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第37話【ギルドの姫様(喜来さん)と一緒②】

 安心して、僕は新メンバーの募集要項に見合う人物が表記してある記事を探していると、


 「なんだ、真壁秋、新たなメンバーを探しているのか?」


 という声がかかる。


 「うん、まあ」


 と誰かも確認しないで、適当な相槌を打っていると、その人物は言う。


 「戦闘能力的にはこの上ないメンバーだろう? さらにこの上を目指すのか?」


 「うん、戦うのはいいんだけど、僕らのメンツじゃ、誰も宝箱を開けられないからさ」


 「その辺は、『外注』に出すと、工藤(真希)さんかと話はついていたはずでは?」


 「それが、来ないんだよね、その外注さんが」


 「では、今からダンジョンに行くのか?」


 「いや、今日はみんな都合が悪いらしいんだ、どうしようかなっとは思ってるんだけどね」


 そこまで話して、誰だよ、って思って僕の横を見ると、そこにいたのは、あの喜耒さんだった。


 「うお?」


 とか変な声が出ちゃったよ。


 「なんだ、どうした真壁秋」


 とあくまで冷静に、普通に考え込むような動作で、じっと正面にある掲示物を見つめて、 


 「なんで、喜耒さんがここに?」


 「なんでって、同級生だろ」


 あ、ああ、そうでした、納得しつつ、普通に僕の横に立つ喜耒さん、まあ、最初の出会いが出会いだったからだと思うけど、それでもどこか角が取れたというか刺が抜けた感じで、普通のスラリ系の美人さんに見えるよ。


 「やはり、学校で声をかけて正解だったようだな……」


 なんて言うから、なんの話だろう?って思う僕だけど、喜耒さんってちょっとフランクに話かけられない風格っての? そんな雰囲気はあるよね。

 

 あの浅階層の出来事、ラミアさんの事件で知り合った、ギルドの幹部の1人、喜耒薫子さん。僕としてはダンジョンで出会ったギルドの人って心象しかないから、学校で普通に会うってのが、とても新鮮。確かにうちの学校の制服着てるし、まごうことなく同級生だよ。


 「あれ? 珍しいね、2人が一緒にいるなんて」


 とさらに声をかけて着たのは、僕のクラスの委員長さんで、こちらもダンジョンウォーカーの葉山静流さんだった。


 「ああ、葉山か」


 「ダンジョンお疲れ、喜耒さん、真壁君、どうしたの2人とも?」


 「葉山、最近、『鍵師』を見てはいないか?」


 少し考えて、葉山さんは、


 「うーん、見てないなあ、最近、宝箱はご無沙汰な歩き方してたから」


 「話は?」 


 「聞いてない、そういえば深階層の方じゃ噂も入って来ないね」


 ん? 鍵師って? 初めて耳にする呼称だ、気になったので聞いて見ると。


 「久能次男の別の呼び名だ、概ね深いところのに入っているダンジョンウォーカーなら、この呼び名の方が通る」


 と喜耒さんが答えてくれる。


 「例の『金色宝箱』が現れるようになってからは中階層の真ん中くらいをうろうろしているって話じゃなかっったかしら、でも、これはだいぶ前の話だよ」


 委員長のそんな情報に、


 「そうか、ありがとう」


 と喜耒さんが答えてから、


 「じゃあ、行こうか真壁秋」


 と僕の肩をポンと叩いてそう言った。


 え? 行くってどこへ?


 「探しに行こうと言ってる、今日はいつものパーティーメンバーがいないのだろう? 私が付き合ってやると言っているんだ」


 と、不敵な笑顔でそう言われる。


 「あれ? あれれ? 喜耒さんと真壁くんて、そう言う関係だったっけ?」


 と葉山さんが、本当に驚いた顔をして言う、と言うより言い放つ。


 「そう言う関係とはどう言う関係だ?」


 「つまり、一緒にダンジョンに潜れるくらいの仲」


 喜耒さんの僕への提案は、葉山さんにとっても全く想定外の内容だったみたいで、未だに心底驚いている。


 だよね。


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