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第48話【殺すのダメだし死ぬのも違う気がする】

に振り下ろされた、ウエルカムアタックは2枚。


 ウエルカムアタックって、敵の先制攻撃ね、ほら、よくパーティー会場なんかで、入口で配られるドリンク、ウエルカムドリンクっていうらしいよね、あれのダンジョン版、扉を開けた瞬間を狙う攻撃。


 見張りの人は2人いたみたい。ずいぶん用心深い。見落としなんかのポカしないようになのか、それとも無防備に入って来る人間を確実に仕留める為なのか? ひとまず、一枚めを受けつつ、感じたのは後者の方だね。僕に向かって振り下ろす刃に加減が無いもの、乗っているのは本物の殺意だ。


 気持ちは乗っているかもしれないかもだけど、行動がそれに伴って無いね。


 連携がまるで取れていない。


 僕に向かって襲いかかる2つの刃は、僕の一振りの切り上げで簡単に吹き飛ぶ。


 大きく体制を崩して後ろに下がる暴行者達、あとは任せた喜耒さん。


 僕はその隙に乗じて、室内の中心に走る。


 本当にやばいのはこの扉の見張りじゃなくて、中心、そこには嫌な感じの思念が渦巻いている。


 中には4人。


 部屋のほぼ中心に、1対3の組み合わせで異なる意思と行動をする者達がいる。


 簡単に言うと、1人が3人にリンチ?みたいな形で一方的に嬲られている?


 いや、抵抗してないな、諦めてるのかな? 


 あ、『請負頭』が出現している。


 1人の方は魔法スキルな人みたいだね、女の子だ。


 そして、その子を取り巻く敵側の人間は、人って形ではない。あれ、以前見たとこがある。『黒い渦』、角田さん曰く、魔法によって守備力が相当強化された人間を無添加の人間が視覚的に捉えた姿。と言う奴だね。うん、初見じゃない。2度めだ。


 その黒い渦は、僕が派手に入って来たので、こちらに意識が向いたようだ。


 1つがこちらに来る。


 2つは、そのまま、恐らくは僕が入る以前から行っていた行動を続行するような形を取る。


 ひざま付かされた女ん子が首をうなだれて両手を固定されている。多分、あの渦の人に手を掴まれているんだな、優先順位が決まった。


 こちらに近づいて来るなら無視だ。


 魔法スキルで守られているからね、油断しまくりだよ、この人たち。


 確かに攻撃は当たりづらいかもだけど、それだけなんだよね。


 結局はこちらを攻撃するには何らかの方法で接触してこないと、だからさ、こちらに来た渦の人の攻撃に僕の刃を合わせる。1撃、2撃。3撃、あ、隙間から小さい武器で、3,5撃ぐらいの来た、でさかさずに4撃目、軽く中途半端な感じ、焦りだね。これを大きく取り込んで弾く。渦がずれて、人がその姿を表した。


 防御強化を維持できなくなったみたい。


 やっぱりさ、こう言う反則的な一時的なドーピング魔法って、地道でコツコツやる努力には叶わないんだよ。


 一応トドメを、と思うと僕の足の間から、狙いすました矢が飛んで来る。


 低く走る矢は、出現されたもと渦の人の足と、腿のあたりに刺さる。


 ナイス。完全に行動を封じた。そこで矢の刺さった痛みに耐えることしかできなくなったね。流石だよ、葉山さん。


 とか言っている間に、喜耒さんが見張りの男達を倒す。


 僕はそのまま速度を殺さずに、部屋の中心に急いだ。


 個体された、女の子の首に今正に、刃が振り下ろされようとしている。


 斬首刑。


 彼らが、その女子にやっているのは正にそれだ。


 多分、首を跳ねられ即死になっても、ギルドのカズちゃん事、最強のヒーラーである保健室の主に頼めば蘇生は可能だろう。


 でも、僕は思う。


 死なないのは死ぬよりいい気がする。


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