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第70話【ミスマッチするダンジョン】

時の僕には、この事実の大きさを実感することなんてできなかった訳なんだけど、たぶん、この小学生に見える女の子の言う話はきっと本当なのだろうと、それだけはわかっていた。


 だってあの時、まるで少女が自分の中のに取り入れるみたいに消えて言ったモンスターを目の当たりにして見ていたから疑うなんて今更できないよ。


 そして、そのキングベヒモスの強さと言うか存在というものの大きわもわかってなかった。


 もちろん、その時のパーティーの強さもちょっと卑怯だった気がするしね、あの時のメンバーて僕を含めて春夏さん、そして驚かされたのが喜耒さん、彼女は防御的な前衛だったんだね、ほとんど鉄壁って感じだった。


 その3名の盾役の戦闘スキルは高いし、遠距離も中距離も、魔法と弓で余すとこなくだしね、ほぼオールレンジで攻撃が可能で、あの戦力外って自分から言っていたツギさんも、罠とかマジックアイテムのバラマキ方、位置取りとかタイミングも支援関係はばっちりだったしね、本当に負ける要素がなかった。相対的に考えるから、それほど強い敵とは考えられなかったんだよ。


 勝つか負けるかじゃなくて、勝利が前提とされている仕事を消化している気分に近いものがあった。


 ほら、どんなに難解な授業でも時間が来ると終わるじゃない、そんな感じ。


 ちなみに後から角田さんに聞いた話なんだけど、ベヒモスは深階層では普通に出るモンスターで、通常は一体のみの出現の徒党を組まない『俺様』なモンスターで、他のモンスターと一緒に出ることはないんだって、もちろんそのたった一匹が脅威なモンスターな訳で、攻撃力、攻撃速度と耐朽性は全モンスターの中でもトップクラスで深階層でも中堅のダンジョンウォーカーなら、6人以下のパーティーだったら逃げろ、ってのが定石で、まともにカチ合うのはほとんど無謀って言われる。


 そして、このベヒモス種ってエルダーが確認されていなくて、ダンジョン内で現存する最上位種がこのキングを冠した通常のベヒモスよりも大きな体と能力を持つやつらしい。エルダーって言ったら普通は賢いのが多いから、このベヒモスはキングになってもイノシシや牛くらいの頭脳しかなくて、まんま獣の発想で攻撃してくるって話だから、敵対の意思を見せなきゃ、逃げるのも容易いらしいよ。野生生物なら縄張り意識もあるんだろうけど、基本、ここダンジョンだから、そういうのはないって話。


 ただ、ドロップするのが結構な希少アイテムが多くて、特に武器とかを出してくるらしい、一時期、というか今でも黒の猟団の人達を初めとして、割と手練れのダンジョンウォーカーが専門に狙う人もいるんだってさ。


 そんな大きく強大なモンスターを食べてしまう少女。


 そこまでで、真希さんは、


 「わかったよ、もういいべ、それは事実だべ」


 と言った。


 うん、信じてくれるのは嬉しいけど、でも、今の僕の話は僕自身が第三者として聞いているなら、全く信じられないと思う。悪いけど、僕と真希さんの信頼関係(一応はあると僕は信じている)があったにしてもあまりにありえない状況だろうなあ。


 そういう顔を僕はしていたんだと思う。


 だから真希さんは、そんな僕の顔を見てニヤリとして、


 「アッキー、ここは北海道ダンジョンだよ、何があってもいいんだ、わたしらは全部を知っているわけでないってことを知っているべさ」


 このダンジョンが生まれてから、どんどん新しい事実が記録されている。


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