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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆終章 異世界落下編◆
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第148話【春夏さんの敵なら全部、無くす方向で!】

 春夏さんは言うんだ。


 「読めるからって読むなんて限らない、私が大好きで、私を大好きで居てくれる男の子の言葉はやっぱりちゃんと言葉として聞きたいわ」


 って言うから、もうね、人の思考を読みまくる人たちとは、もう役者が違うと言うか、やっぱ春夏さん、半端ないよ。ほら、聞いた? 静流? 今の言葉聞いた?


 ってもうね、こうして出て来てくれた春夏さんに対して、比較対象して、もう尊敬と親愛が止まらない僕がいる。


 僕と春夏さん以外いないけど、思わず静流に言ってしまう僕がいる。


 僕は、そのまま春夏さんを見つめるんだけど、その春夏さんの姿って、やっぱりかつての春夏さんで、春夏姉のそのもの姿なんだけど、違うんだよね。


 中身が違うと、同じ顔、同じ髪型、同じ体つきでもこんなに違うって見本みたいなものだよ、やっぱり春夏さんだ。そう思うとどんどん心がさ、喜びと言うか、嬉しさが膨れ上がって来るって言うか、もうこの爆走するテンションが止まらない。


 「秋くん、息が、くすぐったいよ」


 って、言われる。仕方ないじゃん、春夏さんだもの。春夏さんが出て来てくれたもの、だから、胸に押し付けられた顔で鼻息だって荒くなるさ。


 まあね、春夏さんの素肌に幸せな圧力で押し付けられてる、しかも柔らかく弾力のある豊かで綺麗な胸あたりだから、でも決して僕の心情と言うか、興奮はそんなところから来ているわけじゃなくて、こうして春夏さんが出て来てくれた事に、僕に前の現れて事に興奮しているわけで、決して春夏さんの胸に興奮しているわけじゃないから、純粋な思いだから。


 でも、僕は一回、春夏さんの胸を離れる。


 体を離して、久しぶりに見る春夏さんの顔。


 とても嬉しそう。


 その春夏さんに僕は言うんだ。


 「混ざるのここで終わりにしよう、春夏さんまで混ざる事ないよ」


 って言った。


 「世界が泡立つわ、秋くん、それが怖くて離れたの、異種は異種として同じ場所にいる事はできない」


 って言うんだけど。


 僕にとって、それがどうも正しい事に思えなくてさ、なんでみんな等しく、人にならな

いと行けないのかって、そう思うんだよ。


 「それって、希望をとってさ、一人一人に行う事ってできないかな? みんなが人になりたい訳じゃないでしょ? 人間になるって感じかな?」


 すると、春夏さんはいうんだよ、悲しそうに、寂しそうに……。


 「どんな小さな違いも、変化もそれはいつか争いの火種になるわ、秋くん、人はね、些細な違いを許さない、等しく同一になることを望むの」


 って言うんだ。まるで、その目に永い人類の歴史を見て来たかの様に、そんな言い方をする。


 「そんな事ないでしょ?」


 思わず即答してしまうと、春夏さんは、


 「秋くん!」


 って嗜める様に言われてしまう。


 「これは、過去にあった事なの、そして、私達は私達が原因で大きな争いを生む様な事はしたくないの」


 って言うから、僕は言った。


 「いや、人は同じ人どうしでも争うよ?」


 って言ってしまう。


 戦争も紛争も、犯罪も殺し合いも、今も世界の至る所で起こってるじゃん。それは決して異世界が介入しているわけでもなくて、普通に人同士が行ってる、いわば日常みたいなものだよ。


 それにさ、北海道ダンジョンでも、特に中階層以降、僕、モンスターと戦うより延べ人数的にも、人と戦ってることが多かった気がするんだよ。


 特になんの問題も無く戦ってたかなあ。理由はたくさんあったけど、戦って殲滅してからの方が話やすかったってのもある。葉山とかギルドの人達には少し乱暴だよ、って言われたけど、結果から言うと、それなりに落ち着いたんだし、いいじゃん、結果オーライだよね、僕は間違ってるんだろうか?


 僕の言葉に、春夏さんは驚く。すごいびっくりした顔してた。


 びっくりした顔も可愛いなあ、春夏さんは。


 そしてじっくり考える春夏さん。ちょっと気まずそうに、僕から視線をそらして、ボソっと、『確かに……』


 って言いう。


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