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第22話【罠解除、開く腕前は規格外?】

 罠があるのは角田さんに確認してもらっている。その角田さんもツギさんのそんな一連の動作を見ながら、『すげえ」と一言で息を飲んでた。角田さんが認めるってことはダンジョン内でも凄い技能ってことだよね。


 そんなツギさん、頭を掻きながら、


 「いやあ、参ったなあ、この辺に出る宝箱じゃ、ちょうどいい証明にならねえな」


 とか言ってる、余裕ぶちかましている。でも本気みたい。


 「物足りねえがら、もう2、3個言ってみるかい? ごのグラスなら、サービスでいいや」


 って言われるがまま、サクサクと扉を開いて、サクサクと敵をたおして、サクサクと宝箱ゲットして、サクサクとツギさんが宝箱を開いて、今、北海道の銘菓がなんか、ズラリと並べられている。


 今回は、『石屋製菓』の『白い恋人』4パックに、おおっと、これはシリカさん呼びたくなるよね、の夕張メロンピュアゼリー2個と。『わかさいも本舗』の『わかさいも』だね、それが同じく4っつ、『菓か舎』の札幌タイムズスクエアが6個となんか銘菓の大盤振る舞いだよ。最後に出たのが、北海道グルメフーズの『北海道ジンギスカンキャラメル』だった、食べたことないけど、確かびっくりドンキーとかのレジの前に売っているよね。


 ジンギスカン味のキャラメル。ごめん、ちょっと手が出ない。


 「あ、僕、これ好きです」


 と躊躇する僕の前で、一つ摘んで口の中に放り込んだ桃井君が言った。ツギさんも普通に食べてる。


 「俺、甘いの苦手だがらさ、助がるよ、こう言う菓子は」


 2人してムシャムシャ食べてる。


 そうか、キャラメルって言う先入観がいけなかったのかな、初めっからこう言う食べ物って思えばいいのかもしれないな。


 と僕も一つ食べて見て瞬時に思う。誰か水持ってきて。


 と思ったら、春夏さんが水筒で持ってきてくれた紅茶をくれた。


 この前、例の『よいとまけアタック』の事件以降、中階層の浅いところには、麦茶か紅茶が必須と思っていたみたいな事を言っていた。


 しばらく、みんなで北海道銘菓に舌鼓を打ちつつ、なんかピクニックでもしているような、英国のお茶会のような、そんな穏やかな時間を過ごしていた。


 にしても、この銘菓類って一体、誰がどうやってこうして箱に詰めてダンジョンに出現させているんだろうか? まさかとは思うけど、モンスターが買いに行ってる訳じゃあないよね。確かこのダンジョンができて以降、北海道の産業は軒並み上昇しているって話だけど、この銘菓たちみたいにダンジョンが直接顧客になっているって事なんだろうか?


 もちろん、こんな疑問、解消できるはずもないので、一通り食べ終わると、僕らはいよいよ出発する事にした。


 「先に言っておぐけど、宝箱を守っているモンスター、結構強そうだったぞ」

 道すがら、ツギさんはそんな事を言う。


 「ひとまず見て見ましょうよ、すぐには遅いかかかってこないんでしょ?」


 と僕が言う。


 「ん、宝箱を守っている、そごがら離れようとしないんだ」


 「もし、強大なモンスターだったら、ミスマッチでギルドに討伐情報を出しますよ」


 ミスマッチというのは、その階層に相応しくないモンスターが出現することであって、それはギルドの討伐対象になる。この前のラミアさんの時みたいな感じだね。


 するとツギさんは笑って、


 「そっか、そん時は頼むよ、俺じゃあギルドの人たちは相手にしてくれないがらな」


 なんて言う。いや、そんなことはないでしょ? とは思うものの、それは口に出さずに飲み込んで僕はツギさんを見た。ここは中階層、色々な人間がいる。その人その人に事情がある。その人がそう言うなのならそうなのだろう、と思った。その件に関して深く立ち入るつもりもない。


 「アギはギルドの人間なのがい?」


 「いえ、違いますよ、頼まれれば協力とかしてますけど」


 「そうが、ギルド側の人間てごとなんだな」


 「うーん、違うかな、一度、本気で戦った事もあるし」


 「え? ギルドを敵に回しったってごとがい?」


 「まあ、そうですね、行きがかり上ですけど、全くもって不本意ですけど」


 「そっが、それで俺にもアギの情報が入って来ていた訳なんだな」


 どうも、ダンジョン内には色んな情報網があるようで、その中の一つに僕の情報も流れているようだ。そして、それはギルドのような組織ではないって事がこの話の内容で知ることが出来た。もちろん、今の所僕には関係の無い話かもしれないけどね。


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― 新着の感想 ―
[一言] 前ページの半ばがこのページの冒頭部分と同じ。リフレインしてる。 リフレインが叫んでる! 北海道銘菓が復習できたので、それもまたよし? キャラメルはNG、と。メモ。
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