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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第153話【異世界が融合してからの毎日】

 割と早い時間に目が覚めて、リビングに降りて行くと、母さんと明日葉さんがキッチンに立っていて、テーブルには、春夏さんが朝食の用意、食器を並べていて、そこに真冬さんも手伝っていて、春夏姉はソファにどっかり座って、スマホで何やらニュースを見ていた。最初に僕に気がついた春夏さんが、


 「秋くん、おはよう」


 って声をかけてくれて、返事を返そうとすると、明日葉さんが、「もう式も済ませたんですから、『あなた』とか呼びなさい、いつまでも他人行儀よ」


 とか、言われて、顔を真っ赤にしている春夏さんだ。


 うん、可愛いなあ、頬を赤く染める春夏さんも……。


 朝の寝起きから良いもの見れちゃったよ、と思いつつも、式は挙げたけど、あれはイベントでくじ引きの景品で、しかも土岐とかに譲ってもらったわけで、入籍に関しては、北海道では結婚の低年齢化を推進するとかで、期間を設けて16歳婚を進めてるけど、特に僕の場合は道庁から是非モデル世帯になって欲しいとか言われてるけど、あと、ハーレム婚に関しても、いまだに政府公認になってるけど、僕はまだ独身だよ、未だ入籍はしてないよ。


 ってか、この状況をなんとか逃げ切って見せようと、考えてるよ。


 って言ってる側から、


 「やあ、おはよう、今日は私の愛しい旦那様の寝起きも早い様だな」


 って階段を降りて来て、未だテーブルにつかない僕に声をかけるのは瑠璃さんだった。


 で、瑠璃さん来るから、当然桃さんもいて、「おはよ」って声をかけて来る。


 そうなんだよ、今、瑠璃さんも桃さんも、僕の家に住んでる。


 一部屋空いててさ、そこに二人で生活してる。


 春夏さんを取り戻して、一応の収集がついた後に、家でホッとしてると瑠璃さんが来てさ、


 「お金を全て使い果たしてしまって、無一文なので、ここにお世話になりたいのですが!」


 って、玄関に立ってて、僕で無く母さんに言う瑠璃さんの顔って、今まで見た事ないくらいに緊張してて、


 「あなたも秋のお嫁さんになりたいってことかしら?」


 って言う母さんに、


 「ええ、この散財は全て、あなたの息子である秋さんによるものです、ですから私は、最後に破産し無一文になった、この身を買っていただきました」


 と言う横で、


 「私もついてるからね、お買い得だったよね」


 って桃さんも言うんだよね。


 でも瑠璃さん僕の方なんてちっとも見てなくて、ずっと母さんの事見てたから、これは、薫子さんと同じ、母さん狙いだな、って思って、特に口は出さなかった僕だった。


 ただ、その時に母さんの横にいた薫子さんが、散歩中に他の犬と会った時の我が家の飼い犬の如くの警戒を顕にしていたよ。今にも吠えそうな勢いだったよ。


 でも瑠璃さんはむげにはできない事情もあってさ、聖剣量産計画の時もそうだし、何より今は、異世界から来た人達の学校新設とか改築とか、成人している人たちが、こちらに馴染める様にって形の、ビル7軒分のセミナーセンターとか、の建築費用は全部瑠璃さんが出してるんだよ。


 もちろん、その場所とかは国も道も協力してくれてる。ってか土地とか提供してくれてるけど、流石にすぐには予算とか作れなくて、『魔王の財布』って呼び名を持つ瑠璃さんの個人資産によって早々にスタートしたんだって。


 異世界の人たちがこちらになじむ為には一刻も早くとは思ってたから、本当に感謝に絶えないよ。


 だから彼ら、異世界から来た魔物って言われた人達は、すぐにこっち、北海道に適応して、ほんの数ヶ月で、普通に、北海道で見る観光で来る外国の人よりも多い人数が、各地に混ざって生活し始めている。


 と、言うか、すっかり馴染んだ。


 それに気の良い人ばかりでさ、中島公園とか行くと、鬼と子供が遊んでいる姿をよく見るよ、鬼ごっこかな? 本物でやるからなんか贅沢な遊びだよね。


 何よりも驚くのは北海道民の受け止め方、ってかその懐の広さだよね。


 本当に、何も滞ることなく、いつも通りの北海道だから、普通にスーツ姿の人に混じって、異世界の人は行動して、地下鉄乗って、時には市電にも乗って、生活してるから、誰も驚かないし、普通に接してるし、すごいな道民とか思っちゃったよ。


 北海道は、完全に異世界を受け入れて、つまり異世界の文化とか技術、そこに住む、人ならざる者、ぶっちゃけ魔物等、全部を受け止めて、新しい時代を築き始めた。


 それでもさ、異世界の人達も最初は戸惑うかなあ、とか住みにくいかなあ、なんて心配もしてたけど、空気も水も土も、みんな異世界の大陸が混ざってる北海道は居心地がいいみたいで、のびのびとした環境で暮らし始めている。


 もちろん、そんな彼等はみんな、この国の国民で、だから僕らと一緒の道民なんだよ。当たり前だけど、羽が生えていようと、ツノがあろうと、見た目にドラゴンでも、みんな普通に一般市民なんだ。


 で、黒神様、今は北海道ダンジョンの神様になってる春夏さんの親的な人の話によると、ゆっくりと時間をかけて、姿も考え方も、こっちに寄るだろうって、そんなに急いて完全に混ぜなくても、いずれ落ち着くところに落ち着くから、今は見守って欲し言って言われた。


 ともかく、平和だよ、北海道。僕の家の食卓はちょっと騒がしくなって来てるけど。


 「なあ、この漬物しょっぱすぎるべ?」


 って言うのは僕の家にご飯だけ食べに来る真希さんだよ。


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