表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
281/1335

第39話【委員長(葉山さん)と一緒①】

 どこか必死に僕ではなくて葉山さんに言い訳してるみたいは喜耒さんだよ。


 やっぱり学校で会うのって初めてで、だから、印象とか違っていて、あの時、ラミアさんの時に出会った時よりも、どこか柔らかくて、あのトゲトゲの感じがないなあ、なんて思って見てた。


 で、その喜耒さんが自分の事を弱い弱いって言うんだけど、弱くはないと思う、ちょっと隙が多くて油断しやすく、剣の扱いが、剣の性能に頼って雑になっている感じはするけど、多分、『強者』って括りの中にいて良い人だと思う。深階層のモンスターはまだ情報としてしか知らないけど、多分、喜耒さんの戦い方で十分通じると思う。


 だから、多分、彼女、喜耒さんが言う僕の強い部分って、かなり特殊なところを指していると思う。ってか注視してしまったんだと思う。人の癖とか隙とかをイヤラしくに突きまくる剣とか言われているからね、『いやらしい剣』とか『エッチい剣』とか『エロい剣』って言われた時はさすがに傷ついたけど、いや、今もなんかトラウマになってる。


 ほら、僕、多分対人戦闘に特化してるみたいだから、その辺は仕方ないんだけどね、母があんなだし、モンスターとかに初見だと対応できないこともしばしあるし、その辺の斑毛は仕方ないよね、未だに戦闘は春夏さん頼りだしね、助けまくられているしね。第一、僕は未だに母に勝てないんだよ。そんな僕が強い筈ないじゃん。


 つまり、結論から言うと、まあ、なんだ、たまたまだよ、気にしない気にしない。


 そう言おうと思う僕だけど、その前に、喜耒さんが、


 「それにしても、葉山はやけに真壁秋の肩を持つな」


 って、先ほどの深い後悔なモードだった喜耒さんは、一転してちょっと明るい表情になって葉山さんに向かってそんな事を言って、続けて、


 「私の気のせいだったら謝るが、葉山は誰と意識を共にするタイプじゃないと思っていた、誰にでも平均的というか、浅いところで広く当たるというか、言い方は悪いが、他人に関して無関心な、そういう人間だと思っていた」


 ええ? そんな事ないよ、葉山さんは優しい人だよ。


 「うん、そうだね、でも真壁くんは違うかな」


 ええ? 葉山さん本人があっさり肯定したぞ、しかも僕は違うって言われても、僕は葉山さんの事を学校のごく限られた場所でしか知らないしなあ、葉山さんと喜耒さんって、スカウト組の同期って言っていたから、喜耒さんが知る僕の知らない葉山さんを垣間見た気がした。


 「珍しい、何度もギルトに誘っても、1人がいいって話も聞かなかった奴が、よくも知らない真壁秋の肩を持つんだから、学校でしか会ってないだろ、葉山は」


 「そうなんだよね、最初はね、のほほんと気楽にダンジョン楽しんでるなあ、とか、可笑しな所で躓いてるよなあとか、東雲さんをパーティーに加えたんだ、とか、色々思うところはあったのよ」


 え? そうなの? なんか葉山さんって僕に対して特別な感情が・・・


 「中階層に入ってからは、辺なことに巻き込まれなきゃいいな、とか、ほら、真壁くんて誰にでもノコノコついて行っちゃいそうでしょ、だからちょっと心配はしていたんだよね」


 保護欲でした。まあ、そんなもんだよね。


 「確かにな」


 と喜耒さんは笑って、肯定する。いや、別に否定はしないけど、なんか言われ方が気にかかる。僕は幼児か児童か?


 「でさ、さっき帰ろうと思ったら、正面玄関の掲示板の所で、ギルドの幹部さんに難癖つけられて、今は無理やりダンジョンの中に攫われそうになっていたから助けたって訳、最近の喜耒さんって自暴自棄になっているとか、いい噂聞かないから、これは真壁くんの貞操の危機かもって思ったんだよ」


 「何を言う!」


 って葉山さんに怒ってから、僕に向かって、


 「違うぞ、真壁秋、私にそんなつもりは毛ほどもない、本当だ信じてくれ」


 いや、分かってるから、最後の方は完全に喜耒さんをからかって言っているよ、葉山さん、ほら笑ってるもの。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ