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第59話【春夏さんと一緒】

 なんかソワソワもしてるんだ、椎名さん。


 それに、何かよそよそしいしい、と言っても、まだ合計2回しかあってないし、初対面も、そして今回の出会いも、あまりいい出会いじゃなかったからまあこんなものなんだろうか。


 とチラッと横目で椎名さんを見ると彼女はさっきまで僕に向かって話していたはずだから、間違いなく僕を見ていたはずなのに、急に目をそらすような仕草を取る。


 「察しろ、真壁秋、あまり彼女を追い詰めるな」


 とすぐ横いる喜耒さんに、なんとなく注意を受けてしまう。


 いやあ、追い詰めてはいないんだけどなあ、何のことなのかサッパリだけど、まあそう言うんならと、前を向く僕だ。


 今の陣形はさきほどのV字からYみたいな形になっていて、僕と喜耒さん、少し離れて後ろに椎名さん、そして最後に葉山さんと言う並びになっている。


 そんな緩やかな隊が短縮されて1つまとまりになる。目的地に到着したんだ。


 扉の前で、


 「ここで最後だな」


 とう言う喜耒さんに、


 「人の気配がするねわね」


 と言う葉山さん。さっきも思ったけど、そう言うのがわかるスキルなんだおろうか、先ほどとは打って変わって物音なんてしないんだけど、わかるんだな。


 「協力します、魔法スキルのために後方に下がります」


 と僕らの後ろに回って臨戦態勢を整える椎名さんだった。心強いな、さっきまでの事を考えると、ちょっと心配かな、顔の方、頬もまだちょっと赤いし、体の怪我とかの方は大丈夫そうだけど、精神的に何かちょっと落ち着かない様子だ、ちょっと息も荒いしね、さっきも葉山さんに、大丈夫って声をかけられていたけど、「何かしていた方が気が紛れるから」って言っていた。


 本人がそう言うならいいかって、ここに来て思うのだけど、冒険者って精神的に強い人が多い気がする、精神が太いと言うか、僕だったら間違いなく帰ってるよ。


 もちろん1人で返すわけにも行かないかなって思ってたから、これはこれで安全なのかもって結果論で思う僕だったりする、もう刺客は現れないだろうけど、さっきみたいなナンパの件もあるし、椎名さん本人は否定しているんだけど、ちょっと体調もすぐれないみたいだし、何があるかわからないからね、それにこうして纏まって歩いている方が確かい安全だ。


 それに、本調子じゃないみたいだけど、確か彼女、雷鳴の椎名って字名がつくくらいの魔法スキルの持ち主が参戦してくれるのはありがたい限りだよ。なんか後方に魔法スキルの援護とかあると、グッと戦略の幅が広がるっているか、相手に対して出来る事が多くなるよね。ここからは指揮官の腕の見せ所だよね、葉山さん。なんてな事を考えていると、


 「じゃあ、次はどうするの」


 って、聞いてくる葉山さんだよ。


 今さ、丁度僕らは今回調べる最後の部屋の前までmに着いたんだけど、一回陣形を崩して団子になって相談を開始する形になったのでそう尋ねてくる葉山さんだよ。


 「え? そこは葉山さんがいい作戦とか練ってくれた方がいいよ」


 と僕は押し付けられた指揮官の立場を早々に辞退する。


 「真壁くん、王様でしょ、それに強いし、いつもはリーダーやってるんでしょ?」


 まあ、そうだけど。


 「真壁君の指揮下に入って見たいわ、ちょっとお願い」


 ブレない引かない迷わない、って目だよ葉山さん。


 「それに、王様スキルを持った人の指揮下だと発動するスキルもあるんでしょ、体験したいわ」


 「そうだな、私もそれは言える」


 と喜耒さんまで話に乗って来たよ。それなら喜耒さんでもいいじゃんって思うけど、こんなところで言い合っても仕方ないので、ここは謹んでその任を拝領することにする。


 「中の様子とかはわからないよね?」


 「そうだね、さっきみたいに扉は開いていないし、ここは通常通りだよ、入らないとダメみたい」


 扉を開けてからが勝負かあ。いつも通りだね。


 「じゃあ、僕が先頭で入って、ヒューって行くから、その後、喜耒さんがガンっと行って、付かず離れずな感じだったら、椎名さんがピカって感じで、葉山さんはマルッと見渡して空気読んでヒュンっとフォローをお願い、じゃあ行くよ」


 僕は扉に手を掛けて、早速室内に入ろうとした。


 「ごめん、何を言っているのかわからない」


 僕の後に着いてくれた女の子たちは口を揃えてそう言った。

 ああ、そうか、ちょっと君達にはレベルが高すぎたかな、この前もそんな事あった。春夏さんとか角田さんならバッチリなんだけどなあ。


 ひとまず笑顔で、もういいや、行っちゃえと思った僕はそのまま僕は扉を開こうとすると、今度は僕の手を掴んで止められる。 


 「ちゃんと説明して、きちんと作戦を立案しなさい」


 と、普通に叱られてしまう。


 やっぱ委員長だよ、葉山さん。


 春夏さんとか来てくれないかなあ。そんな都合のいいことあるわけないか、って思っていると、


 「呼んだ? 秋くん」


 と一瞬、場の空気が静止した。


 春夏さんが現れた。


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