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第15話【どうやら、絶対に仲間になりたいようだ】

 余裕があるってのは良いよね。  


 今日は、春夏さんの言う通り、変な邪魔者も入んないし、目的の『4丁目ゲート』は目の前にあるし、そんなに慌てる様な時間でも無いし、まだ昼過ぎくらいだからね。


 僕は、ダンジョンウォーカーでごった返す人混みの中で、流れに乗りつつ、割と余裕を見せつつ刻一刻と近づいて来る大きなゲートの入り口に向かって歩いていた。


 で、歩きながらさ、なんで、僕の事を知ってるのか? とか、なんで僕を導いてくれるのか? って所は気になってしまったんで、直接本人が横にいるので聞いて見た所、


 「すいません、秋さん、今はそれ、何も言えないんですよ」


 って、普通に明るく、聞かれた時間を答えるみたいに言うから驚く。


 で、


 「でも、俺は、怪しい奴では無いですよ、それだけは信じてくれて大丈夫です」


 って言ってた。あまりに普通に言うから聞き流す所だったよ。


 まあ、うん。って答えておいたけどね。


 そして、直接これは関係ないんだけど、もう一個の疑問を尋ねて見る。


 「角田さんって、僕より年上ですよね?」


 って尋ねると、


 「ええ、そうですね、今年で高校3年ですよ」


 って答える。  やっぱり……。


 だから僕は言う。  「僕よりずっと年上じゃないですか!」


 「ええ、そうですね、なんかマズいですか?」


 ってちょっと焦って聞いてくる角田さん、いや別に僕も怒ってるわけじゃないんだけど……。


 でも、  「なんで、僕の事を『さん』付けで呼んでるんですか? で、なんで敬語なんですか?」  どう考えてもおかしいでしょ?


 だって、角田さんは年齢の上でも年上で、しかもどう見てもダンジョンに対してもそれなりの経験者に見えるんだよなあ。


 普通に軽そうなんだけど、僕と同じ……、でもない系のラメ入った、聞いた事ないメーカのジャージ着ているけど、持ってるのは金属バットだけど、それでも尚、どこか上級者の雰囲気を持ってるんだよなあ。


 もしかしたら、だけど、春夏さんと同じ、スキル持ちの、クラス名乗れる人かも、って雰囲気はあるんだ。


 「角田さんの、ダンジョンの最深到達って、すでに深階層ですか?」  って、試しに聞いて見ると、


 「ええ、もう、普通にダンジョンウォーカーですよ、どこにでも行けます」


 って答えられた。


 やっぱりなあ。


 そうなんだよ。


 僕がさ、言う一般の普通のダンジョンウォーカーと、角田さんクラスの言うダンジョンウォーカーでは、ちょっと重みというか、意味とかが違ってて、特に『ウォーカー』の意味合いってのは、『どこにでも行ける、好き勝手にダンジョン内を歩ける人』って意味だから。


   それはつまり、どんなモンスターがいても、どんなに罠が張り巡らされいても、それを苦にする事なく、普通に歩き回れるって、意味だから。


 だから、僕が『普通のダンジョンウォーカー』だとしたら、角田さんクラスになると『本物のダンジョンウォーカー』になるって事なんだ。


 でも、なんで、どうしてそんな人が僕を知ってて、そして僕を導くなんて言ってくれて、さらに僕みたいな今日からダンジョンウォーカーのオノボリさんに対して、うやうやしく敬語とかで話してるんだろう?


 しかも、『さん』付けだし、呼び捨ててくれても構わないのになあ、って思うから、  「そんな凄い人が、僕に対して敬語とかやめてくださいよ」  って言ったら、  「いや、それは無理ですね、この言葉使いと、秋さんに対してのインスパイヤは、俺の心情と生き方として止める事はできないんです」  って割とガチ目の真剣な顔して言われたよ。


 で、  「それは、秋さんが嫌がっても無駄ですから、絶対にこの言葉使いと、態度は改める事はしません」


 ってキッパリ言われた。


 もう、メンチ切るみたいな真剣な目をして言われた。


 いや、もう、そこまで言われてしまうと、本当に、この人、僕との関係ってなんだろう?


 ってか、僕はやっぱり、角田さんを知らないんだよなあ。


 すると角田さん、


 「まあ、秋さん、家来が一人増えたと思って諦めて仲間にしてくださいよ」


 って言う。いやいや家来とか……。  で、もう一回、  「なんで僕の事を知ってるんですか?」


   って尋ねるも、


 「いや、もう、それ、勘弁してくださいよ、俺の口から言える事じゃないんです」


 って言ってから、


 「もうそう言うの良いじゃないですか、諦めて仲間に入れてくださいよ」


 って押して来る。


 うーん。


 確かに謎しかないし、怪しいし、ちょっと見た目がガチのヤンキーぽくて、しかも喧嘩上等なタイプな人だけど……。

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