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閑話休題3−21【喜耒薫子、セクハラを受ける?】

 今にも羨ましい嫉妬から来る、謎の体温上昇にめまいのする雪華であるが、


 「いえ、決してそのような…」


 というはっきりとした薫子の否定に胸をなで下ろす。


 すると、今度は、


 「わかった、セクハラだね、セクハラされているべ」


 と真希が、本当に、心底嬉しそうに薫子に質問する。


 「違います、そんなことはないです」


 今度もキッパリと否定する薫子だ。


 「じゃあ、何さ?」


 「いえ、いいです、特に何も問題はないので」


 「いいから言うべ、何があった?」


 「これは、真壁秋本人のプライベートな問題でもあります、言えません」


 とキッパリだ。


 「じゃあいいよ、アッキー本人を吊し上げるべ」


 と恐ろしい事を言い出す真希であるが、本当にやりかねないから困る。


 仕方なく、ため息と共にポツポツと薫子は話出す。


 「あの、お風呂とかですね…」


 「やっぱり覗かれたのかい?」


 「違います、私が覗かれたのではなくてですね」


 「まさか!ルー子の方が行ったってか?!!!」


 「違います! 真壁秋がお風呂上がりとかに、裸で家の中をウロウロするんです、今日花様に言わせると、本人曰く各部位の自然乾燥だと言う話です」


 薫子は真っ赤な顔をして、その時の遭遇の衝撃を語った。


 真希は大爆笑である。


 「バスタオルで体を拭くのが苦手だそうで、また、湿った体で服を着るのは生理的に嫌だと言う話らしく、家では概ねそのような行動を取るので、私を意識していない真壁秋とのそのような遭遇になります」


 真希は腹を抱えての、まさに抱腹絶倒と言う形になって、のたうち回る。


 「逆ラッキースケベってやつだべ」


 「ラッキーなものですか! 朝にシャワーを浴びる時があるので、油断すると朝からですよ!」


 意外な事で晒されて真壁秋のプライベートにそこにいた一同は唖然としてしまう。真希は相変わらず大爆笑だ。


 「ほんと、あいつ、真っ裸な王様だったな、でルー子、どうだった?」


 「何がですか?」


 「ほら、だって、全裸見たんだべ? アッキーの?」


 「は?」


 急に囁くように真希は尋ねる。と言っても周りには丸聞こえである。特に雪華は今にも耳がダンボ(耳が大きくなりそうな比喩表現)になりそうな勢いで聞き耳を立てているハシタなさである。


 「生えてたか?」


 「何がですか?」


 「決まってるべ、毛だべ」


 「知らないですよ、後ろ姿しか見た事ないですから」


 「なんだべ、ケツだけかよ」


 「それでも、私にとっては大問題なんです」


 確かに、なんの覚悟も無しにいきなり同級生男子の生尻が現れたとしたら、同級生女子の心境としては察して有り余るものがある。


 しかし、実際のところ、確かに薫子の修羅場ではあるものの、その実、いつのまにか全裸を目撃され、本来であれば、自分の家の中で全裸でいると言う、その程度の生活の様相を暴露されている真壁秋の修羅場なのかもしれない。


 そして、ここにもう一人、修羅場っている人物がいた。


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