表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
221/1335

第3話【金??? マジ?? 10万円くらい?

 まあ、最近、浅階層にエルダーなラミアが出たくらいだから驚いたりしないけど、それにしても、凶悪な敵だったなあ、って思っていると、


 「レッドキャップは、ゴブリンの中でも、唯一の武闘派ですから、『生り立て』が、こちらの能力を察知してやって来たんでしょう、本来なら、奥へ奥へ潜ってゆく筈が、近くに丁度いい強敵がいたので現れたんです。普通、この階なら、せいぜい出てんも、緑ゴブリン3体くらいが関の山ですからね、しかも、彼らがこちらを発見した場合、高確率で逃げますね」


 まあ、こっちには春夏さんがいるものね。


 しかも、以前の学校指定のジャージと変わって、今は北海道ダンジョン用のジャージに変わってるから、防御力も軒並み上昇だよ。


 と言っても、桃井君は、この前の時から変わらない、ブカブカの漆黒なローブだし、角田さんも、蛍光色ないつものジャージだし、結局、着ているのは僕と春夏さんだけなんだけどね。


 一応、その辺の楔帷子くらいの防御力と、耐火で防炎な性能で、絶縁な仕様なので電気にも強い。おかげで、今の僕、盾とか持ってないんだよね。


 この素材は、実際、ギルドとかの構成員の方達も装備していて、その性能は折り紙つきだ。しかも、今回、僕らが着ているジャージは、それの上位互換版で、未だ世間には流通していない物らしい。一応、僕の知っている範囲では、作っているのは、あの大手重金属メーカーの『大柴マテリアル』と北海道の有名な作業服販売メーカーで、機能制服の事を知り尽くした『PROの』のそしてギルドの協力の元、製作されているらしい。ちなみに、僕の方が、シリアル番号が0001で、春夏さんが0000だ。


 札来館で春夏さんお師範である冴木さんが、なんかツテを使ってとか、知り合いのコネとかで、どこからともなく持って来てくれた。本当にありがたい。


 ちなみに、このジャージ、古くなったり、その前にボロボロになった場合は、新品と交換してくれるって言ってた。


 「すぐに持って来てね、もう、洗濯とかしないでもいいから、いやむしろしないで、遠慮なく交換に来てね」


 ってなぜか鼻息も荒く冴木さんが言ってた。流石にそういう訳にはいかないから、洗濯とかはするけどね。だって臭いじゃん、汗臭くなるじゃない。


 ともかく、性能は段違いに上がったジャージに身を包んだ僕らだ。まあ、結局はジャージなんだけどね。


 今のところ、体に傷ひとつない。でも、手は擦りむいてしまったけど。


 「秋様、今日はもっと奥まで進みましょう」


 と桃井君が言う。


 賛成だけど、今日は中階層初日だから、深追いはするつもりはないんだけどね。


 「中階層は長いですから、できる限り歩を進めて長くダンジョンを歩く癖をつけておいた方がいいと俺も思います」


 確かに、長く探索できた方がいいに決まってるし、未だ体力的には問題はないと思う。


 けど、春夏さんの怪我とかもあったしなあ、って心を気取られるように、


 「秋くん、私は大丈夫だから」


 と僕に言う。


 じゃあ、とさらに奥に足を向けようとすると、


 「あ、ちょっと待ってください」


 と、桃井君が、バラバラになったレッドキャップのところに言って、何かを探している。  


「あ、あった」


 と血塗れのバラバラ遺体から指でつまんで何かを拾い上げる。


 「これ、『金』です、秋様、出たら換金しましょうね」


 え? 金って、あの金?


 「レッドキャプですからね、まあ、もっと奥に行けば、もっと稼げますよ」

 と角田さん。


 本当に、ダンジョンてお金が手に入るんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ