表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
280/1335

第38話【ギルドの姫様(喜来さん)と一緒③】

 だって、この前の、ラミアさんの一件以来、会うのって2度目だよ、確かに同級生でクラスは近いかもだけど、全く接点もなかったし、あれから何度もギルドに行く機会はあったけど、喜耒さんとはいつも不在だったから、会ってなかった。


 それに僕の記憶が正しければ、僕、相当この喜耒さんに恨まれていた筈なような……。


 「まあ、そう言うこともあるさ、それに、工藤さんから、『気にかけてやってくれ』って言われてるからな、私も今日はフリーだしな」


 多分、喜耒さんの言うことは嘘ではないと思う、でも、なんか彼女の目的と言うかそこで何をしたいのか全く見えない。少なくとも僕たちはそんなに簡単に信頼できる程の仲良しではない。僕はそうでもないんだけど、喜耒さんから僕にって話。信用とか信頼とかは特にね。


 しかし、食ってかかって言ったのは疑心暗鬼の僕ではなくて、後から現れた葉山さんだった。


 「本当かしら?」


 「心外だな、私は真壁秋に協力できればと言っているんだ」


 「ふーん」と葉山さんは言ってから、僕が今まで見たこともない葉山さんの顔で、僕から見ても深く疑っていて、心象的には不快な表情に見えるんだけど、そんな顔を向けてさらに言葉を続けた。


 「ギルドが休みの日にもダンジョンに潜るって、あの噂は本当だったんだ」


 と葉山さん、その葉山さんに、


 「噂? とはなんだ?」


 「ほら、『浅階層の悪鬼』だったっけ、噂の『狂王』、奴を殺してやるって言ってたみたいだから、付け狙ってるんだ」


 って葉山さん、そのものズバリを口に出して喜耒さんに訪ねた。


 そうか、浅階層の悪鬼が狂王ってところまでは繋がった噂になってるんだね。と、本人が納得してみる。


 「殺すって、誰が? 私が?」


 「だから、その狂王とかを殺そうとしているって、そう言うことでしょう」


 「違う違う、そうじゃない、あれは自身に向けた言葉と殺意だ、決して自分以外の他の人間に向けた言葉じゃない」


 とても慌てて僕の顔をまっすぐ見てそう言う喜耒さんだ。


 「本当かしら? そんなこと言って、真壁くんとかを巻き込んだりしたら、私は許さないから」


 「本当だ、真壁秋には感謝している、確かにあの時は自身の中で消化しきれない感情もあった、だが、今は違う、だから信じてくれ」


 「どうして、狂王さんの件で真壁くんに感謝するのよ?」


 まあ、関連というか、その人物を正確に把握しないとこの辺はわからないよね、ってか

感謝されるってこと自体、張本人である僕もよくわからない。


 「本当だ、あの時、過去の自分を殺してやりたいほどの狼狽ぶりだったんだ、その辺を含めて、過去を消してしまいたいと思った、でも、折り合いがついたんだ、私は弱い、深階層まで行った私は浅階層でそう思い知らされたのだ」


 「え? 喜耒さん、強いよ、ギルドの幹部だし、1日で深階層まで行ったスカウト組でもトップクラスの能力の持ち主でしょ」


 葉山さんのそんな言葉に、喜耒さんはじっと僕の顔を見て、深いため息をついてからこう言った。


 「いや、弱い、あれが強いというなら私はまごうことなく弱者だ。身を置く次元が、全く異なっていた、あの浅階層の戦いの直後、目の良い後輩に散々説明された時には全く理解できなかったが、最近、良い師に出会って漸く私はその頂きの高さを垣間見たきがするんだ」


 それは大げさかなあ、あの時は正直ギルド自体を敵に回したくなかったし、そのために誰かを怪我させる訳に行かなかったし、基本、ギルドの人ってみんな良い人だからさ、当時はラミアさんの事で必死だったから仕方ないけど、でも今は話せば分かってくれるって思っている。


 僕はギルドではないけど、の場所にいたいないにかかわらず、ギルドの人って、やっぱり信頼できるって、思ってる僕なんだよ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ