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第21話【ドキドキドキドキ、男の子だもん】

 本当にヤバイ。


 ドキドキし過ぎて心臓が飛び出しそう。


 もうさ、真希さんのボブな硬くも柔らかい髪の毛が僕の頬と首筋に触れる。


 ドギマギする僕の顔を、後ろからじっくりと覗き込む真希さんは、


 「アッキー、なに? そこまでドキドキなら、喜んでくれるなら、したら、いっそ付き合うべか? わたしアッキーの彼女になるべか?」


 って言って来るから驚く。本当にドキッとする。


 もちろん、完全にからかってるのはわかるよ、悲しけどね、本当に、その顔がニマニマってしてて楽しそうだからさ。くそう、男子の純情を弄びやがって、冗談でもそんな事言われてありがとうだよ。感謝の極みだよ。


 すると、どこかで、カラン! って何かが倒れる音がする。


 見るとちょっと離れたところでした春夏さんが、こっちみて、木刀を落として、ワナワナしている。


 どうしたんだろ? 春夏さん、スライムのシミ、床を突く時に、手首でも捻ったかな?


 なんて心配してる僕の横の顔を観察する目、だから真希さんね、もう、頬とかくっついてるよ、顔が近いんじゃなくて、目玉が近い。完全に仲良しさんだよ。


 その真希さんが、春夏さんをまるで観察する様にジッと見て、


 「あらら……」


 って呟いてから、


 「おーい! 春夏ちゃん!」


 ってしっかり呼んでから、こっちを認識させて「ほれ」って言って、さらに僕に密着するんだ。本当にギュウウウウウ!!!!って、感じで、いつの間に僕に『おんぶ』するカッコになって、足まで僕の胴体に絡めて来る。


 さすがに苦しいから、息できないから身動き取れなくなっちゃうから息できないから!


 そして、離れた場所では、そんな姿の僕と真希さんをみて、ひたすら慌ててる春夏さん。


 文字通り右往左往してる、挙動不審になってる。なにか言ってるけど、ここまで声も聞こえない。


 そして、僕と完全密着してる真希さんは、


 「しっかり、予定調和、関係が面白い方向へ向かってるべさ、面白いべさ、これしばらく楽しめそうな事案か? 願ったり叶ったりだべさ」


 って特に誰に言うわけでもなく、呟くように言ってから、僕をじっと見つめて、


 「まあ、あれの『身』の感情がアレなら仕方ないべ」


 ってどこか諦めてた様に呟いて、


 「ほれ、アッキー、スライム倒すべさ」


 って言って、僕の背中に乗って暴れ出す。もう、上下左右に揺れ出す。


 でも、まあ、真希さん軽いから、僕の背中に全体重をかけても大したことないんだけどね。


 体を押し付けられたところで、真希さん、スリムで胸とかないし、特に意識するのは顔が近いってくらいかな?


 「誰が首の下がすぐ腹ってどういう意味だべ?!」


 いや、それだと『胸部』のない人になっちゃうから、意味が違うから。


 なんて思ってると、


 「あー、秋さん、気をつけてください、そいつ、エイシェントドラゴンくらいなら、絞め殺しますよ」


 とか言い出す。


 やめてよ、締められてないけど、そんな事言われたら、僕に接してる真希さんの腕とか指とかやたらと硬いなあって、気のせいか息苦しくなって来てるよ。さっきまで美少女に密着されてうれしいなって、そう思ってお得感もあったのに、そんな事言われたら、今、僕の背中に張り付いてるのは悪魔なゴリラに思えてくるから不思議だ。


 以外に胸も堅いかも、なんて思ったら、ギロリとにらむその眼光は、まさしく強者のモノだったよ。


 そっか、気を付けないと……。


 どこに警戒していいかわからないけど、ともかくなにはともあれ用心、用心。



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