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第130話【ギルドへ敵対の意思あり、誤解だけど】

 どう見ても外国な人だよなあってシリカさん。


 「また行けません、大切な物を渡されてないので、それは満たされていないから、そちらには行けないのです」


 ってシリカさんこと佐藤 和子さんは言った。僕らでなくギルドの皆さんに訴えかけてた。


 「彼女にすぐに返してあげてください、卑怯ですよ」


 何も取ってないし、渡せるものなんてないんだけどな。


 うーん、違うんだけどな、なんか誤解が錯綜して、新しい物語が噤まれまくっているきがする。何だろう、解決が遠ざかってゆく気配がガンガンしている。


 「あの子、倒そうか?」


 春夏さんまで物騒な事を言い出す。


 「秋くんに向かって卑怯って言った」


 「いや、誤解みたいだからさ、話せばわかるよ」


 って言っているそばから。


 「角田氏、そちらにいるって事は今は敵って事なのかな?」


 ギルドの幹部らしきフルプレートの男の人が言う。


 普通に出会ったら、なんか頼りになる感が半端ない感じな人だよ、幹部力が滲み出ている感じかな、なんか表情は穏やかな口調とは裏腹に険しい感じだけど、やっぱり責任感とかから来ているのかなあ。


 などと他人事の様に感心してると、角田さん。


 「じゃあねえのかな、ひとまずは我が『王』の御心のままにだよ」


 「私は君に電話で呼び出された訳なんだが、この状況の説明を求めたいが、エルダーが表層に出て来ている以上、ギルドの義務を優先させるが、どうだろうか?」


 「いいよ、お互い立場もあるもんな」


 「助かる」


 どうやら2人は知り合いみたいな感じ。角田さんを知っているみたいだけど、会話の内容が不明だ。何の話をしているのだろう。


 「喜耒くん、予定は変更だ、私が彼を抑える、ラミアの首を落とせ」


 そう言うと、フルプレートの人、剣を抜いたよ。


 まったく絵になる姿だね、正統派の剣士って感じでやけにしっくりくる姿だよ。


 背もそれほど大きくないけど、妙に大きく見えるのは構えのせいだけって訳じゃないみたい。


 「はい」


 と一言の返事とともに、今度は、喜耒って言われた女の子、薄い赤系統の色のプレートアーマーが、ラミアさんに向かって駆け出す。


 もうラミアさんには抵抗する力はないみたい、ほとんど動かない。


 うわ、やばい。


 僕は、ラミアさんの前に立つ。


 ここまで来たら、最後まで守るよ。


 と言う僕のさらに前に出る春夏さんだ。


 「何の真似ですか?」


 喜耒さん、だったかな、その赤系統のフルプレートの女の子が、前に立ちはだかる春夏さんではなくて、僕にそう尋ねる。


 何の真似って言われてもなあ。


 「ギルドがお願いしていた『冒険者』達を全滅させたのもあなた達ですね?」


 この黒い人たちの事だろうか?


 「突然襲われたんだよ、こっちだって身を守るよ」


 「今みたいにラミアを守ろうとしているなら彼らは敵勢力とみなすでしょう」


 ちょっと、ここで冷静に考えてみる。


 現在の僕らの状況は、多少の誤解や行き違いを考慮しても、


 1、ギルドの雇った黒い人たちを殲滅している。


 2、モンスターであるラミアを守ろうとしている。


 3、佐藤さんとか言うシリカさんを人質(ギルド視点)に取っている。


 4、よくわからないけど、角田さんが、リーダー格の人に喧嘩を売っている。


 以上の4点を考慮しつつ冷静に考えてみると、あれ? どう考えても、今の僕ら、ギルドの敵だね。


 完全に悪い人たちって僕らの方だね。


 納得は出来ないけど状況は飲み込めたよ。


 どう考えても、客観的に見ても、こんな状況なら、世間を騒がす悪い人って僕たちの事だよ。


 いや、もう、ほんと、どうしよう……。


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