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第67話【金色宝箱に入っていたモノ】

 僕の横には春夏さんが座っていて、その僕らの座る3人掛けのソファの後ろに今回の僕ら探索の目的の人物、ツギさんがいる。


 その話を一通り聞き終えて、真希さんは難しいなあ、って顔して言うんだよ。


 「つまり、あれかい、以前から狙っていた可愛子ちゃんに手を出そうとダンジョンに連れ込んだらら、良い所で本妻が駆けつけて、修羅場になったって話だべか?」


 違う、全然違う。


 「アッキー、人を頼ってくれるのは良いんだけど、そう言う話なら、私でなくて、弁護士にでも相談してもらわないと、だべさ」


 違うよ。全然違うから。


 「それにしてもアッキー、うちの薫子ちゃんまでに手を出すなんて、さすがにそれは節操なさすぎでないかい? そこの黒の猟団ちゃんもそう思うべさ」


 と、いきなり話を振られた椎名さんは、「え? え??」と困った顔をして、挙動不審な動きをする。


 「あっちは良いから、こっちに集中して、工藤、邪魔はやめてくれ、今、割と重要な事を話ている」


 今、椎名さんはこっちとは別件で、組織の事について麻生さんと真面目なやり取りをしている最中だもの。


 変なタイミングで真希さんが話しかけるものだから、話の腰を折られたみたいになってる麻生さんも、ご立腹だよ。割と離れた距離にいるのは茶々入れてくるのがわかっていたみたいな形だよね、完全に。


 麻生さんと椎名さんはデスクに椎名さん分の椅子を用意して、対応していた。本当にあっちは深刻そう、でもこっちもそれなりに深刻なんだけどな。それをおもちゃにして楽しむ真希さんだよ。ニヤニヤしっぱなし。


 「ほんと、春夏ちゃんも大変だね」


 なんて、椎名さん達に相手にしてもらえない真希さんは相手を春夏さんに振り返るも春夏さんは春夏さんで何を思ったのか押し黙っている。


 「大加減に先へ進まないか、マギ、話が終わらねえ」


 と、ついにしびれを切らしたツギさんが、口を挟む。


 「したっけ、この辺ではっきりさせた方がいい問題があると思ってさ、なあ、春夏ちゃん?」


 「大丈夫です、問題ないです」


 と春夏さんが言ってくれた。


 ほんと、その通りだよ、何も問題ないよ、仮にあったとしても真希さんになんて頼らないからね、絶対に。


 「じゃあ、本題に入ろうか」


 と真希さんはキチンと前置きをしてから、話しかける。


 「君は誰かな?」


 そう尋ねるのは、以前、僕らをイジェクトで飛ばして、そして今日、僕らの所に、静かししろと怒鳴り込んで来た少女だ。


 あの時、中階層の地下23階では色々あった。


 今はこうしているけど、割と大変だった。


 あの宝箱、ここにいるツギさんが開いたんだけど、中から出て来たのは、アイテム的な物ではなくて、モンスターだった。


 なんかとても強くて雄大な奴だった。


 僕の印象としては、『やたらと大きなシロサイ』って印象だったんだけど、春夏さんに言わせると、『恐竜』だそうだ。爬虫類の印象もあるね、でもどこか獣の雰囲気がしていたからなあ、4足だったし、4足恐竜って草食なのが多いけど、あれ、どう見ても肉食系の獰猛な奴って感じだったし、あの突進力を見て、喜耒さんは、『大きめの猛牛』っていってたし、ツノがあったし、確かに闘牛ぽい雰囲気もあった。


 そんな化け物が、あの長細い多分底辺の一片が1mにも満たない箱の中から出て来たんだ。


 多分、モンスターの大きさは、その辺を走ってる大型のトラックなんかよりも遥かに大きかった。それが、あの小さな金色背高ノッポの宝箱から出て来たんだ。


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