか、それとも……、しばらくお時間を頂きたい、次に見まえる時は必ず」


 そんな事を言って、人の、他のダンジョンウォーカーの中に消えて行った。


 多月さん、五頭さんの2人の姿が完全に消えると、


 「終わりましたか、秋さん」


 そう言ってきたのは角田さんだ。なんか、今のやり取りを他のダンジョンウォーカーの人達に気取られないように、何らかの魔法スキルを使ってたみたい。助かるなあ、それに便利だ。


 気がついたら、春夏さんが心配そうに僕を見ていた。


 「なんか、余計なお世話みたいだったね」


 ってばつが悪そうに笑うと、


 「秋くんは間違ってないよ」


 とか言うんだよね。本当に優しいよね春夏さん。最近、家でもすっかり居心地の悪思いしているから、本当に僕を甘やかしてくれるのって今は彼女くらいのものだよ。本当、家に女3人ってダメだね、本当ダメ。 


 なんて、思いもしないゴタゴタに巻き込まれている間に、ようやく来たよ、中階層地下20階行きのエレベーター。


 一先ず、扉が開くもんだからさ、一番近い場所にいた僕はそのままエレベーターに入ろうとしたらさ、人が出てくるんだよ。エレベーターだからね、その辺は当たり前だよね、乗る人もいれば降りる人もいる。


 でもこのエレベーターの出入り口って大きいからさ、多少人の往来が激しくても、どっかの商業施設の、ほら普通に三越とかさ、丸井とかビックカメラとかのエレベーターの出入り口なんかと違ってデカイんだよ。だから普通に行き来できるはずなんだけど、なんかぶつかってしまった。


 「あ、ごめんなさい」


 って、今日はよく謝る日だなあ、なんて思って避けて進もうとするけど、進めない。て言うか、この人、僕の避ける方に来るよ。


 あれ? って思って、僕はぶつかった人を見た。


 すると、


 「すまない、このエレベーターは、たった今から使用禁止になる、これはギルドから委任を受けた『クロスクロス』の意思であり、ダンジョンの安全を守る為の措置であり、皆の生命、身体を守る措置だと言う事を理解してほしい」


 見上げるその人は、大きな人だった。五頭さんくらいはあるなあ、さっき会ったばっかだし、同じくらい。ただ、ついている顔は結構かっこいいし、着込んでいる鎧、プレートメイルが結構かっこいいと思ってしまった。


 真っ白に金色の縁取り、なんかもう只者じゃない。絶対に深階層の常連だよ、この人。


 そのプレートメイルの肩にこの人の所属するグループのものだろうか、十字架が2つのリレーフについているのもかっこいい。


 その人に僕は肩を持たれてそれ以上進めないって格好なんだけどさ、そのまま武器とか何持ってるんだろ、って思って覗き込んでしまう僕だよ、腰の長剣と、背中の両手持の戦斧って言うのかな、いいよね、憧れるよね、重量級の斬撃武器。僕、剣しか扱えないからなあ、正直羨ましい


 「悪いね、中階層の20階が少しまずい事になっているんだ、今日は諦めてくれ」


 と言われる。


 続いて、同じの白のプレートメイルに身を包んだ、今度は女の人が出てくる。


 「神嶋君、早く入り口を封鎖しないと」


 「ああ、急ぐか」


 と2人は、そのまま地下20階行きのエレベーター入り口に立ち入り禁止のテープを貼っていた。なんか事件現場みたいになって物々しい雰囲気になった。


 魔法アイテムと言う訳でもなく、普通の黄色と黒のテープみたい。


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